自民は内容薄い? 各党の森林政策 – 田中淳夫

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あまり時事的な問題は扱わない方(枕ぐらいにはしてきましたがね)なのだが、久しぶりに総選挙も近いので、各党の森林政策を比べてみた。

せっかくだから、まずは総務省のポスターを。「投票に生きましょう」(^o^)。

森林政策を比べるのに、ちょうどよいサイトがある。「持続可能な森林経営のための勉強室」の中だ。
総選挙2021各党の政策の中の森林林業政策 ネット上に公表されている各党の政策の中で、森林・林業・木材という文言が入っている文章を拾い出したものとのこと。ここの記述に基づいて読んで比べてみる。

ちょっと驚いたのが、自民党の政策内容が薄っぺらい……というか、物理的に分量が少ないこと。これまで、何といっても政権与党であり、もっとも詳しく書いてあるのが自民党だった。その内容に賛同するか反対するかはともかく、実績と行政を握っている与党の強みであろう。

ところが今回は、わずか3項目を数行で済ませている。グリーン成長、エリートツリー、スマート林業、ウッドショック……これまで繰り返された言葉の羅列。なんだかテキトー感がにじみ出る。力抜いているなあ。少しだけ新しい文言は「5か年加速化対策」かもしれないが、これも中身は治山、森林整備などで違うことをするわけじゃない。

逆にもっとも長いのが立憲民主党か。これも内容はおいといて、だが。多少とも新しさを感じるのは、木材ペレットによる熱エネルギー(発電ではなく)とか、農林地の相続を取り上げていること。また懐かしい?森林・林業再生プランという言葉、適切な森林管理を実施する者に対する直接払い制度……なども登場している。民主党政権時代の名残。

公明党は、自民党よりは長い。ただ新しい言葉が見つからない。グリーンインフラ、エリートツリーなんかも自民党と共通。焼き直し感が漂う。あえて言えばバイオマス発電などによるカーボンゼロ、カーボンマイナス、という記述は面白い(笑)。ニュートラルを飛び越えてマイナスにするんだって。有り得る?

共産党は、長い。立憲民主党とどちらが長いのか競っている。ただ切れ目のない文章なので読みづらい(-_-;)よ。中見出しを入れ、箇条書きにすることをお勧めする。
内容は、日欧EPAやTPP撤廃を謳っていて、関税で国内産業を守るという時代遅れな発想である。林業女子会、(森林)ボランティア団体にも触れているが、これもなあ。今更感が漂う。ちょっと遅れてません? それと森林環境税(国)は与党が決めたことだけど、どうも賛成しているみたい。増税なのに。

※共産党のこの政策は、4年前のものだったようです。今年のものは、こちらでした。
政府の「林業成長産業化」政策を見直し持続可能な林業をめざします

おそらく党のサイトの書き換えが時間差でずれたのだろう。新しい版にはウッドショック広葉樹利用などが登場する。「林業の成長産業化」も見直すという。これが森林破壊の元凶だから。ただ4年前と大きく変わるところはない印象だ。

日本維新の会は、見事に1行! 農山村地域、農林水産業なんか知らん! という姿勢は結党以来、一貫している(笑)。

国民民主党は4行。その中でトップは地球環境でも林業振興でもなく花粉症対策で、木製サッシを取り上げるところは斬新かも(^o^)。ドイツのような林業大国をめざすんだって。

以上、私の個人的な見解です\(^o^)/。ほかの党(社民党、れいわ新撰組など)は記述ゼロなんだろう。

さて、参考になりましたでしょうか。なりませんね……。

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