複数の人工衛星の電波を利用して位置を特定する全球測位衛星システム(GNSS)は、アメリカのGPSや日本の準天頂衛星システム(QZSS)など、各国によって構築されています。そんな各国のシステムを位置情報の特定に利用しているAndroid端末で、GNSSがどのように機能しているかを確認できるアプリが「GPSTest」です。
GPSTest – Google Play のアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.android.gpstest
gps-test-app-definition.pdf
(PDFファイル)https://www.euspa.europa.eu/simplecount_pdf/tracker?file=gps-test-app-definition.pdf
まずはGoogle PlayストアからGPSTestをインストールします。
GPSTestを開くと位置情報へのアクセスを求められるので、今回は「アプリの使用時のみ」を選択。
すると、最初に位置情報の測定が自動的に始まります。測定後のGPSTestのホーム画面はこんな感じ。上部に測定した各種数値、下部に衛星情報が表示されます。
上部に記載されている情報は以下を表します。
・緯度:端末の現在地の緯度
・経度:端末の現在地の経度
・高度:端末の現在地のWGS 84楕円体に基づく端末の高度
・高度(MSL):端末の現在地の平均海面(MSL)に基づく高度
・速度:端末の現在の速度
・速度精度:端末速度の68%信頼度の信頼区間。たとえば速度が5.0m/s、速度精度が1.0m/sのとき、100回測定すると68回は4.0m/s~6.0m/sの範囲の測定結果が得られます。
・PDOP:PDOP(位置精度低下率)
PDOPが1.0の場合最も測位精度がよく、値が大きくなると測位精度が低下
・時間:GNSSから取得した端末の現在地の現在時刻
・TTFF:GPSTestの起動後、初回の測位を取得するまでの時間
・H/V精度:緯度・経度に対する水平・垂直方向の68%信頼度の信頼区間。
・#衛星:使用されている衛星の数/信号強度が十分な衛星の数/端末に認識されている衛星の数
・方位:端末の方位
・方位精度:端末の方位の68%信頼度の信頼区間。
・H/V PDOP:水平・垂直方向の位置精度低下率
下部に表示されている情報は以下を表します。
・ID:各衛星に割り当てられたPRN番号
・GNSS:アメリカの国旗であればGPS、ロシアの国旗であればGLONASSなど
・CF:衛星の測位信号の周波数帯
・C/N0:搬送波対雑音比
・フラグ:該当の衛星が放送暦データを保有している場合は「E」、精密暦データを保有している場合は「A」、最新の測位の際に該当の衛星が使われた場合は「U」と表記
・仰角
・方位角
例えば、今回表示されたPRN番号193はQZSSを構成する衛星の1つである準天頂衛星システム初号機「みちびき」。測位信号周波数はL1(1575.42MHz)で、搬送波対雑音比は24.9。精密暦データを保有しているため「A」と表記され、今回の測位では使用されなかったため「U」の表記はなし。仰角は72度、方位角は161度です。
画面上部の4つ並んだアイコンをタップすると使える機能は、それぞれ左から「並び替え」と……
表示するGNSSの切り替え。
現在地情報の共有。
測位の開始・停止の切り替えです。
左上のハンバーガーメニューをタップすると以下のような情報が表示されます。
「マップ」はその名の通りマップが表示され……
「スカイ」は各GNSSが存在する方角などを確認可能。
「精度」では測定精度を確認可能です。マップ上で自分の現在地をタップした後「保存」を押すと、測位で得られた位置情報と実際の現在地の誤差を確認できます。
「Inject PSDS Data」は測位にWi-Fiや携帯回線から得られた情報を追加する機能で、「時間データを注入」はNTPサーバーからの時刻情報を追加する機能です。
GPSTestを使うことで、自身のAndroid端末が位置情報の測定にいくつの衛星を使っているのか、精度はどれほどのものなのかを確認できます。
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