日本の報道機関はレオパルト2戦車のことを「レオパルトツヴァイ」ではなく「レオパルトつー」と言うがなぜ英語とドイツ語が混じっているのか
Leopard2の日本語表記がレオパルト2をレオパルト・ツーはおかしい、英語とドイツ語がちゃんぽんだという指摘です。英語読みで統一するならばレオパルド・ツーなわけです。
実はぼくは、昔はレオパルド2と書いていました。英語メディアの人間がみんなそう呼んでいるからです。でもそう書くと戦車オタクから、ドイツ語表記ではレオパルトだ、お前ら物をしらないとか、編集部が因縁つけられたりするわけです。
でもね、その当人はレオパルト・ツーと言って疑問を感じなかったりするわけです。
全部言語に忠実ならばMP5やGSG9だって全部ドイツ語読みにしないといけないわけです。
よく一緒になる英国の専門誌の発行人は、「お前ら日本人は何でPANZERをパンツァーと発音するんだよ。あれはパンザーでいいんだよ、パンザー!」と力説しておりました。英語圏ではそれもありなわけです、ウィーンはヴィエナだし、ワーテルローはウォータールーだし、言語と英語読みでは異なること少なくありません。
こういう表記の問題はそれまでの慣習とか、いろいろな経緯があって定着しているので、これが絶対正しいのだ、というのはほぼ無いと言っていいかと思います。ただ表記に疑問を持つことは大切だと思います。
因みに南アフリカの攻撃ヘリ、AH-2 Rooivalkを未だにローイファルクとかルーイヴァルク、偵察装甲車のRooikatをルーイカットとか呼ぶ人が多いし、ウィキペディアでもそのようにきしていますが、それぞれロイホック、ロイカットです。
両方ともオランダ語が元のボーア語ですが、Rooiはボーア語で赤、英語でRedです。0が2つあるから想像で音を伸ばしているのでしょうが、現地語では「ロイ」と短く発音します。因みにvalkは鷹、katは猫という意味です。
ローイファルクもルーイカットも英語読みでもありません。日本人が読み方がわからずに適当に当たりをつけて日本語にしているだけです。ぼくはこの四半世紀ほぼ隔年で南アに現地取材に行き、また外国の同業者とも話すわけですが、ローイファルクもルーイカットという人は一人もおりません。またそのような発音では南ア人だけではなく、他国の人間にはなんのことだか通じません。
レオパルト2より、こちらの方が問題だと思います。
■本日の市ケ谷の噂■
地方の自衛隊病院の准看護学院は高校卒業の自衛官に准看護師資格を取得させているが、卒後の病院勤務は無く、医務室の正看護師などの助手をしている程度で、技量レベルもその程度、との噂。
【Japan In Depthに以下の記事を掲載しました】
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2023年1月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。