ドイツ 第4波で感染者が過去最多 – BBCニュース

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ジェニー・ヒル、BBCニュース、ライプチヒ(ドイツ)

ドイツで新型コロナウイルス感染の第4波が急拡大している。対策が取られなければ新たに10万人が死亡すると、同国のウイルス学者が警告している。

ドイツの1日あたりの感染者数は10日、パンデミックが始まって以降で最多の4万人近くに達した。

ウイルス学者のクリスティアン・ドロステン氏は真の緊急事態だとし、「ただちに行動しなくてはならない」と話した。

ライプチヒ大学病院の新型ウイルス集中治療病棟の医師らは、第4波が過去最悪の感染流行になり得ると注意を呼びかけている。

同病棟に入院している20代女性患者は出産したばかりだ。赤ちゃんは元気だが、女性の回復は確実ではないという。

同病院があるザクセン州は、7日間平均の感染率が10万人あたり459人で、国内で最も高い。全国平均は同232人。

同州のワクチン接種率は国内最低の57%にとどまっている。

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ライプチヒ大学病院の新型ウイルス集中治療病棟には18人が入院している。そのうちワクチン接種を受けていたのは4人だけだ。

「今回の第4波では、患者の治療に当たろうという士気をスタッフの間で高めるのが非常に難しい」と、同病棟を率いるセバスチャン・シュテール教授は話す。「国民の多くがまだ、この問題を甘くみている」。

今ではほとんどの人は、知り合いに新型ウイルス感染者がいるはずで、それゆえ感染リスクを認識しているべきだと、シュテール教授は言う。

「それなのにワクチンを接種していない患者があまりに多い」

ドイツの保健相は現状を「ワクチン未接種者のパンデミック」と呼び、ワクチン未接種者が感染の急増を招いていると公に批判している。

ワクチン反対者らが抗議

ザクセン州は今週に入って、ワクチン未接種者がバー、レストラン、公開イベント、スポーツやレジャー施設に入るのを禁止した。いくつかの州が同様の措置を取るとみられている。

一方、ドイツのワクチン反対者はこれに強く反発している。ライプチヒでは先週末、数千人が抗議した。

「これは差別だ。私たちの社会では受け入れられないと強く訴えたい」と、反ワクチンを掲げる「ライプチヒ運動」の代表者レイフ・ハンセン氏は話した。ワクチンを製造した会社や承認した機関を信頼していないという。

「ワクチンは大丈夫だというが、自分の子どもに接種させろというのか? 絶対だめだ!」とハンセン氏は言った。「体内に取り入れるべきではないと感じている。体内に入れないよう、できる限り闘っていく」。

ドイツでは12歳以上の1600万人がワクチン接種を完了していない。ドイツ政府は、その大半を説得するのは難しいと認めている。政治家の間では、社会の分断を深めかねないと懸念している。

国民の多くは、新たなロックダウンの実施を恐れている。ライプチヒにあるバーの1つは、前回のロックダウンをかろうじて耐え抜いた。経営者の女性は、当局が指示を出す前からワクチン未接種者の入店を断ってきたと、BBCに話した。

「店を閉じる寸前だ。せっかく夢がかなったのに、他人を病気にさせたり死なせたりしないための合理的な行動を取らない人たちのせいで、さんざんな目にあっている。本当に腹立たしい」

ライプチヒのワクチンセンターには今週、長い列ができた。気持ちが変わった人が出ている証拠かもしれない。ドイツでは現在、ワクチン接種者の予防効果が薄れているとの懸念が広がる中、3回目のブースター接種が進められている。

ライプチヒ大学病院の新型ウイルス集中治療病棟では、すでにダメージが生じているとスタッフたちは感じている。新型ウイルス患者の治療のため、他の手術はキャンセルされ、処置が延期されている。

同病棟では入院した人の半数近くが死亡すると、医師たちは話した。

新型ウイルスの最初のワクチンの1つを開発したドイツにとって、きわめて不名誉な事態となっている。

(英語記事 German Covid surge prompts warning of 100,000 deaths

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