迷宮に潜って貴重な財宝を集めて確実に生還せよ!カードゲームの金字塔をシンプルに遊びやすくリメイクした「モンスターメーカー 新版」プレイレビュー

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人気漫画「ダンジョン飯」をボードゲーム化した「モンスターイーター ~ダンジョン飯ボードゲーム~」が2022年9月15日に、アークライトゲームズから登場します。この「モンスターイーター ~ダンジョン飯ボードゲーム~」は、2021年1月に惜しくも亡くなったゲームデザイナーの鈴木銀一郎さんが1988年に発表したカードゲーム「モンスターメーカー」がベースになっています。そのモンスターメーカーの「オリジナルの楽しさをそのままに短時間で濃密に遊べるようリメイク」されたという新版を実際に遊んでみました。

MONSTER MAKER モンスターメーカー – ArclightGames Official
https://arclightgames.jp/product/モンスターメーカー/

モンスターメーカーのパッケージはこんな感じ。


プレイ人数は2~6人、プレイ時間は30分、対象年齢は8歳以上を想定。


内容物を確認します。遊び方説明書と、帰還ボーナスパネル、往路/復路パネルが6枚、白と黒の6面サイコロが3つずつの計6個。


往路/復路パネルは表の面が「往路」、裏返すと「復路」となっています。


そして、ゲームで使うカードがこれ。「冒険カード」、「宝物カード」、ルールや手順が書かれた「ゲーム進行カード」の3種類です。


冒険カードは、大きく数字が書かれた「迷宮カード」、「トラップカード」、「回り道カード」、「宝の小部屋カード」、キャラクターとその攻撃力が書かれた「キャラクターカード」、「モンスターカード」、「聖職者カード」の7種類。


ゲームの準備はめちゃくちゃ簡単です。まず125枚ある迷宮カードをすべてしっかりとシャッフルして、場において山札とします。その横に、25枚ある宝物カードをシャッフルして置きます。


各プレイヤーに往路/復路パネルとゲーム進行カード、そして迷宮カードから5枚ずつを手札として配ります。ただし、この初期手札5枚の中にトラップカードが含まれていた場合、トラップカードを山札に戻して引き直す必要があります。


これで準備はOK。今回は編集部員4人で遊んでみます。


モンスターメーカーは「迷宮の奥深くにある財宝をゲットして無事生還する」ことが目的。プレイヤーは手番を回しながら迷宮を踏破し、最終的にゲットした財宝の価値が最も高かった人の勝利となります。プレイヤーは自分の手番で「迷宮の移動」「モンスターの配置」「モンスターとの戦闘」「手札の破棄」のどれか1つを行い、手札を5枚に補充します。

迷宮の移動」は、手札の冒険カード5枚から迷宮カードを1枚選び、自分の前に公開します。この迷宮カードの数字の合計が100を超えると、「往路を踏破して最奥にある財宝に手が届く」ことになります。


迷宮の移動で1枚使ったので、冒険カードの山札から1枚引いて、手番終了。


迷宮の移動では、迷宮カードだけではなく、宝の小部屋カードを出すこともできます。このカードを出すことで、宝物カードを1枚引くことができます。


なお、プレイヤーが持つことができる宝物カードは1人2枚まで。3枚目以降を引いた場合は、どれか1枚を捨てなければなりません。宝物カードには以下の画像のように、「○○G」という形で宝物の価値が書かれています。2枚の宝物カードの合計値がなるべく高くなることが勝利の鍵なので、ただ一目散に迷宮の踏破を目指すだけではなく、宝物カードをたくさん引きながら、より価値の高い宝物を手元に集めることが非常に重要。


モンスターの配置」では、手札にモンスターカードがある場合、自分以外の迷宮へ配置することができます。


迷宮にモンスターを配置されてしまったプレイヤーは、「モンスターとの戦闘」でそのモンスターを撃破しなければ迷宮の踏破を続けることができません。モンスターと戦う場合は手札にあるキャラクターカードを出す必要があります。モンスターカードとキャラクターカードにはそれぞれ攻撃力が設定しており、キャラクターカードの攻撃力がモンスターカードの攻撃力以上になれば撃破成功。

例えば以下の場合、攻撃力が「21」のデュラハンに対して、攻撃力が「6D+2」の戦士ディアーネを繰り出しました。6D+2とは、サイコロを6個振った出目の合計に2を加えた数値が攻撃力になるという意味です。


というわけでサイコロを6個振ってみたところ、出目の合計は5+3+2+6+4+5=25でした。そのため、ディアーネの攻撃力は「27」となり、見事デュラハンの撃破に成功。撃破されたデュラハンと、戦闘に参加したディアーネのカードは捨て札となります。


しかし、手元にキャラクターカードがなかったり、あっても高い攻撃力が期待できなかったりする場合があります。そんな場合は「手札の破棄」で、自分の手札から好きな枚数を捨て札にします。以下の場面は手元に攻撃力「2D+1」のミクがいたものの、攻撃力が期待できなかったため、手札の破棄を選択したところ。モンスターカードや迷宮カードもあり、捨てるのは苦渋の選択でしたが、たくさんカードを捨てることで、より強いキャラクターを引いてくる確率にかけたというわけです。


4枚捨てたので、手番の最後に冒険カードを4枚補充します。


しかし、ここで補充してきた手札の中に「トラップカード」があった場合、トラップカード以外の手札を1枚だけ残し、残りをすべて捨て札にしなくてはなりません。


そんなわけで4枚補充したのに、再び4枚捨てる羽目に。手札の補充は1手番に1回だけなので、次の手番が終わるまで手札は1枚だけになってしまいます。


ただし、「盗人」のジョブを持つキャラクターカードを手札に持っていた場合は、トラップカードを引いても回避することが可能。盗人は攻撃力こそ高くありませんが、トラップカードで手札が大きく制限されてしまう状況を回避できるため、手札になるべくキープしておきたいところ。


そんなこんなで迷宮の踏破を続けていき、ついに迷宮カードの数値の合計が100を超えたプレイヤーが登場。迷宮カードの数値の合計は、30+40+40=110です。


ついに最奥の財宝に手が届いたというわけで、宝物カードを1枚引きます。


往路の踏破に成功したプレイヤーは、往路/復路タイルを裏返して「復路」にします。そしてここが非常に重要なポイントなのですが、復路で置かなければならない迷宮カードの合計値は「往路の合計値以上である」必要があります。往路で迷宮カードの合計値が110だったプレイヤーは、復路の合計値を110以上にしなければなりません。ゲーム終了時に復路の合計値が往路に足りなかった場合は、足りなかった数値×10Gが減点されます。逆に復路の合計値が往路の合計値を超えてしまった場合は、超えてしまった数値×2Gが減点されます。要するに、往路と復路の合計値はぴったり一緒の方が有利になります。


しかし、真っ先に迷宮を踏破されたという事実は、他プレイヤーにとって大きなプレッシャーとなります。「そんなに簡単には生きて返さないぞ」ということで、攻撃力が25もあるドラゴンを迷宮に配置されてしまいました。


しかし、手札には攻撃力「3D」のアルルと、攻撃力「4D+2」のラクーナという強力なキャラクターがいました。2枚を同時に出してドラゴン討伐を目指します。複数枚のキャラクターカードを出した場合は、攻撃力は合計値になります。


アルルの攻撃力は1+5+1=7でした。


そして、ラクーナの攻撃力は4+6+2+5+2=19。2人の攻撃力は合わせて7+19=26になるので、見事ドラゴンの撃破に成功しました。


しかしその直後、別のプレイヤーから攻撃力「14」のジャックランタンを迷宮に配置されてしまいました。ジャックランタンは「アンデッド」という属性を持つモンスターです。


キャラクターカードはもう手札になかったので手札を引き直す必要があると思いきや、実はこれまでに引いてきた宝物カードに「アンデッドを捨て札にできる」という効果を持つ「古代の魔除け」がありました。自身の手番で「モンスターとの戦闘」を処理する際にこの「古代の魔除け」を公開することでキャラクターがいなくてもジャックランタンを倒すことに成功しました。


なお、アンデッドは「聖職者カード」を使うことでも、戦わずして排除することが可能です。


そんなこんなで他プレイヤーからの妨害をなんとか回避しながら、往路の合計値が110に到達したので、「迷宮の踏破に成功!」と宣言。


最初に迷宮を踏破したプレイヤーは踏破ボーナスのパネルをゲットします。


ただし、ゲームはこれで終わりではなく、残りのプレイヤーはそのままゲームを続行します。ただし、手札の補充は行えなくなるので、手札が尽きれば終わり。全員が手札を使うか破棄した時点でゲームが終了します。


真っ先に迷宮を踏破したプレイヤーの勝利点は、ボーナスパネルの100Gと宝物カードの200Gと150Gで、合計450Gでした。


以下はなんとか生還には成功したプレイヤー。往路の合計値は110、復路の合計値は120なので、10×2G=20Gの減点。


宝物カードのうち、「勇士の像」の価値は250Gでした。もう1枚の「女神の象(原文のまま)」の価値はなんと「サイコロを1個振って1・2・3・4なら300G、5・6なら100G」という、サイコロの出目で決定されるものでした。サイコロを振ったところ出目は4だったので、「女神の象」の価値は300G。減点を考慮しても、最終的な勝利点は530Gとなり、なんと真っ先に迷宮を踏破したプレイヤーを上回り、1位となりました。


4人プレイで、1ゲームにかかった時間はだいたい1時間ほど。しかし、最初はルールの把握や確認を行う時間があったので、ルールに慣れれば30~40分ほどで遊べます。モンスターメーカーの新版は「オリジナルの楽しさをそのままに、短時間で濃密に遊べるようリメイクされた」とのことで、ルールは非常にシンプルで、ボードゲームの経験が少ない人でもすぐに理解できます。目的は「迷宮を踏破して最奥にある財宝をゲットすること」なのですが、がむしゃらに迷宮を攻略するだけではなく、道中でいかに価値の高い宝物カードを集められるかという部分も重要になります。そのため、「他プレイヤーよりも早く迷宮の踏破を目指すか、お宝をしっかり集めていくか」という駆け引きがあり、ゲーム性は高いと感じました。

モンスターメーカーはAmazon.co.jpで取り扱われており、記事作成時点で税込2627円で購入可能です。

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