立憲民主党は2021年11月12日に常任幹事会を開き、枝野幸男代表の辞任を承認した。枝野氏は辞任を受けて開いた記者会見で、辞任の原因になった衆院選敗北について「甚だ悔しく、力不足を申し訳なく思っている」と陳謝した。
衆院選では、共産党などと選挙協力して小選挙区での候補者の一本化を図り、仮に立憲が政権を獲得した場合は共産党が「限定的な閣外からの協力」をするという合意を結んだ。このことが、共産党との距離の近さを揶揄する「立憲共産党」といった自民党からの攻撃を招き、比例票を減らしたとの指摘もある。枝野氏は「違う選択肢は採りようがなかった」とする一方で、「実態以上に近い関係と受け止められてしまった」とも。共産党を筆頭に、他党との距離感が適切に伝わらなかったことが「力不足」で「最大の反省点」だとした。
「かなり緻密に言葉を使い、進めてきたにもかかわらず…」
枝野氏は、他党との協力関係を結ぶことで、小選挙区では「かなり大きな意義があった」とした上で、
「あえて申し上げれば、この大きな方向性について、今回の選挙で違う選択肢はなかった。違う選択肢は採りようがなかったと思っているので、私自身はこの戦略というか、方向性を選択したことについて後悔はない」
などと述べた。その上で、戦術としてのマイナス面にも言及した。
「戦術論としては、実態以上に近い関係と受け止められてしまったのは間違いないと思っている。それはいろいろな事情があるが、最終的には我々の発信の問題だと思っている」
報道各社は立憲と共産の関係について「野党共闘」「閣外協力」といった言葉を用いることがあったが、枝野氏はたびたび「野党連携」「野党間の連携」「限定的な閣外協力」だと訂正してきた。枝野氏はこの点も反省材料として挙げた。
「他の野党との関係については、かなり緻密に言葉を使い、進めてきたにもかかわらず、それが有権者の皆さんにきちっと伝わらなかったという客観的な事実はあると思っている。それは私自身の力不足だと思っており、きちっと実態通り報道していただき、有権者に伝わるような、努力がさらに必要だと思っている」