高市早苗氏の総裁選出馬に不安 – krmmk3

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自民党の総裁任期と衆議院の任期が近々切れるということで報道がすっかりコロナやスポーツ関連から自民党総裁選メインに移行しています。まぁ自民党の総裁ニアイコール事実上の次の総理大臣ということでもあるので関心が高くなるのも当然と言えば当然なんですが。

ごまかしの効かない状態での政策の失敗の連続に自民党が次の衆議院選挙で議席を減らすのは確実視され、現野党による政権を求める声も小さくないようです。が、個人的には自民党が野党に回るのは勘弁してもらいたいです。別にわたしは熱心な自民党支持者ではないですが、そう思います。というのも、自民党ほど野党に落とすと碌な仕事しない政党はないからです。

前に自民党が野党に落ちていたとき、あの大震災が起こりました。当時与党だった民主党は自民党に入閣の打診など協力を求めましたが自民党はそれを拒否。むしろ震災直後から内閣不信任案の提出や退陣要求の繰り返し、多くの法案の審議拒否といった行動が一番目立つ行動だったくらいです。で、その一方であとは何をやっていたかと言うと、わたしの知る限りではそのあとの衆議院選挙の際に公開された選挙公約・・・という名の膨大なまでの民主党の悪口集を作っていたようです。

わたし、一応国政選挙の際には各党のWEBサイトで公開されている公約には目を通すようにしてるんですが、そうでなくても公約文章の長い自民党なのにこの時はウンザリするような内容が延々と続くので途中で読むのをやめてしまった覚えがあります。こんなもの作る労力があるなら、仮にも政党なら国難に立ち向かう方向に向かわせろよ、と知人の市議会議員にわたしは苦言を吐いていました。他にも改憲草案とか作っていたみたいですね、震災直後なのに。

こうした過去の経験から、現在も国難な状況ですが自民党が野党になったらまたしても野党として仕事はろくにしないと思われます。一方、立憲民主党など現野党はなんだかんだで野党の役割・立場を把握していますからそれに応じた仕事をし、国会は(ちゃんと開かれ、かつ虚偽答弁が繰り返されなければ)それなりに回るでしょう。次の選挙結果は自民党は与党を維持するものの議席数は減らしたため野党の意見を無視できない、そんな状況になることを望みます。

その自民党総裁候補から菅現総理が次の総裁選には出ない、との表明があったので代わる候補者の名が次々と上がっていますが、この中にわたしとしては絶対勘弁してほしい人の名があります。高市早苗元総務大臣です。ご記憶の方も多いと思いますが、同氏は総務大臣時代に政治的公平な報道を根拠にテレビ局の電波を取り上げることを示唆した人です。後で「はっきり言っていない」といいわけしていましたが、弁護士会や米国務省から懸念を表明されるほど誤魔化しは効かない明確な発言でした。

「政治的公平な報道」と言いますけど、実質的には政権批判に対する苦言でした。公平性は批判と称賛両方を取り上げるというような扱いでなされるべきではありません。例えば海外でとらわれた日本人が外交手段で救出されるような事態が発生して報道機関がそれを内閣の功績として取り上げた場合、その分批判報道をたくさんしなければならないかと言えばそんなことはないわけです。あくまで評価が公平な視点から行われるべきものであるべきですし、そもそも報道が批判が多めになるのは当たり前だと思うのです。仮にも当時内閣にいた人間がそれを根拠に電波停止を示唆する発言をするというのはとても大事を任せられる人間とは思えないのです。

まして、先日は外資規制を根拠にザ・シネマ4Kが停波させられるという事態が起こっています。これによって前例が作られ、テレビ局の電波を政権の判断で停止させられるハードルは以前より下がっているのです。ザ・シネマ4Kは報道主体の放送局ではありませんでしたから政治的公平性などは当然根拠にならず、また停波に関しても「許可の更新ができない」条件での違反、しかも法律上いくらでも誤魔化しが効く条件の違反だったので、むしろあっさり通してしまった総務省の方に問題あると思える件だったのに。この時期ザ・シネマを経営している東北新社やNTTの総務省接待が問題になっていましたから、それを有耶無耶な幕引きにするためにザ・シネマ4Kを切り捨てたようにしかわたしには見えませんでした。なお高市早苗氏も総務大臣時代にそのNTTから接待を受けています。

しかし、その人が通る可能性も出てきた総裁選。願わくば「自分のやりたいこと」を優先する人より「現在の国難をなんとかするべく全力を傾ける」人が選ばれ、そうなってくれますように。総裁選において選挙権のないわたしはそう祈るばかりです。

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