ニューノーマルはすでにノーマルとなり、街の鼓動は再び力強く脈打ちはじめている――。
そんななか日本の業界関係者たちは、2022年にどんな課題を感じ、どんな可能性を見出しているのか? この年末年始企画「IN/OUT 2022」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブに伺った。
ロケットニュース24を運営する株式会社ソシオコーポレーションにて、メディア事業部 Managerを務める瓦野晋治氏の回答は以下のとおりだ。
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――2021年に得たもっとも大きな「成果」はなんですか?
毎日のようにロケットニュース24の記事を読みに来てくださる熱量の高い読者を、今年も数万人規模で維持でき、さらに増えたことが最大の成果です。
外部からの流入ではなく、ウェブサイトのトップページや自社アプリを起点に読まれることも多く、事業の安定と新規開拓に必要な基盤が、さらに強固になりました。
現に、企業の皆様とのタイアップで成果をあげ、継続して発注いただけているのは、熱量の高い読者がいるからこそだと考えています。
――2021年に見えてきたもっとも大きな「課題」はなんですか?
運用型広告以外での収益化が、引き続き大きな課題です。
収益の柱として運用型広告に陰りがあるわけではないものの、これからの大幅な成長は難しいと考えています。
理由のひとつに、運用型広告市場の伸びはプラットフォーマーへの予算投下が牽引し、ウェブサイトの収益は市場全体の伸びほど増えないだろうと予測していることがあります。
また、動画サービスやゲーム、ソーシャルメディアなどとの競争はますます激しく、ブラウザの利用が増えるとも考えづらい。訪問者は増えずとも広告のインプレッションを増やす手法もありますが、UXを損ねて実現するのでは本末転倒です。
読者の高い熱量が次のビジネス展開の鍵になると感じており、小さなチャレンジを積み重ねているところです。
――2022年にもっとも注力したい「取り組み」はなんですか?
- 新規読者の獲得と来訪頻度の向上
- 読者一人ひとりの熱量を増やす
- 熱量を生かしたビジネス展開
この3つが最大のミッションです。
1と2には、編集部が生み出す記事等コンテンツが重要なのはもちろんのこと、読者が気持ちよく読め、再訪したくなるUIとコミュニケーションが寄与すると考えています。
3については、小さな独立系媒体社で多方面には張れないため、厳選して小さくチャンレンジを積み重ねていきます。2022年には兆しがみえるよう願うばかりです。
何に取り組むにせよ、編集部とビジネスサイドが共通の現状認識を持ち、統合された組織として課題に取り組むことが必要不可欠です。2022年もその先も皆様に楽しんでもらえるよう、一丸となって取り組んでいきます。
Edited by DIGIDAY[日本版]編集部