こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
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パーソナルケアのハリーズ、初の買収に成功
パーソナルケアの新興企業であるハリーズ(Harry’s)は12月13日月曜日、初の買収を発表した。ハリーズが今後より多くのスタートアップ企業を買収することも意図し、1億5500万ドル(約177億円)の資金調達を発表してから約8カ月後のことである。
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ハリーズの目に留まった新興企業のルメ(Lume)は、自然派デオドラントブランドだ。ハリーズのチーフ・グロース・オフィサーであるテミナ・ハイダー氏のチームでは、毎月ミーティングを開き、各従業員が「日常生活で出会ったばかりの、ワクワクするようなブランド」について話すという。ルメは、そうしたブランドのひとつだったという。
消臭剤の分野では、過去数年間に多くの統合が行われ、ネイティブ(Native)やシュミッツ(Schmidt’s)などの消臭剤の新興企業が、P&Gやユニリーバなどの大手コングロマリットによって買収された。ルメの創業者で産婦人科医のシャノン・クリングマン氏によれば、ルメがほかのブランドと違うのは、身体全体の臭いを抑えることに重点を置いていることだ。デオドラントアイテムに加えて、石鹸やボディウォッシュ、ランドリースプレーも販売している。
ハリーズは2022年の買収戦略について口を閉ざしているが(ハイダー氏は来年、同社が何社のスタートアップの買収を検討しているかについて明言を避けた)、ルメの買収は、ハリーズが何を求めているのかをある程度理解できるものだ。2017年に設立されたルメは自給自足体制で運営してきた企業で、従業員数はおよそ50人だ。同ブランドは自社のウェブサイトとAmazonで販売しており、クリングマン氏によれば、最近ウォルマート(Walmart)のサードパーティマーケットプレイスでの販売も開始した。そのため、ハリーズは製品を小売店に持ち込むだけで、ルメをスケールアップさせるチャンスが十分にある。クリングマン氏は、さらにルメが来年に向けて新製品にも取り組んでいると語ったが、それが何であるかは明言しなかった。
「創業者として、まずはこのような非常に非公式なアプローチでスタートし、やがて成長して本当の会社にならなければならない」とクリングマン氏は話す。「ハリーが築いた基盤は、特に法務、チーム、採用の面で、ルメに利益をもたらすと思う」。
ーー[原文:Harry’s makes its first acquisition ]Anna Hense(翻訳・編集:戸田美子)
MR Newsレビュー
速報系ニュースを振り返る「MR Newsレビュー」。今回は12月10日(金)〜12月16日(木)にモダンリテール[日本版]のTwitterでご紹介したニュースをまとめました。
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Edited by 戸田美子