いやいや、ちっさ!
シグマが、2021年9月9日の新製品プレゼンテーションにて2本の新しいレンズを発表しました。「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」と「24mm F2 DG DN | Contemporary」です。対応マウントは、どちらもLマウントとソニーEマウント。
どちらのレンズもシグマのIシリーズに連なるモデル。IシリーズとはPremium・Compact・Primeをコンセプトとするフルサイズミラーレス向けのレンズたちで、金属製のリッチな筐体や精緻な設計など、光学性能とモノとしての魅力を両立させるべく生まれた新シリーズです。今回の2本で、Iシリーズのレンズは合計6本になりました。
祝・シグマ60周年
実は9月9日はシグマの創業記念日で、2021年9月9日でシグマは創業60周年を迎えます。おめでとう! プレゼンテーションのはじめに山木社長は「60年のあいだに経営に関わる危機は何度もあったが、ユーザーに支えられてここまで来れました。これからも最高品質、最高のサービスの提供を目指していきます」と述べていました。ウルっときました。
ということで山木社長もいつもなら黒いTシャツのところ、60周年の還暦ということで赤いちゃんちゃんこならぬ赤いTシャツで登場。シグマのオンラインレンズ発表も恒例になってきましたが、こういう演出も、なんかこう、良いよね!
信じられない小ささ「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」
「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」は、超コンパクトを目指した中望遠レンズ。重量295g、全長59.7mm、フィルター径64mm。そのコンパクトさたるや、手のひらにおさまるほど!
このルックスで90mmは魔法でしょ…。世界最小のフルサイズミラーレスであるSIGMA fpとの相性も抜群。とりあえずカメラバッグに忍ばせておける、常備できる90mmです。ちょっとボケい画が撮りたいな〜と思ったら、ポケットからさっと90mm。
設計思想は独特です。軸上色収差や球面収差はレンズ側でしっかり叩くけれど、倍率色収差はあえて残す、それもソフトウェア側で補正しやすいかたちにして残すことで、レンズ構成をコンパクトに抑えられました。なのでMTFチャートを見ると周辺が甘く見えるけども、カメラ本体で補正された画を見れば、周辺も綺麗に描けてるという次第。この考え方は面白い、現代的。
プライムを体現せし広角「24mm F2 DG DN | Contemporary」
2本目は、「24mm F2 DG DN | Contemporary」。同じIシリーズに「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」があり、現状ではIシリーズ唯一の焦点距離ダブリっ子でもあります。重量は365g、全長72mm、フィルター径70mm。
レンズ設計者の意図によると、このレンズは「35mm F2 DG DN | Contemporary」(山木社長はこのレンズをよく使うそうな)と同じような光学特性を持つように設計したとのこと。どちらも明るいF2なので、35mmの明るさでもっと広角な画を撮りたいと思ったら、コイツの出番。広角だけどボケも作れちゃいます。
また、シグマにはレンズのゴースト処理に特化した、通称・ゴーストバスターズなるチームがあるらしく(ネーミングよ)、レンズの設計段階からゴーストをシミュレーション&処理するそうです。テスト撮影段階で出てしまったゴーストについては、わずかな調整を加えることでひとつずつ対処していきます。24mmはゴーストも気になってくる画角ですが、ゴースト退治済みのこのレンズなら逆光も怖くない。
手のひらサイズの中望遠「90mm F2.8 DG DN | Contemporary」と、星空からスナップまで描き出す「24mm F2 DG DN | Contemporary」。どちらも発売日予定日は2021年9月24日、希望小売価格は税込8万5800円。
最後は、60周年を祝したアイテムとしてハンカチが紹介されました。60年を年、月、日、秒などの単位で表現した重みを感じるデザインで、フォントにはシグマフォントが使われています。一部のシグマユーザーにはすでに発送されていますが、先着1,500名で今からシグマのオンラインショップに登録した人にもプレゼントするとのこと。さすがにもう終わってるかな?
いやー、Iシリーズだけはほんと対応マウントがうらやましいですね。fpとかガジェット感覚でふらっと買っちゃいそう。山木社長は「コンパクト重視な人はF2.8を、大口径とコンパクトを兼ね備えたいならF2.0がおすすめ」と述べていましたが、自分ならどんなバランスで揃えたいか、妄想しちゃいますね。だってfpに90mmつけても700g以下ですよ、やばない?