「私が撮影した写真です」って証明できる日が近づいてきた

これからのキーワードは「真正性」。

ソニーが「C2PA規格対応を含む真正性カメラソリューションを報道機関向けに提供」したと発表しました。…と言われてもよくわかりませんよね?

ざっくり言うと、誰が撮影した写真なのかをデジタル的に証明する手段を提供していきますよというもの。これからの時代、必要となっていくであろう仕組みです。

C2PAって?

Microsoft(マイクロソフト)、Intel、Adobe、ARM、BBC、Truepicらが2021年に立ち上げた団体、それがC2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)です。デジタルコンテンツの来歴を記録するための機能と技術仕様を策定している団体になります。

生成AIなどの発展により、その画像や写真の制作者は誰なのか、あるいは生成されたものなのかといった信頼性の証明が一層重要になっているのは、皆さんもお察しの通り。こういった真正性についての実証実験もソニーは行なってきました

まずは報道機関に向けて

240403sonyc2pa_01
Image: ソニー

今回の発表は、ソニーのデジカメ「α1」「α7S III」「α7 IV」の3機種について、C2PA規格に対応するソフトウェアアップデートが提供されたというもの。一部報道機関に向けて提供をはじめ、順次拡大していく予定とのこと。

撮影された画像には来歴情報を含むメタデータが記録され、カメラ内デジタル署名として埋め込まれます。この署名にはデジタル出生証明書も作成され、実際にカメラで撮影されたことをイメージ検証サイトでチェックすることが可能です。生成されたフェイクではなく、カメラによって撮影された画像である証明ですね。

240403sonyc2pa_02
Image: ソニー

さら3D深度情報も同時に記録され、3D物体を撮影したのか画像やディスプレイのような平面を撮影したのかもわかるように。イメージセンサーの開発も手掛けるソニーだからこその機能だそうで、報道機関においてのコンテンツ信頼性が高まりそう。

ニコンもAFP通信と協力してC2PAに準拠した(万が一、メタデータが削除された場合にも有効な電子透かしについても)機能の開発していたり、150万円近くするライカの「M11-P」もC2PAに対応しています。撮影来歴の追跡性については業界標準になる日も遠くないでしょうね。

Source: ソニー, ニコン

タイトルとURLをコピーしました