今話題の新感覚ホラー映画『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』(12月22日公開)、もう鑑賞しましたか?
私はかなり早い段階で試写鑑賞したのですが、けっこうぶっ飛んだ内容だったので、公開後のみなさんの反応が楽しみだったんですよね。だって、今までのホラーとは違う方向性だし、なんていうか、ジェームズ・ワン監督の『死霊館』が出てきた時と同じような、新ジャンルの開拓的な意味があると思ったからなんです。
というわけで、この記事では『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』がなぜ面白いのかについて語っていきますね。
呪物の手を握るだけのカンタン降霊術にハマる若者たち。しかし、ルールを破ってしまったことで災いが訪れるーーー。
監督はYouTuber
『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』はYouTuberが作った映画です。
いや、それだとちょっと語弊があるかも。YouTubeチャンネル「RackaTacka」を運営するダニー・フィリッポウとマイケル・フィリッポウという双子の兄妹は、映画クリエイターになる夢を持って、日夜映像作りに励んでいました。もともとはFacebookにおもしろ動画を投稿していたのですが、それがバズったので、YouTubeチャンネルを作って身元を明かした上で活動するようになったんです。
「RackaRacka」は瞬く間に人気チャンネルとなり、念願の映画作りへとつながっていきました。つまり、映画作りの夢が先でYouTube活動は夢を叶える手段。今回、晴れて幼い頃からの夢がかなったという形なんです。
YouTubeの経験が生かされた爆速ホラー
YouTubeチャンネルといえば、リアルタイムに視聴者からのコメントが反映されるスピード感が魅力です。動画をアップすれば、生の声が届く。フィリッポウ兄弟のセンスはどんどん研ぎ澄まされ、今のトレンドにもっとも敏感でもっとも応えられる監督に成長していきました。
それは映画の中でもしっかりと感じられます。なにせ『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』の降霊術は爆速。呪物を握った瞬間に憑依され、90秒で霊をリリースしないといけないルールがあります。
そして、若者たちは霊を恐るどころか、ひとつのジャンルとしてコンテンツ化して消費します。恐るべしSNS社会。
たくさん死ななくても怖い
『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』は、最近人気の70、80年代スラッシャーホラーのリブートやリメイクのように、バッタバッタと人が殺されるタイプのホラーではありません。冒頭でも触れましたが、『死霊館』のような、人がほとんど死なないけれど恐怖だけはしっかりと胸に刻まれる系だと思います。
でも、後味の悪さは『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』の方が上かも。だって、登場人物たちの好感度は高くないけれど、それは若さゆえの揺らぎや迷いによるものであって、そこに悪意があるわけじゃないことが理解できるから。
降霊術ジャンルのホラーの中でも異色の光を放つ本作。この作品がジャンルの開拓をするかもしれないので、見ておくといいかもしれません。
もう公開していますよー。