転がり続ける石のように、デジタルマーケティングのルールや環境が激変している。そんななか、いかにメディアプランを適応させ、組み立てていくべきか? マーケターたちは常に頭を悩ませている。
たとえば、CPG(消費財)なら、これまでのマーケティング手法は、テレビをはじめとしたマスリーチ型の広告が主体だった。しかし、この2〜3年でシニア層のスマートフォン保有率も大幅に高まり、デジタルであっても幅広い年齢層にリーチできる媒体も存在する。このように、デジタルの領域が広がることで、新たな戦略や手法が求められているのだ。
サントリーと、そのエージェンシーのひとつであるHakuhodo DY Matrix は、サントリーの飲料のキャンペーンで、「デジタルファースト」時代において活用できる新たな打ち手を取り入れた。GumGumの提供するコンテクスチュアルターゲティングだ。
「コンテクスチュアルターゲティングのなかでも、GumGumは先行していると感じた」と、サントリーホールディングスで宣伝部 課長を務める山崎充史氏は語る。「テキストだけでなく画像も組み合わせて文脈を導きだし、さらにそれ自体がポジティブなのかネガティブなのかを判断してくれる」。
また、Hakuhodo DY Matrix でビジネスプロデューサーを務める長谷川善久氏は、「深い層に対してアプローチがどれだけできているかは、広告主にとって関心度の高いポイント。そのなかで、GumGumが的確にミッドファネルで態度変容に寄与できた点は、ポジティブに受けとめている」と、太鼓判を押す。
テレビ>デジタルに囚われない
近年、サントリーの飲料におけるマーケティング活動では、大きくふたつの課題に直面しているという。
ひとつ目は、飲料市場の競争激化だ。生活者における嗜好やライフスタイルの多様化に伴って、さまざまな味や機能を備えた飲料が大量に普及し、加速度的に大きなマーケットへと成長してきた。「年々、多くの商品が市場に流通するようになった」と、山崎氏は語る。
ふたつ目は、それに応じてさまざまな価値を持つ飲料が増えたという点。味、カロリーオフなどの機能、ボトルなどのデザイン、リサイクル可能な容器など、多様な価値を兼ね備える商品が増え、消費者一人ひとりに対して「何を自分が選ぶべきか」を決めづらくさせている。商品価値の多様化が進むことで、「自分に合うモノが何なのか? と生活者が迷う状況が生まれている」と、山崎氏は言う。
サントリーホールディングス 山崎充史氏
自身のマーケティング活動においても「生活者に対して、自分が選ぶべき価値を伝達することが非常に難解になっている」という。なぜなら、そこにフォーカスすると、ある程度の情報や説明が求められるからだ。CPGカテゴリーでは店頭でのブランド選択率が高く、商品決定におけるカスタマージャーニーが短いため、直感的に理解しやすい「美味しい」「甘い」といった訴求に関しては、従来の手法でもメディアプランは組み込みやすい。だが、詳細な説明を要する状況においては、その難度が高くなるのだ。
従来のテレビ>デジタルの手法に囚われるのではなく、短期間のなかでマスやデジタルの媒体で複数の接点を持ちながら、コミュニケーションを設計することが求められる。そのような背景から、GumGumが提供するコンテクスチュアルターゲティングの活用に至った。
GumGumは「先行している」
GumGumでは独自のAI解析エンジンで、広告掲出先の画像や動画がどのような文脈や意味を持つかを分析。それによって、キーワード情報、文脈、カテゴリーを自動で分類する。そのうえで、適切にターゲティングされたコンテンツに対して、広告を掲出することができるのだ。
さらにGumGumでは、専任のクリエイティブチームを内製化。クライアントが保有するブランドの世界観を、プレースメントや表現方法の異なる多彩なフォーマットに合わせてカスタマイズし、広告を掲出できるという。
山崎氏にとって、コンテクスチュアルターゲティング自体は既知の手法だったが、GumGumの提供するソリューションは、さまざま見てきたなかでも「先行している」と感じたという。「テキストだけでなく画像も組み合わせて文脈を導きだし、さらにそれ自体がポジティブなのかネガティブなのかを判断してくれる」と、振り返る。
さらに、広告代理店として「広告主は、広告に効果があるということだけでなく、ブランドセーフティの担保も大事にしている」と、Hakuhodo DY Matrix でビジネスプラナーを務める岡田賢斗氏は語る。同氏によると、GumGumは、特定のメディアと提携しているためブランドセーフティについても担保が可能となるという。また、そのメディアは、インプレッション数やリーチ数の高いことも担保できているとも付け加えた。
Hakuhodo DY Matrix 岡田賢斗氏
「ほかのプラットフォームやSNSでもそうだが、『実際にどのように掲出されるのか』は、非常に重要な観点だ」と、岡田氏。「GumGumであれば文脈を読んで、適切なコンテンツに配信してくれるため、事前の懸念点はほとんどなかった」。
「ミッドファネル」も攻略できる
そういった期待感を持ち、GumGumのソリュ―ションを活用した。結果はというと、インプレッション数やクリック数、ビューアビリティの総合値など、数多くの点でパフォーマンスの高い結果が得られた。
結果として、総合ニュースから経済ニュース系メディア、料理メディアまで、幅広いメディアを対象とできることが確認できた。そのうえで、対象メディアの記事から商品に沿った文脈を判別し、最適なコンテクスチュアルターゲティングの実行を可能にした。
想定の期待値を達成したのはもちろん、特筆すべき効果といえるのが「ミッドファネル」への影響があったことだ。GumGumでのアプローチにおいては、「認知」「興味」といった「アッパーファネル」に効果をもたらしただけでなく、「好意」「購入意向」など、実際に購買へつながる「ミッドファネル」までの効果があることを実証できた。その「ミッドファネル」への効果については、ほかのアプローチより効率的な結果であることも確認できた。
「近年、生活者のニーズの多様化に伴い、たくさんの商品開発が進み、市場が激化している。そのため、『アッパーファネル』だけでなく『ミッドファネル』に、どこまでデジタルが寄与できるのかについて、広告主は注目し始めている」と、長谷川氏は説明する。そういった点においては、GumGumのコンテクスチュアルターゲティングは、非常に有益なソリューションともいえるだろう。
Hakuhodo DY Matrix 長谷川善久氏
CPGのマーケティングにおいては、商品の認知そのものを高めることが、マーケティング活動の「一丁目一番地」とされている。そのうえで、デジタルで「ミッドファネル」にターゲティングするのであれば、パブリッシャーへのペイドコンテンツや、動画、SNSで商品を訴求することが多かった。
長谷川氏は「これまで、商品への理解を促すためにデジタル施策としては、飲み方動画やタイアップコンテンツなどが多かった」と、過去に手掛けてきたマーケティング手法を顧みる。「今回の施策では『ミッドファネル』にも効果がみられたため、コンテクスチュアルターゲティングの価値を再確認できた」。
欠かせないクリエイティブの力
今後、デジタルマーケティングの戦略を実行に移していくうえで、コンテクスチュアルターゲティングはどんな役割が期待されるのか。山崎氏は「ひとつの有益な方法ではあるが、この方法だけを活用すれば商品が売れる、というわけではない」と釘を刺す。
あくまで広告主は、消費者に商品の価値を届けるためのベストなコミュニケーションを求めているからだ。それを最適化していくなかで、どんなソリューションを混ぜ込んでいくのがベストかを考え、そのなかでGumGumが有益であれば選んでいくという。
「ソリューションを検討するうえでは、購買ファネルのどの層をターゲットにするかを決め、コスト効率を勘案して選択する。今回のキャンペーンで、GumGumは『ミッドファネル』に効果があり、ほかのソリューションと比べてもコスト効率が良い結果が得られたので、マーケティング戦略の新しい手法として、今後取り入れられる可能性が見えた」と、山崎氏は期待を寄せる。
また、三者ともに「GumGumの提供する広告面の見せ方は、インパクトがある」と答える。適切なターゲティングができたとしても、最終的に人を行動に移させるのは「何をどのように見せるか」に依るところも大きい。
「しっかりと良質な見せ方ができれば、良い効果が発揮される。少なくともユーザーに不快感を与えずに、目を留めてもらえる。GumGumであれば、ターゲティングと見せ方で、人のモーメントを捉えた戦略を立てられるので、今後活用する場面も増えていくはずだ」。
Sponsored by GumGum
Written by DIGIDAY Brand STUDIO(海達亮弥)
Photo by 渡部幸和