襲い来るストレスや不安からメンタルを守る「10のシンプルな方法」とは?

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世の中には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックや、食品・ガソリン代の値上げによる生活コストの上昇など、さまざまなストレス要因が存在します。そんなストレスや不安からメンタルを守る「10のシンプルな方法」について、サイエンスライターのステファニー・パパス氏が解説しています。

Stressed about ‘cost of living crisis’? 10 simple ways to ease anxiety and depression | Live Science
https://www.livescience.com/tips-for-anxiety-depression

◆01:家の外に出る
ストレスやネガティブな考えに対処する上で「屋外に出る」ことは大きな効果があるそうで、2015年の研究では家の外を90分間歩くだけでネガティブな反復的思考パターンが減少することが確認されています。また、「1日10分ほど自然の中で過ごすだけで精神状態が改善する可能性がある」との研究結果も報告されているほか、屋外で過ごすことが注意力やワーキングメモリのパフォーマンスを向上させるとの研究結果もあります。

◆02:体を動かす
気分が落ち込んでいる時は体を動かすのも面倒に感じるかもしれませんが、運動には「うつ病の症状を軽減する」「不安を和らげる」「自尊心が向上する」など、さまざまな精神面でのメリットがあることがわかっています。2007年の研究では、うつ病患者を「抗うつ薬を服用する」「グループでのエクササイズを行う」「自宅でのエクササイズを行う」「偽薬を投与する」といったグループに割り当て、16週間後にうつ病の症状が緩和した人の割合を調べました。その結果、抗うつ薬を服用した人の47%で症状が改善しただけでなく、グループエクササイズを行った人の45%、自宅でエクササイズした人の40%も症状が改善していたとのことです。

◆03:瞑想する
いくつかの研究は瞑想がメンタルヘルスに好影響を及ぼすという証拠を示しています。たとえば2020年の研究では、瞑想によって感情制御に関連する脳のネットワークを活性化することが確認されたほか、2017年の研究では血圧やストレスホルモンのコルチゾールの分泌量を低下させることがわかっています。一方、瞑想が不快だと感じるケースがあることや、約8%の人で瞑想がうつ病や不安を悪化させたとの研究結果もあることから、自分に合わないと感じたときは素直に止めるべきだとパパス氏は述べています。


◆04:他の人々とつながる
孤独は抑うつ症状から睡眠不足、免疫の低下といったさまざまな健康上の問題と関連しており、COVID-19のパンデミックが起きる前の2019年にアメリカで行われた(PDFファイル)調査では、約61%のアメリカ人が孤独だと感じていたことがわかっていることなどから、現代社会では孤独や孤立が大きな問題となっています。こうした孤独・孤立の対策として、2013年の研究では、人々が社会的なつながりを持てるようにサポートするグループや介入が効果を発揮し、社会的スキルの構築やネガティブな考えを打ち破ることにもつながると示されました。

◆05:悪いニュースを見続ける癖をなくす
人には「ネガティブな気分の時ほど社会情勢の悪化を示すニュースを積極的に探してしまう」という傾向があることが確認されており、スマートフォンでSNSや掲示板を見続けることがメンタルヘルスの悪化につながることがあります。2021年の研究では、「FOMO(何かを見逃してしまうことへの恐れ)」の高さが若者におけるスマートフォンの過剰使用につながり、うつ病や不安、睡眠障害につながる可能性があると指摘されました。

こうしたSNSとネガティブな気分に関する研究を専門とするイギリス・エセックス大学心理学部のキャスリン・ブキャナン氏らは、「最新ニュースではなく他のユーザーの個人的な事柄に注目する」「自分が幸福感を得られるようなコンテンツを探す」「ポジティブで優しい投稿をする」といった点を心がけ、SNSと幸せに付き合うことを推奨しています。

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◆06:誰かとハグする
ハグをはじめとする他人との身体的なふれあいは孤独感を和らげ、ストレスの解消につながります。2020年の研究では、身体接触の少ない社会に住んでいる人々は、手の甲が軽く触れる程度であっても、他人とふれあわなかった人々より「誰かに無視されている」との感覚が少ないと報告することが判明。また、2021年の研究では、パンデミックによって家族や恋人との身体接触を奪われた人々において、不安や抑うつを訴える傾向が強いこともわかっています。

◆07:感謝していることをリスト化する
憂うつな気分の時は明るい希望を見つけ出すことが難しいと感じますが、2003年の(PDFファイル)研究では、「その週に感謝した出来事をノートに書き出す」という習慣を3週間続けた人は、否定的な出来事や中立的な出来事を書き出すという習慣を続けた人と比較して、よりポジティブな気分であると報告しました。その後に行われたさまざまな研究でも同様の効果が確認されており、「感謝していることを書き出し、意識的に感謝の気持ちを再認識する」という習慣がメンタルヘルスの改善につながることが知られています。

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◆08:深呼吸する
人間はストレスにさらされると戦うか逃げるか反応を起こし、心拍数が上昇したり、呼吸が速くなったり、瞳孔が開いたりして危険に備えます。こうした反応は野生動物と戦ったり崖から落ちたりといった身体的な危機の際には役立ちますが、現代社会で受けるストレスの多くは身体的な危険ではなく精神的なものであるため、これらの反応は単に心身を消耗させるだけとなります。これに対し、あえて深呼吸をすることで副交感神経を刺激して不安を軽減したり、深い呼吸と速い呼吸を繰り返す「ヨガの呼吸」が抑うつ症状を軽減したりできるとのことです。

◆09:しっかり寝る
うつ病や不安は睡眠障害と密接に関係しており、脳内で思考をやめられなかったり不安を抱えていたりするとうまく眠れない可能性が高まる一方、睡眠不足が不安怒りといった否定的な感情を悪化させる可能性があることもわかっています。そのため、精神を安定させるにはしっかり眠るように心がけることが有効だといえます。

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◆10:健康状態を管理する
慢性的な健康問題を抱える人は健康な人よりもうつ病になる割合が高いそうで、アメリカ・オハイオ州のクリーブランド・クリニックの調査では、慢性疾患を持つ人の3分の1がうつ病を経験していたことがわかっています。こうした慢性疾患と精神疾患の両方を抱える人においては、慢性疾患の治療が精神疾患の症状に影響を及ぼす可能性があるため、アメリカの国立精神衛生研究所はうつ病の症状を慢性疾患の医療従事者とも共有することを推奨しています。

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