OpenAI初デベロッパーイベントで発表された11のこと

ChatGPTで知られるOpenAIが、自社初となるデベロッパーカンファレンス「DevDay」を開催しました。CEOのサム・アルトマン氏がステージに立った基調講演では、現状報告や最新モデルが発表されました(こちらの記事もどうぞ)。

アルトマン氏いわく、現在200万人の開発者、100万人の毎週アクティブユーザーを抱え、フォーチュン500掲載企業の92%が導入しているというOpenAIプロダクト。「世界最先端かつ最も広く使われているAIプラットフォーム」だと、同社プロダクトを自負。

以下、DevDayのメインとなった発表された11のことを紹介します。

新モデルChatGPT-4 Turbo

新モデル「GPT-4 Turbo」の発表でスタートしたイベント。アップグレードしたfunction calling、より豊富な知識、お得感のある価格設定と、全方位的に向上した新モデル。

Turboとつくだけあって、やはり魅力はその馬力。処理できるトークン数は12万8000個。これ、ChatGPT-4の16倍です。このトークン数だと、300ページの本をまるごとChatGPTに投げて要約することができます。トークン数増加は、今回の発表で最も根幹的かつ大きなアップデート。

GPTsとは?

ChatGPTはすでに耳慣れた単語ですが、「GPTs」って?

今回発表されたGPTsとは、特定の目的に合わせて作られたChatGPTのこと。ChatGPTの専門家ver.と言っていいでしょう。

たとえば、デザインツールCanvaがGPTを作ったとします。ユーザーはChatGPTで動くCanva GPTのチャットボットに作りたいポスターを相談。「80年代テーマのハロウィンパーティーのポスターを作りたいんだけど?」すると、Canva GPTがリクエストに応じたポスターを作ってくれます。

つまり、CanvaのGPTはグラフィックデザイナーの専門家ということです。

GPT Store

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Image: OpenAI

GPT Storeも発表されました。これ、App StoreやGoogle Play ストアを想像してもらえばOK。先述の専門家、GPTsが並ぶストアです。ユーザーはここで自分の目的に応じたGPTを探したり、ダウンロードできたり。どんなGPTsが作られるかによって、ストアの可能性も無限大です。

もちろん、開発したGPTsをストアに出して収益を得ることも可能です(一部はOpenAIがもっていきます)。

知識拡大

今まで2021年9月までの知識(情報)しか持っていなかったGPTですが、Turboになって2023年4月までのことを把握できるように。GPTは知識が古いというのは以前から指摘されていたこと。

先週発表されたイーロン・マスク氏のAIモデル「Grok」はこの制限がないのが自慢でした(Xとリアルタイム連動した知識になってます)。アルトマン氏も「今後知識が古くなるなんて二度とないようにしたい」と意気込んでいます。

カスタマイズプログラム

Custom Models」は、OpenAIの研究者チームが、一部の選ばれた団体に向けて目的に特化したカスタマイズChatGPT-4モデル作りを協力してくれるという非常にラッキーなプログラムです。

この団体は、企業でもNPO団体でも政府機関でも可。カスタマイズしたモデルはその団体が限定的に使うことができます。また、このデータが別目的で再利用されることはありません。

大規模言語モデルってよくわからないけど挑戦してみたいと考えている団体には、またとないチャンス!

ChatGPTの新インターフェース

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Image: OpenAI

デベロッパーではないフツーの人にも最も認知されているAI、ChatGPT。そのインターフェースがよりクリーンな作りになりました。

「ホーム画面のドロップダウンメニューがごちゃごちゃしててわからん!」という声が多かったそうで、これを一掃。消費者向けプロダクトとして洗練され使いやすくなった印象です。

ChatGPTのモデルも最新版のGPT-4 Turboにアプデ。

値下げ

デベロッパーの導入障壁を下げる狙いか、価格改訂が入りました。昨今の値上げ時代において、なんと値下げ!

処理トークン数が異なるので単純比較は難しいものの、アルトマン氏いわく、入力トークンの価格は3分の1に、出力トークンの価格は半額に。また、他のモデルもすべて値下げする予定とのこと。

クラウドサービスとの連携。

ChatGPTモデルの中に、自分の仕事データをアップロードできます。これ、Google Driveや Microsoft 365アカウントを入れ込めちゃうということ。そうなると、メールやドキュメント、プレゼン資料などをChatGPTを共有できることになり、アシスタント力もアップします。

Assistants API、コピーライト問題など開発者向けの仕組みも

Assistants APIは、デベロッパーが作るアプリ内でGPTを開発するお手伝いをする機能で、ローンチと同時に複数のツールが提供されます。DALL-E 3のAI画像生成やテキストからの音声機能も開発したアプリに組み込めるようになります。

Copyright Shieldは、昨今のAIの流れに追随したもの。もしうちのAI使って作ったものが著作権で法的に揉めたらうちが保護しますというアレです。

サティア・ナデラ氏「みんな大好き!」

OpenAIに巨額出資しているMicrosoft(マイクロソフト)のサティア・ナデラCEOが登場。いわく、OpenAIとのパートナーシップは最高で、みんな(OpenAIチーム)のこと大好き!だそうです。

アジュールのあり方は急速に変化しました。あなたたちが作るこれらのモデルのサポートによってさらに急速に変化を続けていくでしょう。

というナデラCEO。OpenAIのプロダクトをサポートするようアジュールはベストなシステムを作っていくとし、それが世界的に多くの人の利益になると語りました。

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