日本がコツコツ集めてきた「南極の隕石コレクション」が、国際的に認められました

そんなに落ちてきてたんだ。

日本の36倍も大きい、南極大陸。近年では温暖化の影響も懸念されていますが、隕石との関連も深いのはご存知でした?

国立極地研究所(極地研)の南極隕石ラボラトリーは、南極観測活動の過程で多くの隕石を収集し「南極隕石コレクション」として保管・研究してきました。

2024年8月に開催された第37回国際地質学会議にて、同コレクションは国際地質科学連合(IUGS)のIUGS Geo-collectionに選定されました。選定された11のコレクションのうち、アジアとしては唯一のものになります。

南極は最高の保存環境

極地研には現在、約1万7400個もの隕石が保管されています。低温&低湿、なおかつ人為汚染も少ない南極は風化が少なく、非常に良い状態で隕石が残されているそうです。面積も広いから隕石も落ちてきやすそう。

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Image: 国立極地研究所(提供:JARE54)
南極地域観測隊による隕石探査の様子

これまでに1万3000個以上の隕石が分類されており、国際隕石学会のデータベースに登録済み。世界中の研究者に対して無償でサンプル提供なども行なっています。

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Image: 国立極地研究所
南極隕石の研磨薄片

収集のきっかけは、1969年から1974年にかけて隕石の集積が発見されたこと。以降、24回にわたって南極での隕石収集が実施されてきました。50年以上も隕石を集めてきたってすごくない?

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Image: 国立極地研究所(撮影:山中慎太郎)
南極隕石ラボラトリーでの薄片観察の様子

宇宙物質や科学の研究に大きく貢献してきた南極隕石コレクション。規模としても世界最大級の地球外物質コレクションであり、そんな機関が日本にあったというのは驚きです。

南極を通して宇宙を識る。なんてロマンに満ちているんだ…!

Source: 国立極地研究所

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