今年のCESでSamsungが発表したスピーカーMusic Frame。ワイヤレススピーカーですが、見た目はアートフレーム、写真立て、額縁。実際に中に写真やアートを飾ることができます。発表時はわからなかった価格が明らかになりました。399ドル(約6万円)。けっこうします。
米Gizmodoがさっそく触ってきたので、そのレビューをお届けします。
結果からいうと、見た目だけでなく、きっちりスピーカーとして仕事している!ということ。変わり種ではあるものの、スピーカー選びで避ける必要はなく選択肢の1つと考えてOKです。ただね…。
アートフレームです。写真立てです。でもスピーカーです。スピーカーでかつフレームです。CESでMusic FrameをSamsungがお披露目して以来、コレ触ってみたくて首を長くして待っていました。
音のクオリティとボリュームの良さに驚きつつも、Music Frameに初代製品あるあるも感じました。でたばかり。きっと世代を追うごとにどんどんよくなっていくのだろうなという期待がわきました。
スピーカーとフレーム
まず言いたいのは、もしMusic Frameを見て、音楽も聞けるフレームだと思っている人がいたら、そもそも考えをあらためた方がいいです。
これ、音楽も聞けるフレームではなく、従来のアナログなフレームがスマートスピーカーにくっついている製品です。スピーカーとフレームなんです。
Music Frameとは?
従来の写真立て/アートフレームというデザインをもって、スピーカーとして差別化をしたMusic Frame。
真ん中には好きな写真やイラスト、アートを飾ることができ、端末自体はテレビやスマホと接続可能。フレームの横に物理ボタンとフレームがONであることを示すLEDライトがあります。
接続方法はBluetooth 5.2かWiFiですが、Dolby Atmosのフル音質を堪能するには、SamsungのIoTサービスのSmartThingsとQ Symphonyを使う必要があります。スピーカーはSmartThingsのハブとしても機能します。SamsungのデジタルアシスタントBixbyをはじめ、Googleアシスタント、AmazonのAlexaも仕様可能。Chromecast、AirPlayも利用可能。
家のテレビが対応していれば、Q Symphonyを介してSamsung端末間で音楽を共有できます。テレビとサウンドバーの同期もQ Symphonyは使います。Music Frameを2つとサウンドバーを一緒に使い、設置位置を考えればちょっとしたサラウンドシステム環境が作れそう…。しかし、非常に残念なことにQ Symphonyが1度に接続できる端末数は2つ。これ惜しいですね。
デジタルフレームではなく、従来のフレームで紙のアートを飾るところがインテリアとしてなじみやすくて魅力的。もちろん、写真の入れ替えも簡単。
電源は有線のケーブルがあるので、フレームを飾る位置はちょっと悩みそう。壁にかけてもよし、棚やサイドテーブルに置いてもよし。
サウンドクオリティは?
これが、思っていたよりずっといいです。Samsungのデモというコントロールされた場での体験ではありますが、非常にクリアな上に音量も十分。Music Frameに搭載されているのは6つのスピーカーと2ウーファー。なので、そこそこいいサウンドバーと同程度の音は出すことができます。
これを自分のセットアップでテストするなら、低音中心にもっといろいろかけてみたいです。というのも、デモでカミラ・カベロの「Havana」がかかったのですが、低音がいまひとつでていなかった印象を受けたからです。低音に弱いのかな。
これを大きくするとFrame TVになる
Music Frame自体はいいけど、もっと大きいアートがいいなという人。Samsungだと、それテレビになります。
テレビをインテリアと一体化させたSamsungのテレビ「The Frame」。その最新モデルも一緒にみせてもらいました。新モデルと旧モデルの最大の違いは、50インチ以上のモデルにはダイナミックリフレッシュレートが採用されていること。OSが画面のリフレッシュレートを動的に変更することで、消費電力を抑えるためにできます。
テレビもスピーカーもコンセプトは同じで、家電をいかにインテリアとして部屋と一体化させるかということ。テレビのThe Frameは、フルQLEDの4Kスクリーンで43インチが1000ドル(約15万円)から。最大サイズは75インチで、そちらは3000ドル(約50万円弱)。
ただ、Music Frameがリアルアートをフレームに納めるのと違い、The Frameはテレビに表示するデジタルアートになりますから、そこは好みが分かれそう。
テレビはフレームの色やサイズが複数オプションあり、Music Frameも将来的にはそうなるのかなと思わせてくれる先行製品ですね。
初代感は否めない…
否めません、だって、事実初代なんだもん。初代製品が好きな人もいれば、まだ未熟だと敬遠する人もいます。
Music Frameで言えば、まずフレームサイズが12.9 x 12.9インチ(33センチ弱)の1つしかないこと。端末(フレーム)の厚みが1.7インチ(4センチ強)もあり、壁に飾ったときにかなり飛び出てしまうこと。中に飾れるアートは8 x 8インチ(20センチ強)までということ。ベゼル=フレームの色は変更可能とのことですが、購入時のオプションは黒のみなこと。
日本での展開は明らかになっていませんが、399ドルという価格は、すでに予約を開始しているアメリカでも苦戦しそう。スピーカー選びの選択肢の1つとして考えて問題はないものの、ここに行き着くのはなかなかレア。インテリアに強いこだわりがある人の好みにハマれば…。
ただ今後のオプションの広がり次第では、グッと期待したくなる製品ではあります。なんせ、まだ初代なのでね。