【悲報】俺たちの「かつや」、満を持して『かつやの海苔弁』を新発売するも、張り切りすぎて海苔がただのエキストラと化す

ロケットニュース24

俺たちの心のとんかつチェーン「かつや」が2023年5月10日、新たな期間限定商品を発売した。と言っても、今回の舞台は弁当である。しかも、まさかまさかの海苔(のり)弁ときた。そう、俺たちの「かつや」がついに海苔弁業界に参入したのだ。

海苔弁というと、やはり「ほっともっと」のような弁当を主体にした店が思い浮かぶが、果たして「かつや」が手掛ける海苔弁とはどんな代物なのか? もしかして、海苔ごと揚げちゃってたりして? と思いきや……実際にはもっと悲惨な光景が広がっていたのだった。

・「かつや」新商品

50万食限定という、多いんだか少ないんだかイマイチ分からない触れ込みで始まった『かつやの海苔弁』。当然テイクアウト限定だろうと思っていたら、なんと店内でも食べられるという。皿に盛られて提供されるようだぞ(税込869円)。さすが俺たちの「かつや」、何でもありである。

でもまあ、やっぱ海苔弁だし、そこは容器に入っててほしいよね。というワケでテイクアウトを選択(税込853円)。海苔弁なんて久しぶりだなぁと、ウキウキしながらフタを開けてみたところ、いきなり大変なことになっていた。


ちょ……


なんか茶色すぎじゃね?


・トンネルを抜けると揚げ物

私(あひるねこ)は海苔弁を注文したつもりだったのだが、中から姿を現したのは多種多様な揚げ物の群れ。揚げ物ダイバーシティである。

もちろん一般的な海苔弁にも揚げ物は入っているが、『かつやの海苔弁』は何というか、各人がハチャメチャに主張しまくっているのだ。全員が右手を挙げて「マイボマイボ!」とアピールしているような状態でシンプルにうるせぇ。それでは順番に見ていこう。



まず何と言っても目立つのが、こちらの謎の揚げ物。実はこれ、「かつや」オリジナルのポテトサラダ in 厚切りハムカツである。ハムだけでも相当な厚さなのに、そこへさらにポテサラまでブチ込んだ無駄にパワフルな一品だ。


対岸には鶏のから揚げが陣取っており……

両者の間を大河のように流れるエビフライと、ちくわの磯部揚げのまあ長いこと。どいつもこいつも必要以上にボリューミーで、そして必要以上に揚げ物である。というより、ほぼ揚げ物しかいねぇじゃねーか! なんで全員律儀に揚がってんだよ!!

そういう意味では、赤ウインナーはこの海苔弁における最後の良心と言えるだろう。ん? ちょっと待てよ。海苔弁……? はっ! 私は大切なことを思い出していた。そういえばこれ、海苔弁だった! では肝心の海苔は何処に……


え!?


いやいや……


お前もうただのエキストラやないか!


・まさかの窓際

その光景は、あまりにも悲惨なものだった。本来ならば主役であるはずの海苔弁の海苔が、他のおかずがうるさすぎるせいで完全に空気と化していたのだ。よく見てくれ。誰も海苔の上に乗ってすらいない。これでは揚げ物専用のフットレストである。新幹線じゃねぇんだぞ!

海苔弁の海苔といったら、普通は弁当全体を絨毯(じゅうたん)のように覆い、他のおかずの土台としてどっしり構えているものだろう。当の海苔本人も、まさかこんな扱いを受けるとは夢にも思わなかったはずだ。主演オファーからのエキストラ大降格はいくら何でも気の毒すぎる。

実際、食べ終わった後に残っているのは揚げ物ダイバーシティの記憶のみで、ぶっちゃけ海苔弁を食べたという感覚はゼロに等しかった。海苔? いたっけそんなヤツ。くらいの軽いノリである。海苔だけに。



・海苔弁とは

ただ、だからと言って「かつや」を責めるのは違うと私は思う。おそらく「かつや」は、初めての海苔弁に張り切りすぎてしまっただけなのだ。張り切って揚げ物を詰め詰めした結果、海苔のスペースがなくなってしまっただけなのだ。きっとそうに違いないのだ。

めちゃめちゃバカやん……! と思わないこともないが、それでこそ俺たちの「かつや」というものだろう。普通の海苔弁が食べたい人は「ほっともっと」にでも行ってくれ。これはあくまで『かつやの海苔弁』。『かつやの海苔弁』が海苔弁だなんて一体誰が決めた?

常識を疑え。そして食え。現場からは以上である。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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