ハゲ(脱毛症)治療に光明か、研究者が「ハゲるかどうか」に関与するタンパク質を特定

GIGAZINE


「毛包」は皮膚の小器官で周期的に成長し、毛髪が育つ上で重要な役割を担っています。この毛包の分裂と死滅、両方に、タンパク質の一種「トランスフォーミング増殖因子β(TGB-β)」が関与していることを、カリフォルニア大学リバーサイド校の研究者らが特定しました。研究結果は学術誌・Biophysical Journalに掲載されています。

A probabilistic Boolean model on hair follicle cell fate regulation by TGF-β: Biophysical Journal
https://doi.org/10.1016/j.bpj.2022.05.035


The chemical controlling life and death in hair follicles | News
https://news.ucr.edu/articles/2022/07/25/chemical-controlling-life-and-death-hair-follicles

Scientists have finally found the potential ‘cure’ for baldness | The Independent
https://www.independent.co.uk/life-style/health-and-families/male-pattern-baldness-treatment-cure-scientists-b2133793.html

研究チームは、人間の臓器の中で唯一、定期的かつ自動的に再生するという「毛包」に注目した研究を行いました。

研究では、TGF-βが毛包の幹細胞分裂、および死滅のコントロールに関与していることが突き止められました。毛包が自滅しても幹細胞は死ぬことはなく、再生のシグナルを受け取ると分裂して新たな細胞を作り、新たな毛包に成長するとのこと。

論文の共同著者であるQixuan Wang氏によれば、TGF-βは新たな生命を生み出すのを助けつつ、細胞死のプロセスであるアポトーシスの組織化も助けるという、2つの相反する役割を担っているとのこと。

Wang氏は「SF作品では、幹細胞の力でキャラクターがケガから素早く回復するようなシーンが出てくることがありますが、現実世界でも我々の研究は幹細胞の挙動を理解することに近づいていて、それを制御することで創傷治癒を促進することができるようになります」と語っています。

なお、TGB-βをより正確に制御できるようになれば、毛包幹細胞を活性化することで発毛を促進できる可能性があるものの、これにはさらなる研究が必要だとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ストレスでハゲるメカニズムが明らかに – GIGAZINE

頭皮に塗るだけでハゲを治せる薬が開発される – GIGAZINE

はげ治療に進展、幹細胞から皮膚を作ったら毛が生えてきたとの研究結果 – GIGAZINE

ついに頭にかぶるだけでハゲを治せる「ウェアラブル育毛デバイス」が登場 – GIGAZINE

鳥肌が立つ真の理由は「毛を生やすため」との研究結果、ハゲ治療に光が差す可能性も – GIGAZINE

「男を『ハゲ』と呼ぶことはセクハラ」とイギリス裁判所が判決を下す – GIGAZINE

「ハゲになる遺伝子の位置」を科学者が特定、遺伝的原因の解明へ大きな一歩 – GIGAZINE

なぜ人の頭髪はハゲてしまうのか? – GIGAZINE

・関連コンテンツ

2022年08月02日 17時33分00秒 in サイエンス, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.

Source

タイトルとURLをコピーしました