by NOAA
アメリカ海洋大気庁(NOAA)が2021年8月13日に、2021年7月は観測史上最も暑い月だったことを発表しました。
It’s official: July was Earth’s hottest month on record | National Oceanic and Atmospheric Administration
https://www.noaa.gov/news/its-official-july-2021-was-earths-hottest-month-on-record
NOAAが発表した観測記録によると、2021年7月における陸と海の表面温度の合計は、20世紀の平均である15.8度を0.93度上回り、142年間の観測史上最も暑い月だったとのこと。特に、北半球の地表面の温度は平年を1.54度上回る空前の暑さで、これまでで最高だった2012年7月の記録を上回り過去最高でした。
NOAAが作成した、2021年7月に起きた重要な気象現象のマップが以下。2021年7月は、北米・南米・アフリカ・オセアニアなど世界各地で観測記録トップ10に入る気温で、とりわけアジアでは2010年の記録を破り過去最高でした。また、ヨーロッパでも2018年に次ぐ記録的な暑さだったとのこと。また、7月にアメリカの東海岸に甚大な被害をもたらしたハリケーン・エルサは、5番目に命名された大西洋のハリケーンとしては最も早い時期に発生したものでした。
by NOAA
特に、エルサが直撃したニューヨークは地下構造などのインフラが洪水に対して弱い設計であるため、広い範囲で溢水(いっすい)が発生するなど甚大な被害を受けました。
NOAAのリック・スピンラッド局長は「7月は通常、1年のうち最も気温が高い月ですが、特に2021年の7月はこれまでで最も暑い月になりました。この記録は、気候変動が地球にもたらす不穏で破壊的な道のりの深刻さを一層鮮明に示すものです」と述べました。
スピンラッド局長はまた、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2021年8月に発表した報告に言及し、「人類の活動が気候変動の原因であることは明らかであり、その影響が広範囲に及び、急速に強まっていることを確認したIPCCの報告書は、非常に憂慮すべきものです」とコメントして、気候変動の進行状況に対する危機感をにじませました。
IPCCは、8月9日に公表した第6次評価報告書の中で「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と指摘し、評価報告書史上初となる「地球温暖化は人間が原因」という断定表現を用いました。
「地球温暖化は人間が原因」とIPCCがついに断定、「人類にとって赤信号」と国連事務総長 – GIGAZINE
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