「ユーザーや広告主との成熟した関係の構築を重視したい」:文藝春秋 小濱千丈 氏

DIGIDAY

ニューノーマルはすでにノーマルとなり、街の鼓動は再び力強く脈打ちはじめている――。

そんななか日本の業界関係者たちは、2022年にどんな課題を感じ、どんな可能性を見出しているのか? この年末年始企画「IN/OUT 2022」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブに伺った。

株式会社文藝春秋にて、メディア事業局 取締役局長を務める 小濱千丈氏の回答は以下のとおりだ。

――2021年に得たもっとも大きな「成果」はなんですか?

「文春オンライン」「NumberWeb」「CREAWEB」の3サイトが過去最高の規模まで成長。同時に収益面(広告)の戦略について社内コンセンサスが進み、収益向上が果たせたことです。従来、Webメディアでも雑誌メディア同様に編集と広告のセクション間の協調におけるハードルは存在していましたが、収益性を軸に目標設定を共有することができたことによって大きく前進しました。これには「文春オンライン」の急成長によって広告売上が伸長したことを背景に、「文春オンライン」にコンテンツを供給している社内各メディアに収益分配を行ったことが寄与しました。各メディアの編集部が収益に対する意識を高めた結果、広告売上への好循環が生まれてきたという展開です。

――2021年に見えてきたもっとも大きな「課題」はなんですか?

Webメディア、サブスクリプション、オンラインイベント、ECサイトなどとデジタルによるコミュニケーションが拡張し、ユーザーとの接点が多様化した現在、「文春ブランド」とユーザーのエンゲージメントをいかにして強力かつ豊かなものにしていくかが最大の課題です。広告売上にとどまらない収益向上を目指す統合的な戦略を構築することが、先行き不透明な広告ビジネスの基盤として不可欠だからです。

――2022年にもっとも注力したい「取り組み」はなんですか?

Webサイトの量的成長とともに質的向上に注力します。特に質の面では、まずユーザーによりコンタクトされ支持される内容のコンテンツおよび広告表示を追求すること。さらにブランドセーフティ、アドフラウドへの対応を強化して高い信頼性を実現することです。こうして満足度の高いUXを実現することで、広告主から信頼され、高い評価を得ることを目指していきます。重視したいのは単に質・量ではなく、ユーザーおよび広告主との成熟した関係の構築です。このために、SNSを活用した施策の活性化など、コミュニケーション全体の充実を図っていきたいと考えています。

Edited by DIGIDAY[日本版]編集部

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