USBメモリの耐久性をテストした結果とは?

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小型で携帯可能なUSBメモリは、データの書き込みや消去に伴い次第に劣化していきます。一般的なUSBメモリがどれほどの書き込みに耐えられるのかを知るべく、エンジニアのゴフ・ルイ氏は3つのUSBメモリを用いて耐久性のテストを行いました。

Experiment: 8Gb USB Flash Drive Endurance Test | Gough’s Tech Zone
https://goughlui.com/2017/05/30/experiment-8gb-usb-flash-drive-endurance-test/

ルイ氏が用意したUSBメモリは「Comsol UF4-8000(8GB)」「Sandisk Cruzer Facet(8GB)」「Verbatim Store’n’Go PinStripe(8GB)」の3つ。USB2.0ポートに接続し、4GB以上のファイルの書き込みを行うためにexFATでフォーマット。その後ソフトウェアのCygwinを用いて継続的に書き込みを行いながら、コマンド「while :; do dd if=/dev/random of=/cygdrive/X/rawout.raw bs=8M &>> stress.log; sleep 5; done」でログを記録しました。

同じ条件下で最初に故障したのはSandisk Cruzer Facet(8GB)。ルイ氏によると、「最大容量までの書き込み~消去」を1サイクルとすると、計632サイクルが実行された時点での故障。ファイルシステムが破損したため、再挿入時にフォーマットを求められたとのこと。しかし、実際は深刻なシステムの破損が発生しており、NANDとコントローラーがカプセル化されていたために、ある程度の専門知識があってもデータの回復は難しい状況であったとルイ氏は報告しています。


次に故障したのはComsol UF4-8000(8GB)、計959サイクルが実行されました。ファイルシステムが部分的に破損したものの、読み取りは可能なままでした。この状態ではデータを回復できる可能性があったため、ルイ氏は再フォーマットの後、メモリ検証ソフトウェアのH2testWでテストを試みました。


しかし、USBメモリにさらなる書き込みを行おうとしたところ破損してしまい、フォーマットにも失敗したとのこと。ルイ氏によると、Sandisk Cruzer Facet(8GB)とComsol UF4-8000(8GB)はどちらもSandiskNANDをベースにしていましたがComsol UF4-8000(8GB)がサードパーティのコントローラーを使用していたことと、オーバープロビジョニング用に確保された容量が0.18GBほど多かったために、サイクルに差が出たとのことです。

最後のVerbatim Store’n’Go PinStripe(8GB)は9751サイクルで故障。メモリのサイズと形状が認識され、部分的に読み取りが可能だったものの、H2testWの検証には失敗しました。ルイ氏は読み取りが可能だった点などを挙げ、このメモリを「寿命末期として望ましい動作であり、技術仕様にも近いサイクルだったため、非常に立派です」と評価しました。


なお、他2つとの明らかな差が生じた理由について、ルイ氏はVerbatim Store’n’Go PinStripe(8GB)がeMMC規格の東芝製メモリである点、オーバープロビジョニング用に確保された容量が他2つよりも多かった点を可能性として挙げています。

ルイ氏は今回の実験について、USBメモリが書き込みに失敗したか、ファイルシステムが破損した場合にのみテストを終了して調査を行ったために、データの破損はもっと前に発生した可能性があると指摘。このため、得られたサイクルの結果はあくまで上限値であると述べています。

ルイ氏は「ほとんどのユーザーはUSBメモリを紛失、または損傷させる前に100サイクルにも到達しない可能性があり、600サイクルが実行可能であれば十分です」と述べるも、NANDによっては回復性に問題がある点を指摘し、安価なUSBメモリに依存することは賢明ではない一方、高価なUSBメモリが優れている保証もないと指摘しました。

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