ムール貝やアサリなど10億匹以上が海岸でゆで上がってしまう

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気温40度超えの日が続いていると報告されていたカナダのバンクーバーで、貝類など10億匹以上の海洋生物が熱波の影響により死亡したことが報告されました。この事態で一時的に水質が影響を受けるとみられています。

More than a billion seashore animals may have cooked to death in B.C. heat wave, says UBC researcher | CBC News
https://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/intertidal-animals-ubc-research-1.6090774

Thousands of Sea Creatures Found Boiled Alive After Canada’s Deadly Heatwave
https://www.sciencealert.com/canada-s-sea-got-so-boiling-it-cooked-thousands-of-shellfish-and-starfish-alive

2021年6月下旬、ブリティッシュコロンビア大学の海洋生物学者であるクリス・ハーレー氏はカナダ・バンクーバーのキツラノビーチを歩いていて、ムール貝・アサリ・ヒトデ・カタツムリといった多くの海洋生物がゆであがっているのを発見しました。あたりには腐敗臭が立ちこめていたとのこと。

バンクーバーでは記録的な熱波の影響で気温40度を超える日が続いており、死者が相次いでいることが報じられています。

熱波のカナダ49.5度 3日連続気温更新、死者相次ぐ:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP6Z3CCWP6ZUHBI008.html


実際にハーレー氏ら研究チームが6月28日に赤外線カメラで撮影したところ、岩の多い場所では貝類の温度が50度以上に達していることがわかりました。


ハーレー氏によるとムール貝は短時間であれば30度程度の温度に耐えられるとのこと。しかし、午後の干潮の時間帯、海岸で6時間以上置き去りにされた貝類は、そのまま加熱されるしかありませんでした。

ハーレー氏ら研究チームが複数の海岸線で調査を行ったところ、ほかの場所でもムール貝のほか、ヒトデやフジツボなどが死んでいるのがわかりました。ハーレー氏は10億匹以上の生き物がこの熱波で死亡した可能性があるとカナダのニュースメディア・CBCに伝えています。

ムール貝やアサリは海水のろ過にかかわるため、この現象は一時的に水質に影響を与えると見られています。またムール貝の数は今後1~2年で回復する可能性が高いものの、気候変動により熱波がこれまで以上に発生するようになることも考えられています。

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