時速50km/hで走れたらホント気持ちいいいだろうなぁ。
オランダのVanMoofが新型E-バイク(電動自転車)「VanMoof V」を2022年にグローバルで発売/日本への発送は2023年の予定と発表しました。販売予定価格は45万円(税込)。
現行最新モデルのVanMoof X3/S3の27万5000円と比べてもかなり高価ですが、VanMoof Vは最大時速50km/hで走行可能なように設計されたさらにハイエンドなモデル。実際にそういったスピードで走れるか否かは各国の法律次第ということのようですが、最強仕様VanMoofなのはまちがいありません。
目指すは「電動の次の次元」
VanMoof共同創業者のティーズ・カーリエは「今回発表するはじめてのハイスピードE-バイクは、都市の生活や移動の方法に抜本的な変化をもたらすことでしょう」と述べていますが、VanMoof Vのポイントはこの「ハイスピードE-バイク」という表現に集約されています。
2輪駆動──つまりは前後両輪にモーターが搭載され、最大時速は50km/hが各国の法定速度に合わせて設定される、というのです。もって回った表現ですが、法律的にいけるなら最大時速50km/hで走れます、ということのよう。
実際にそういった速度で走れるなら、VanMoofがプレゼンで言っていたように「都市でのデフォルト移動手段」の座をクルマから奪い取る…とまでは行かずとも、肩を並べる選択肢になるのはまちがいありません。コロナ渦を経て移動手段に自転車を選ぶ人が本当に増えました。より速く走れる電動自転車が登場するなら、さらに注目が集まるでしょう。
道交法の壁をどうクリアするかという問題
でも、「日本で25km/hの壁をパスするのはちょい厳しくない?」というのが現時点での率直な印象です。
日本の道路交通法では、「電動アシスト自転車」以外の電動自転車はバイクに分類されます。めちゃくちゃざっくり言うと、「時速25km/hを越えたら、モーターによるアシストをやめる仕組みにしてね。じゃなきゃバイクだかんね、免許とかいるからな!!」というルール。実は自分の脚力で時速25km/hを越えて走るのはOK(実際ロードバイクは25〜30km/hとかで走ってます)なんですが、そういうのじゃなくてモーターによるアシストを受けつつ楽して速く走りたいわけです。でもそれをやっちゃうと自転車をやめることになるジレンマ。
技術的に回避する問題というよりは、「高速走行可能な電動自転車ってやっぱりバイクになっちゃうの? 電チャリのまま速くはできないの?」という法律的な議論が必要な段階にきてるような気がします。
前後にサスペンションを搭載。オフロードにも突っ込めそう
スペック面を見ると、走行中の振動を軽減するサスペンションを前後に搭載し、アルミフレームも高速走行を安心して行なえるようさらに強化。高速走行を意識したアップデートが入っています。ファットタイヤを採用しており、オフロードバイクに限りなく近い何か、という印象。未舗装路を電動の力で走破するのは相当気持ちよかろうと思います。
これまでのモデル同様に、瞬時に加速できるターボブースト・キー不要で解除可能な施錠システム・盗難防止システム・自動で変速を行なうオートマチック電動Eシフターなども引き続き搭載されます。ライトも内蔵です。バッテリー容量は700 Whで、身長165-205cmのユーザーに対応する、とのこと。もう少し身長が低い人向けのモデルも出てくれると信じたい。
オンロードでもオフロードでも最強クラスの走行性能をもったスタイリッシュすぎるモンスターE-バイクが降臨するということです。隣の都市圏まで旅行や観光に行けたりもするでしょう。近所のスーパーに買い出しに行くだけの足ではなくて、いろんな人が気持ちよく遠くへ行けるヴィークルという感じ。
こういう製品が登場してくるのは電動自転車でもっと自由に走りたいというニーズが高まっているからだと、自転車であちこち走っている身としては思います。最近ホントによく見かけるんですよね、電チャリで長距離サイクリングしてる人を。自転車レーンや専用道をもっと整備して、自転車がより快適に、そして高速に走れるような法律的な議論をしていってもいいんじゃないかという気がします。
ついそんなことを考えちゃうくらい、VanMoof Vは刺激的でした。公式サイトではすでに20ユーロのデポジットを払えば予約可能になっていますよ。早く乗りたいですね!
Source: VanMoof (1, 2)
Reference: e-Gov法令検索 via Wikipedia (1, 2)