旅のあとに焼き増しした写真で作った手作りアルバム

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先週配信したメルマガのキャプチャです

 

先週配信したメルマガに掲載したライター小堺丸子さんの「自慢の品」を紹介します。

手作りアルバム(小堺丸子)

10代の終わり頃から旅が好きになった。
旅、といってもバックパックでヒッチハイクをしながら世界中をまわってみようなどとストイックな感じではない。行くのは年にせいぜい1〜2回程度だし、安全なツアーもよく使った。
それでも、日常から離れて知らないまちに行く高揚感が楽しくて旅が好きになった。

1人で気ままに旅することもあるけれど、主に学生時代の友達と一緒に色々な所に行った。
今思うとどうかと思うが、お金が無い時は家族に借りてまで行くこともあった。
高校の時おもしろくて好きだった国語の先生が「旅は若いうちにしとけ」と言っていたのが印象的で、それが影響しているのもあったと思う。

そして、私は高校時代からよく写真を撮っていた。
撮り方にこだわりはなく、ただ、今現在スマホで撮っているのと同じように、面白いと思った瞬間を残しておきたくて使い捨てカメラをバッグに常に入れていた。
(ただ、現像に出すのを忘れて写真として残ってないのも多くあるのだけれど。)

20歳前後のとき、旅をしたあとに多少手の込んだアルバムを作ることが仲間内で流行った。
写真をハサミで切り抜いたり、折り紙やシールを使って装飾をほどこしてみるのだ。

当時そういったのが世間で流行っていたのか、仲間内だけで流行ったのかはよく覚えていない。
せっかくの風景を大胆に切り抜いている写真や、わざわざ文字をかたどってみたり、装飾しているのを見ると、エネルギーや若さをとても感じる。
心と時間の余裕が感じられるのだ。

いま私たちは誰もが当たり前のようにスマホで撮影し、簡単に加工できるようになった。
私が過去にやっていたように、わざわざプリントして、切り抜いて、アルバムに配置する人はどれだけいるのだろうか。

旅のあとに焼き増しした写真を友達と交換し、旅を思い出して笑いながら一緒にアルバム作りをしたあの贅沢な日々は私たちにとって宝であるし、そしてそれを思い出させてくれるこのアルバムもやはり宝である。
一生持ち続けるだろう。

でも、無人島には持っていかない。重いから。
たくさんあるし、アルバムってけっこう重いから。
無人島にはカメラを持っていって、無事帰れた暁には、新しい手作りアルバムを作りたい。

ちなみに写真は21歳の時にケニア・タンザニアに友達と行った時のもの。
山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」という小説に出てくる主人公のモデルになった方と周るツアーで、とても貴重だったのも自慢である。
(私は左。ほんの一時だけ茶髪だった。今見ると恥ずかしい)
 

終わってふたたび解説です

>>バックパックでヒッチハイクするようなストイックな旅ではない。

というところが素直にサラっと書いているところが良いです。

そういえばフィルムカメラの時代は、焼き増しして交換してました。懐かしいです。

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