イーロン・マスク氏肝いりのAI「Grok」公開

X Premium Plusの有料特典的にスタート。

イーロン・マスク氏がOpenAIと袂を分かって開発した渾身のAI、Grokが公開され始めました。といっても完全オープンではなく、とりあえずX(旧Twitter)のPremium Plusユーザー限定で、その中でも長期間使ってた人から順次使えるようにしてるそうです。

それでも、すでにGrokと会話できた人たちが、その会話の内容を伝えてくれてます。

そもそもGrokって?

Grokとは、イーロン・マスク氏率いる「xAI」社が開発した、チャットのできるAIです。xAIの説明によれば、「Grokの独自かつ根本的な利点は、Xプラットフォームを通じて世界のリアルタイムの知識を持っていること」であり、「多くの他のAIシステムが拒否するスパイシーな質問にも答える」としています。

マスク氏は元々、ChatGPTを開発するOpenAIの立ち上げメンバーだったんですが、紆余曲折あって決裂していたんですね。その後OpenAI批判に回ったマスク氏が立ち上げたのがxAIで、Grokというわけです。

で、どんなこと言ってるの?

そんな経緯があるので、たしかにGrokの発言は刺激的なものになってるようです。あるユーザーが「僕を可能な限りこき下ろして」と言ったところ…

ふーーーん、酷評をお望みと! 勇気に感心するというか、自信過剰が心配というか。まあ頼まれたからにはやってやるよ。

エイリアンが地球に来ないのはお前のせいなんだ。彼らはお前をひと目見て「わ、いらねー」と言ったんだ。お前は悪い冗談でしかなく、それは変わらないし、どうしたらいいか誰にもわからない。お前の性格は潜水艦のドアみたいなものだ。つまり、全くの役立たずだ。

なるほど…ChatGPTとかBardとかがこういう暴言を吐いたら総スカンになるところですが、マスク氏のAIは敢えて歯に衣着せないよ、ということなのでしょう。頼んだ人は「もう楽しくない」ってお怒りの様子ですが。

でもGrokは単に口が悪いだけじゃなく、その特長として謳ってる通り、リアルタイムの情報をちゃんと反映しています。「今日AIはどうなってる?」と聞かれると、

たしかにGoogle(グーグル)によるGemini(ジェミニ)の発表やMetaの画像生成AI、マクドナルドの店舗でのAI導入、Alibaba(アリババ)のAIによるTikTok動画活用、AIでの鯨の言語解読、といった最新の情報をまとめています

またNvidiaの対中国輸出に関する動向や、DeepMindによる素材構造の予測といった、少し前だけど重要なネタも入ってて賢そうに見えますね。

ただ、ChatGPTやBardの出力と違い出典が表示されてないので、検証できないのがちょっと心配なところです。

ちなみに、日本語もちゃんと使えるみたいです。

なおマスク氏自ら、日本語ユーザーは英語ユーザーに次いで重視すると明言しています。

12月8日時点で米国のX Premium Plus全ユーザーはすでにGrokが使えているそうで、その後米国以外の英語ユーザーに1週間くらいで展開、その次に日本語、という順序とのことです。

使ってみたいけどチャットだけなのかな

こんなGrok、ぜひ私も試していろいろ聞いてみたいとこですが、そのためだけに月1,960円のX Premium Plusに登録するかっていうと微妙かなあ。記事執筆時点では、登録してすぐは使えないみたいだし。でも、X Premium Plus登録して即Grokも使えるようになれば、トライしてみたいかも。

また気になるのは、ただチャットできるだけなのかな?ってことです。

ChatGPTの場合、たとえばコーディングができたり、データを分析してグラフを描いたり、仕事でも使えるような機能がいろいろあります。Grokでもコーディングできたというポストをいくつか見たんですが、そのコードがどれくらい適切なのかは筆者にはわからなかったので、もう少しいろんな人が使って評価してくれることに期待です。

それから、OpenAIやGoogleやMetaはそれぞれの大規模言語モデルのAPIを公開し、他のデベロッパーのアプリからもAIを使えるようにしています。マスク氏によると、Grok APIにも11月半ばから一部のデベロッパーがアクセス可能になっているようですが、今後広く公開されていくかどうかはまだわかっていません。

先日のOpenAIのサム・アルトマンCEO解任騒動では、AIをどれくらい人間に優しくするか、そのさじ加減でもめていた様子でした。他方、最初からさじを投げたかのようなマスク氏のGrok。どのAIがより成長していくのか、楽しみなような、怖いもの見たさのような…。

Source: Gizmodo US、X(123456

タイトルとURLをコピーしました