未知との遭遇…。
いま木星の衛星エウロパに注目が高まっています。水と酸素の存在が確認され、もしや生命体の発見につながるのでは? そんなエウロパの観測へ向かう探査機の「Europa Clipper」には、スペシャルメッセージを載せて届けられることが、NASAから明らかにされていますよ!
スペシャルメッセージの内容は?
Europa Clipperは、今年10月に、SpaceXのFalcon Heavyロケットで打ち上げ予定。地球から26億kmもの長旅を経て、2030年4月にエウロパまで到達する見込みです。搭載される観測機器は、木星の強い放射線から保護するため、金属製のプレートで覆われるのですが、そこにはメッセージがびっしりと。
実はNASAが、メッセージ入りで探査機を打ち上げるのは、今回が初めてではありません。古くは1970年代に打ち上げられたパイオニア探査機の金属板のメッセージ、ボイジャー探査機のゴールデンレコードのメッセージまで、その歴史はさかのぼります。ただし、いずれも宇宙人との接触が主目的。でも、今回は少し趣が異なるようですよ。
未来へのメッセージ?
2030年から、4年にわたるエウロパでの観測活動を終えると、Europa Clipperは、エウロパの大気圏に突入して燃え尽き、全ミッションを完了予定。しかしながら、プラチナよりも高い融点を有するタンタル製の金属プレートは、もしかすると、スペシャルメッセージとともに、どこかに残存するのでは?
その期待とともに、いつか未来にだれかに発見されたとき「人類は地球からエウロパへ水を求めて探査をしていた」という歴史の足跡が刻まれるかも? そんな願いもこめて、金属プレートには「水」を地球上の100以上の言語で発音し、その波形を刻み込んだメッセージが描かれますよ。
なななんと、日本語の「水」の発音まで、バッチリと刻み込まれております。さらには、地球外文明との遭遇の可能性を求めたドレイク方程式や、エウロパを詩で詠んだ英語のポエムなども、プロジェクトを支援する260万人の名前が刻まれたマイクロチップとともに載せられるんだとか。つまり、これを読む相手に想定されているのは、まぎれもない地球上の言語を理解する相手ということですよね?
長い月日が流れ、エウロパにだれかがたどりついたとき、はるか昔の2024年にエウロパの水への想いをつづった人類からのメッセージを見つける。その瞬間って、いったいどんなものなのでしょう? 日本語の「水」の発音がわかるのかな? どんどん想像が膨らみますが、無事にエウロパへ届けられるといいですね~。
Source: NASA