人材獲得戦争、エージェンシーとブランドのあいだで激化中

DIGIDAY

人材を確保することは、エージェンシーにとって新しい課題ではない。過去10年間、この業界では人材流出が報告されている。しかし、最近はさらに熾烈なレベルに達している。マーケターやエージェンシーの役員に、現在の雇用市場の特徴について聞けば、現在の雇用市場がいかに「残酷(なほど熾烈)」であるか、あるいは今、空いているポジションに誰かを雇おうとしても、状況が「厳しい」といった話を聞くことになる。

理由は無数にある。ここ数カ月、エージェンシーは新規顧客からの要求や増大する顧客の予算に対応するために、社を去った元スタッフを再雇用したり、スタッフ数を増員したりする作業を行ってきた。だが、エージェンシーの役員たちは、いまでは採用がより困難になっており、非常に競争が激しいと言っている。多くのエージェンシーや、社内チームを作っているブランドは、再び雇用を増やしており、従来はエージェンシーに集まっていた就職・転職希望者にとっても選択肢が増えている。

メカニズム(Mekanism)のパートナーであり最高ソーシャル責任者であるブレンダン・ガーン氏は語る。「いまは採用のスピードを上げる必要がある。いままで見たなかで一番(求められる採用のスピードが)速い。なぜなら、誰かが職を探していれば、その人はすでに複数のオファーを受けている可能性が高いからだ」。

従業員側が大きな力を持っている

同時に、自分の仕事・人生で何が大事なのかを再検討している最中の社員たちもいる。健全な仕事と生活のバランスを維持し、誰と働くかを自分で選べる状況を作るために、ひとつの会社でフルタイムで働くのではなく、フリーランスで働くことに決めた人もいる。あるコピーライターによると、ブランド側で働くことを選択したり、業界から完全に撤退した人もいるため、エージェンシーたちは新規採用に苦労しているという。このコピーライターのエージェンシーでも同様に空いている役職を埋めるのに苦労しているという。

パフォーマンス・マーケティング企業のテイク・サム・リスク(Take Some Risk)の創業者であるデュエイン・ブラウン氏は、「いまは人材を巡った戦いが起きている」と、現在の新規採用の激しい競争について指摘する。「(多くのエージェンシーやブランドが採用をしているなかで)これらの仕事をすべてこなすには、才能のある人材が不足している。このことは、従業員は勤務先を選択できることを意味している。リモートで働きたいのにオフィスに戻ることを強制されているような職に留まらなくてもいいのだ」。

広告業界のリクルーターであるクリスティー・コーズ氏は、従業員側が労働市場で大きな力を持っていることで、いわば業界が強制的に「目を覚ますきっかけ」になる可能性があると説明し、近年の業界の不安定さと、従業員が自らの価値を評価されていないと感じてきた状況がこれにつながったと付け加えた。

求められる多様性、平等、包摂性

広告業界の有色人種の男性のためのネットワーク「コンクリートに生える100本のバラ(100 Roses from Concrete)」の創設者であるケニー・サッカー氏は、「何十年も前からある問題に受け身の対応をすることは、ビジネスにとってもよくない」と述べ、オープンな雇用市場のおかげで、従業員たちは自分たちの勤務先エージェンシーの文化を批判的に評価し、そこに留まるのではなく「より良い文化」を持つ場所を見つけて、そこで働くようになっていると付け加えた。

「いまでは、(エージェンシーでは)新人向けの職から、シニアレベルの職まで、人材を見つけられない状況になっている。そのうえで昔のような採用のアプローチはもう取れないと考えている。それだと、多様性、平等、包摂性に関して彼らが設定した公約を果たすのが難しいことが分かっているからだ」。

[原文:Marketing Briefing: With agencies and brands hiring at the same time there’s now a ‘war for talent’

KRISTINA MONLLOS(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)

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