Wordの代わりになる無料ソフト5選

GIZMODO

2014年8月30日の記事を編集して再掲載しています

こんなにも使えるものなのか!

ドキュメントの作成編集には欠かせない存在となっている、マイクロソフトのオフィススイート「Microsoft Office Word」ですけど、いかんせん、使いこなすには基本的に有料となるところが痛いポイントですよね。パソコン購入時に最初からバンドルされているというケースは問題ないのかもしれませんが、すべてがすべてそうではなく、最新の「.docx」フォーマットのドキュメントを扱うためにも、いざWordをお金を出して購入すべきかどうか? そんな厳しい決断を迫られる場面に直面することは多々あったりするものです……。

もちろん、こうした事情はマイクロソフトも十分に心得ており、最近では「OneDrive」アカウントの保持者に対して、オンラインでWordを無料にて使えるようにするアプローチを取ってはいますけど、やはり製品版とは異なる機能制限などが悩ましいところです。なんとかWordを使うことなく、それでいて無料でWordと互換性のある美しいドキュメントの作成編集ができないものか?

実は世の中にはWordの代替ソフトサーヴィスがあふれており、その中でも使えるベスト5を選りすぐってみましたよ。意外と本家のWordよりも気に入って使い倒したくなるものまであったりして~。まずは順番にチェックしてまいりましょう。

1. LibreOffice

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Wordに匹敵する「Writer」のみならず、スプレッドシートやプレゼンテーションなどのコンポーネントもそろった統合オフィススイートの「LibreOffice」は、Windows、Mac OS X、Linuxのいずれにも対応するマルチプラットフォームの優れものです。

最新の.docxフォーマットでのドキュメントのインポートやエクスポートに対応しているのはもちろんのこと、作成中のドキュメントの自動保存、編集履歴のトラッキング、コメントの追加機能などなど、無料なのに、ほぼWordで行なえることの大半をLibreOfficeのWriterでは実現可能となっていますよ。スペルチェックや文章校正機能、ヘッダーおよびフッターのサポートが標準でなされていることに加え、Wordにこそ劣るものの、サンプルデザインでのドキュメント作成ウィザードのテンプレートも充実しています。ドキュメントを一発でPDFファイルへと変換できる機能は重宝されるのではないでしょうか!

古くからWordを使っていたというユーザーであれば、LibreOfficeのWriterを使うと、どことなく懐かしい気分になるかもしれませんよね。少し前からRibbon UI(ユーザーインターフェース)でデザインを刷新してきたMicrosoft Officeとは異なり、昔からあるツールバーのWordへと戻ったようなイメージで、LibreOfficeのWriterを使いこなすことができるでしょう。もちろん、完全互換ではありませんから、Wordで作成編集されたドキュメントをLibreOfficeで開くと、レイアウトが崩れてしまうことだってありますけど、ここまで無料でそろっているならば及第点でしょうかね~。

なお、LibreOfficeというネーミングに馴染みはなくとも、当初の開発プロジェクトの派生元となるOpenOffice.orgのことはを耳にした覚えがあるというユーザーも少なくないかもしれません。オープンソースで開発が進められていたものの、現在ではOpenOffice.orgはApache Software Foundation(ASF)傘下のプロジェクトとなり、一方でLibreOfficeはOpenOffice.orgから分離して開発が続いている形になっているようです。ですから、厳密に言うならば、LibreOfficeのWriterとOpenOfficeのWriterでは、やや異なる面もあるのですが、まだほとんどその両者の違いというのは、気づくことすら困難なマイナーレベルにとどまっており、どちらを選んでも大差ありませんよ……。

Source: LibreOffice

2. Google Drive

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インターネットへアクセスできるのであれば、プラットフォームを選ばず使える「Google Docs」ことGoogle Driveのドキュメント作成編集機能には、お世話になっているギズ読者の皆さまも少なくないことでしょう。とりわけ、常にオンラインで作業する基本的な特徴を活かして、グループ内の複数ユーザーとのリアルタイム共同編集機能は秀逸ですよね! 対するマイクロソフトには、このGoogle Driveへ大いに脅威を感じて、ウェブヴェースのMicrosoft Officeスイートの開発を急いできたような側面すら見受けられますね~。

とにかく基本機能が各ユーザーのデスクトップソフトウェアではなく完全ウェブヴェースとなるGoogle Driveは、Google Docsとして最初に登場してきた頃こそ、なんとなく原始的で機能も貧弱かつWordとの互換性が薄い印象があったのは事実でしょうけど、どんどんとオンラインでアップデートできる強みを活かし、十分にWordの代替レベルでも使えるようになってきました。とりわけグーグルが買収を果たした「QuickOffice」モバイルオフィススイートが、Google Docsへと完全に統合された現在、最新の.docxフォーマットを含むWordドキュメントのインポートやエクスポートは格段にシームレスになったように感じますよ。

もしもあなたがWordのヘヴィーユーザーであれば、Google DriveのUIやレイアウトデザインは、あまりにもシンプルで物足りなく思えてしまうかもしれません。でも、そこがGoogle Driveのプラスポイントともなっているようです。つまり、基本がウェブヴェースのGoogle Driveは、常に軽快動作を特徴とし、ただ一般的なドキュメントさえ作成編集できればよいという初心者や中級ユーザーにとっては、もはや不要の高度な機能までギッシリと詰め込んで重たいプログラムとなってしまったWordとは、その誕生のコンセプトから異なっているという訳ですね。なかなかMicrosoft Officeがオンライン版では苦戦しているのも、このコンセプトの違いが大きいのではないでしょうか……。

それほど凝ったデザインのドキュメントを作り上げようとしているのでなければ、どこからでもクラウドで作業が進められ、コラヴォレーションにも強い、無料のGoogle Driveは、今後ますます多くのユーザーから好まれる選択肢となっていきそうですよね。 Source: Google Drive

3. AbiWord

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さて、ここまで紹介した2つの選択肢は、日本でも幅広く知られてきたかもしれませんけど、これから、やや国内ではマイナーながら、海外では根強い人気を誇っているWord代替ソフトやサーヴィスにも目を向けてみたいと思います。意外と自分にフィットする新発見があるかもしれませんよ。

まずは、WindowsおよびLinux向けの本格的なドキュメント作成編集ソフトウェア「AbiWord」をご紹介いたしましょう。Wordの代替品を探しているのに、どうしても統合オフィススイートばかりが見つかって、単体のワープロソフトは手に入れにくいなんて実情もある中で、AbiWordは異色の存在かもしれませんよね。

AbiWordの歴史は古く、実は2004年以降はメジャーアップデートがなされていないという現状がありますけど、完成度が高かったこともあって、現在でも十分に使えるソフトウェアに仕上がっていますよ。もっとも最近では、新たなオンラインコンポーネント「AbiCollab」が追加されて、インターネット上にドキュメントを保存したり、共同編集などのコラヴォレーション機能の強化なども果たされています。

基本機能として、スペルチェック、文章校正、ヘッダーおよびフッターのサポート、コメントや脚注の追加、豊富なテンプレートやフォントデザイン、スプレッドシートの挿入などなど、Wordに迫る多彩なレイアウトでドキュメントを美しく作り上げられるのは、AbiWordの大きな魅力でしょうね。また、オンラインで公開されている対応プラグインが充実していることも特徴で、自動翻訳機能を含めたカスタマイズが行なえるのは強みですよ。

もちろん、最新のWordのデザインと比べると見劣りしてしまう面はありますが、ここまで無料で使えるドキュメント作成編集ソフトは十分に代替の選択肢となることでしょう。なお、やや古いソフトウェアとしてのメリットは、例えば、Windowsユーザーならば、いまだにWindows XPを使い続けているという人にも軽量コンパクトな設計のため、サクサクと動作するというプラスポイントがあります。新しいパソコンを最新のMicrosoft Officeとセットで買うまでは~といった用途に最適かもしれませんよね。

Source: AbiWord

4. Zoho Docs

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インターネットにアクセスできるのならば、だれでも使えるWord代替サーヴィスとして、もはや他に並ぶものはないと評されるほど、Google Driveへの熱い支持が集まっていますけど、実は海外のビジネスユーザーの間では、知る人ぞ知る根強い人気なのが「Zoho Docs」です。ドキュメントの作成編集のみならず、会計管理や人事、カスタマーサポートの提供などなどに役立つ中小企業向けのコンポーネントを集めたオンライン統合スイート製品なのですが、個人ユーザーでも問題なく使いこなすことができますよ。

Google Driveは、そのシンプルなレイアウトが特徴なのに対して、Zoho Docsは、ブラウザヴェースの利用環境ながら、どちらかというと、もっとWordのデスクトップソフトに近いUIを備えており、Google DriveではWordの代替としては機能的に物足りないというクラウドユーザーに最適のサーヴィスがZoho Docsであると評せるかもしれませんよね。だれでも無料5GBのドキュメント保存スペースが用意され、過去にWordを使ったことがあるというユーザーであれば、Zoho DocsのUIに戸惑ってしまうということはまずないでしょう。ただし、現時点ではフォントデザインという面で、Google Driveのほうに軍配が上がりそうですが……。

すでにZoho Docsでは、最新の.docxフォーマットでのドキュメントのインポートやエクスポートが問題なく利用できることを検証済みのほか、メール連携、スプレッドシートの挿入、YouTubeクリップの統合など、かなり高機能なドキュメント作成編集がサポートされています。オンラインでの共同編集コラヴォレーションもバッチリですし、WindowsおよびMacユーザー向けに、ドキュメントをクラウドと自動同期するツールまで用意されており、これはもっとGoogle Driveよりも利用が広がっていってもよいのではないかなぁ。

Source: Zoho Docs

5. Scribus

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さて、最後にご紹介するのは、純粋にはDTP(デスクトップパブリッシング)カテゴリに位置づけられる無料のページレイアウトソフトウェア「Scribus」です。そもそも単なる「メモ帳」レベルのテキスト入力ソフトではなく、Wordを使う人の主な目的は、美しい見栄えがするデザインのドキュメント作成編集であることを考えると、このDTP専門のScribusは、十分に代替ソフトの選択肢になると思いますよ!

Windows、Mac OS X、Linuxに対応するマルチプラットフォームのScribusは、テキスト入力用にテキストボックスを配置するなど、DTPで独特の作業フローに慣れる必要がありますけど、一度慣れてしまえば、スプレッドシートや画像を挿入して、テキストをどのように回り込ませるかといったデザインレイアウトの指定には、かえってDTPを使うほうがワープロソフトよりも快適だと感じるようにもなってくることでしょう。目次の作成など、一部の高度なWordの機能は代替できませんが、通常はScribus上で「Story Editor」モジュールを起動させるのみで、ストレスフリーに作業を進められるでしょうね。

なお、残念ながら、Scribusでは、Wordファイルのインポートに対応しているものの、エクスポートには非対応です。Wordヴェースのドキュメントを受け取って、それを美しく編集加工した後に印刷して仕上げるといった用途に適しているのかもしれませんよね。無料という特性のため、Adobeの「InDesign」やQuarkの「QuarkXpress」など、他社製の機能豊富で高価なDTPソフトと比較して、抜群にファイルサイズが小さく軽快動作するため、まずは入門編のDTPに駆使してみるというのも手かもしれませんね~。

Source: Scribus

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