その希少な色合いやカラットの大きさなどで有名なホープ・ダイヤモンドとコイヌール・ダイヤモンドは、採れた場所からゴルコンダ・ダイヤモンドと呼ばれています。
それらの起源が南インドのWajrakarurキンバーライト鉱床にある可能性を示す論文を、インドの研究チームが発表しました。
ゴルコンダ・ダイヤモンドは南インドのクリシュナ川のほとりから採掘されていましたが、それらの母岩については謎のままでした。研究チームはこの希少な大型ダイヤがどこからやってきたのかを突き止めるため、南インドの野外地質学的な研究及びリモートセンシング(GIS)での研究と並行して、同地域のダイヤモンドの鉱物組成と全岩の地球化学の調査も実施しました。
彼らの研究成果は先月、Journal of Earth System Scienceに掲載されました。
ホープとコイヌール・ダイヤモンドとは?
スミソニアン協会によれば、ホープ・ダイヤモンドは1668年より前にコラール鉱山で採掘されていたと考えられます。その当時は112と3/16カラットでしたが、それから45.52カラットにまで減ってしまいました。
コイヌール・ダイヤモンドは105.6カラット。こちらは1849年から英国王冠の宝石の一部となっているものの、インドが返還を求めているとのこと。
ゴルコンダ・ダイヤモンドがたどった経路
ゴルコンダ・ダイヤモンドは、河床の堆積物から鉱物を採掘するための鉱床である漂砂鉱床で発見されています。それらの母岩はかんらん岩を主要構成鉱物とするキンバーライトで、おそらく堆積物とともに発見地点へと古流路を流れてきたのでしょう。
研究者たちは、ダイヤの起源がWajrakarurキンバーライト鉱床の11億年前の母岩にあると考えられるという結論を出しています。
この鉱床とダイヤモンドが発見されたクリシュナ川のほとりは、およそ300km離れていました。2005年のある論文によると、この川とその支流一帯の堆積物からは約1200万カラット分のダイヤモンドが発見されているとか。
この結論には不確かさが残る
しかしながらこの結論には、大きいダイヤは地球のさらに深いところから来たのではないかという指摘もあります。
ホウ素のおかげでブルーの色をもつIIb型ダイヤモンドは、地表深くにある極度の高圧高温の環境で結晶化された種類です。チームの研究はゴルコンダ・ダイヤモンドが川を流れてくる前にいた地点を示しているかもしれませんが、ホープとコイヌールのようなダイヤモンドは他のダイヤよりも地球の遥か深部で形成されたと以前の研究は示唆しています。
ゴルコンダのダイヤモンドには、形成された環境の手掛かりを地球科学者たちに与えてくれるインクルージョン(内部に取り込まれた不純物)がないとLiveScienceは報じています。インクルージョンがなければダイヤの見た目は美しくなりますが、手掛かりを得られなければ憶測の域を出ないのです。
Source: Gemological Institute of America, Journal of Earth System Science, the Smithsonian, Britannica, Carnegie Science, LiveScience,