市民の生活を軽視した五輪組織委 – 森山たつを / もりぞお

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オリンピック開会式前日、オリンピック組織委員会の橋本聖子会長会長は会見でこう言いました。

オリンピック開会式、橋本会長「やらせていただきたい」

「お・も・て・な・し」で招致が決まったのが2013年。
8年間の準備期間があったにもかかわらず、前日までやるか・やらないかレベルで議論されるという、史上最悪のオリンピック、東京オリンピック。

いったい、なぜこんなことになってしまったのか。問題点を分析します。

東京オリンピック、不祥事リスト

まずは、これまでに起こった不祥事を振り返ってみましょう

・エンブレムパクリ問題
・JOC会長、贈賄で起訴
・トライアスロンのお台場の水、汚水垂れ流しで大腸菌
・新国立競技場、金かかりすぎで設計変更
・結局できたものはゴミ
・猛暑対策に、水まき、朝顔、三度笠
・結局マラソンは札幌に
・森元会長大暴れ→辞任
・川淵キャプテン、会長就任前に辞退
・開会式、パワハラとメンツでMIKIKOや椎名林檎をクビに
・開会式、渡辺直美を豚にする案が流出し炎上
・コンパクト五輪→当初の4倍の予算で史上最大に
・復興五輪ってなんだっけ?
・有観客→1万人→無観客
・選手関係者は選手村で隔離のはずが、六本木でウェイ
・アメリカ人スタッフ、六本木でコカインやって捕まる
・ウガンダ人重量挙げ選手、日本で働きたいと書き残し、失踪
・開会式メンバー小山田圭吾、25年前の障害者いじめを掘り起こされ炎上
・バイトのウズベキスタン人が、国立競技場で強制わいせつして逮捕
・ロシア人選手が、選手村の不便さを暴露
・開会式演出家が過去のホロコーストコントで辞任

これだけの途方もない不祥事が起こるのは一体なぜか?
悪いのは小山田圭吾なのか?諸悪の根源は個人ではないということ、原因は3つの要素であるということを解説します。

原因1.オリンピック組織委員会がポンコツ

小山田事件が一番わかりやすいのでこれを例にしますが、他の事件も、組織委員会がちゃんとしてれば防げた/ここまで酷いことにならなかった案件です。

小山田事件、問題点は3つで
1.多くの人が障害者暴行をしたという過去を知っている、小山田圭吾をオリ・パラ開会式に採用してしまった
2.炎上した後に「誠実に仕事をしているから、辞任はない」と2回も言い切った
3,その数時間後に辞任

1.に関しては、純粋に調査不足です。Googleで5分検索すれば出てくる内容です。
組織委員武藤敏郎事務総長は「われわれが1人1人を選んだわけではない」という言い訳をしています。
実際、クリエイター仲間もしくは広告代理店が選んでいるのでしょうが、その際に第三者の目でチェックを入れるのが組織委員会の仕事で、その仕事を放棄していることになります。

原因2.オリンピック組織委員会に大会の理念が共有されていない

2.が最悪です。
炎上した直後「高い倫理観を持って仕事をしているので留任」と言ってしまったことです。
個人の倫理観ではなく、この開会式を見る視聴者(特にパラリンピックに関しては障害者の人たち)がどう感じるかを最優先に考えなくてはならないのですが、「このタイミングでもあるので引き続き支え、貢献してもらいたい」と、自分たちの都合を優先し、続投させようとしていたわけです。

詳しくはこちら
小山田圭吾が、パラリンピックにだけは絶対に関わってはいけなかった理由

このように、パラリンピックの理念「すべての人が共生する社会の構築」とは真逆の事を行っているのに「理念に反している」という判断ができなかったのは、理念が共有されていなかったからとしかいいようがありません。

そして、理念なく、その場限りの対応をしてるので、3.数時間後に撤回 となるわけです。
こんな人たちがいうこと、誰も信用しませんよね。

同様に、この五輪パラ開閉会式統括、組織委日置貴之氏のインタビュー

「復興五輪」という言葉が一切使われてないことに関して、「省いたつもりはない。たまたま書いてないだけ」と適当に答えているところからも、本気で忘れてたことが見受けられます。

さらに、コンセプトが英語だけで、しかもその英語が “United Emotion” という、英語ネイティブから見ると明らかにおかしい単語が使われているという酷いものになっていて、仕事ができな上に、理念が適当ということが非常によくわかるものとなっています。