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LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)は第3四半期の収益を発表、2020年と比較してブランド全体で40%の有機的な収益増加があり、改善が見られた。
10月12日の決算発表で、LVMH最高財務責任者のジャン ジャック・ギオニ氏は、新しく傘下に加わったティファニー(Tiffany & Co.)の成功についてふれ、LVMHのラグジュアリーファッションブランドは全体的に非常に好調であることを報告した。LVMHは2021年1月にティファニーを買収している。ファッションとレザー製品全体で、有機的収益による成長は2019年と比較して38%に達した。LVMHは、上半期の収益が56%増加して287億ユーロ(約3.8兆円)であったことを7月に発表。第3四半期の成長はそれには劣るものの、LVMHが引き続き成功を収めていることが浮き彫りにされている。
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ファッション・レザーグッズ分野
ファッションとレザーグッズ分野においては、ルイ・ヴィトン創業者の生誕200周年記念のために実施されたクリエイティブイニシアチブと、マリア・グラツィア・キウリ氏の指揮下でのディオール(Dior)のショーの成功が強調された。WWDによると、過去のディオールのショーは大勢に視聴されている。たとえば、2021年春のショーは12のグローバルプラットフォームでライブストリーミングされ、TikTokと抖音(Douyin)の視聴回数は2700万回だった。このショーの動画は合計で1億1500万回以上視聴され、ハッシュタグ#DiorSS21は、中国の微博(Weibo)ユーザーに3億6000万回使われた。また、ディオールは、この3年間で売上高が3倍になり、今年は60億ユーロ(約8000億円)に達するほどの好調な売上高を報告している。
ジュエリー・ウォッチ分野
ジュエリーとウォッチについては、LVMHは1月に158億ドル(約1.8兆円)で買収したティファニーが構造的に重要な貢献をしたことが報告された。ビヨンセ氏とジェイ・Z氏を起用した「アバウトラブ(About Love)」キャンペーンは米国で大好評を博した。LVMHはティファニーのこのクリエイティブディレクションを継続したいと考えている。決算報告の際にギオニ氏はティファニーについて次のように述べた。「成果には満足している。アジアと米国の事業は順調だ。これらの地域では、製品とマーケティングに関するあらゆるイニシアチブが好評を得ている。卸売事業は廃止したが、小売業は順調だ。我々は、ティファニーがいっそう幅広い範囲の顧客にアピールしていきたい。また製品の価格面では、すべての製品カテゴリーを見直し、勝てる製品は何かを考えている。マーケティングでは、将来に向けたコミュニケーションラインをすでに導入している」。
ジュエリー・ウォッチのほかの部門は、中国での新型コロナウイルス感染症関連の規制の影響を受けたものの、2019年と比較して1%の成長を報告。とくにブルガリ(Bulgari)は、改修を終えたヴァンドーム広場の旗艦店と、アンバサダーのプリヤンカ・チョプラ・ジョナス氏とともに協働したインド向け製品の発売に支えられて、店舗において順調な成長が報告されている。
総収益の26%を占める中国での展開
収益報告で目立って言及されたのは中国だった。同国は総収益の26%を占め、全地域で最大の全体的な成長を遂げた。中国では富の再分配と贅沢に対する取り締まりについて最近発表されたが、LVMHは、中流階級の消費者層の大部分には影響はないだろうと、引き続き前向きな姿勢を取っている。ギオニ氏は「これが我々の顧客ベースの大部分を成す中流階級に悪影響を及ぼすという理由は見当たらない。(取り締まりについては)とくに心配や懸念はない」と述べている。
中国における最近のコロナウイルス規制により、8月の数字は弱まったものの、成長率に大きな影響はなかった。さらに、グローバルなサプライチェーンの問題はLVMH傘下のブランドには影響を与えていないようである。ギオニ氏は、製造と出荷のいずれにおいても、製品の提供に影響が出るとは予想していないと言う。「製造について懸念はない。売上の損失につながる可能性がある唯一のことは、何らかの理由で輸送能力が低下した場合だ。しかし、我々はそれを予想しておらず、懸念すべき理由はないと考えている」。
労働力確保への取り組み
LVMHは、最近、2022年末までに30歳未満の2.5万人の採用を目指した新しいプログラムを発表した。世界的に人材を求める動きは約16.5万人の社員から成る既存の労働力を強化するのに役立つだろう。同グループの人事・シナジーディレクターであるシャンタル・ガンペルレ氏は、あるステートメントでこう述べている。「新型コロナウイルス感染症により、とくに若い世代が影響を受け、彼らの雇用可能性が打撃を受けたいま、LVMHは彼らがキャリアを構築できるように具体的な方法で寄り添い、支援するつもりだ」。
複数のブランドを扱う小売業者を介したeコンセッションについての質問には、ギオニ氏は、LVMHでは「巨大なプラットフォームがコンセッションモデルを提供しているとしても、当社が参加するかは依然として疑問だ。当社が顧客データにアクセスできない点が懸念事項である」と言う。彼の言葉は、サードパーティとの協働というよりは、自社で運営を行うことをのぞむ動きが広がっていることを示している。
買収でスキンケア部門を強化
最近のLVMHグループの発表にはスキンケア部門に関するものが多い。たとえば、10月5日には、フランスのフレグランス・ビューティブランドのオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー 1803(Officine Universelle Buly 1803)の買収が発表された。収益報告によると、フレグランスとコスメティクス部門の成長に関しては2019年から変化は見られなかった。これは消費者の動向の変化に起因しているかもしれないが、LVMHのこの買収と全体的なフレグランス・スキンケアへの関心の高まりは、来年度の業績向上につながるはずだ。
[原文:LVMH reports strong growth in Q3, especially in fashion and leather goods]
ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)