月刊誌「WiLL」を販売するワック(東京都千代田区)は2022年11月24日、ツイッターアカウント「WiLL編集部」を通じて、大阪府泉南市の添田詩織市議の名前で掲載された同誌の記事が「編集部員が添田詩織議員よりお聞きした内容に編集部の意向が混在して構成されたもの」であり、「結果として添田市議の主張となっていることは誤り」だとして訂正した上で、添田市議に謝罪した。
「私の発言ではない部分がございます」
問題となったのは、WiLL2022年12月号の「中国に大阪の土地が爆買いされている」と題した記事だ。添田市議の名前で掲載されているものの、同市議は10月29日、「この記事は私が寄稿したわけではなく、取材に基づいてWiLLの記者が書いたものです。所々私の発言ではない部分がございます」とツイッターで伝えていた。
こうした中、ワックは11月23日、「WiLL編集部」ツイッターに「本誌12月号掲載の記事につきまして、添田詩織議員及び関係者の方々から、ご意見・ご要望がございましたので、ここに弊社の見解を掲示いたします」として、同社出版局局長の名義で出された文章を掲載した。
ワックは、添田市議から聞いた内容に「編集部の意向が混在して構成されたもの」が今回の記事だとし、「結果として添田市議の主張となっていることは誤り」だとして訂正。添田市議に「深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
今回の記事で、ワックが取り消すとしたのは以下の箇所だ。
記事中では、「有事の際に自国民や企業に軍事行動を義務づける『国防動員法』と、スパイ行為を義務づける『国家情報法』という(編集部注:中国の)法律」を断った場合、「中国人であっても」「ビザの没収や拘束、拷問、家族が人質に取られる、強制収容されるなどの”再教育”」が待っていると断定されている。
しかし、添田市議が代表理事を務める「ウイグルを応援する全国地方議員の会」は、「上記を論証するだけの論拠を有していない」という。
ワックは「ウイグル問題を解決することに、ご尽力されている政治家の活動を阻害するようなことをしてしまい、重ねて深くお詫び申し上げます」と謝罪し、「弊社部員はこれまで以上に丁寧に取材、編集して参ります」と今後の方針を示している。
添田市議はツイッターで23日、WiLL編集部による前出の投稿を受けて「WiLLの出版元であるワック社より発表がありました。編集部の意向が混在し、私の主張ではないことを認め、お詫びとともに訂正して頂けました」と投稿。自身にも不用意な部分があったとして関係者にお詫びし、「今後はより気を付けて取り扱います」としている。