核戦争用に作られた「ドゥームズデイ・プレーン」がロシアの核兵器使用に備えて訓練を開始

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2022年2月27日、ロシアのウラジミール・プーチン大統領はロシア軍内の核戦力を運用する舞台に対して「任務遂行のための高度な警戒態勢に入るように」と命じたと報じられています。これを受け、アメリカで核戦争時に指揮を執るために設計された航空機「ドゥームズデイ・プレーン」の訓練が始まったことがわかりました。

US ‘doomsday plane’ made four-hour flight following Putin’s nuclear weapons threat
https://inews.co.uk/news/us-doomsday-plane-boeing-flight-putin-nuclear-weapons-threat-russia-ukraine-1491543

America’s nuke-resistant ‘doomsday plane’ spotted doing training mission over Nebraska | Live Science
https://www.livescience.com/doomsday-plane-russia-nuclear-alert

イギリスのニュースサイトであるiNewsが、核戦争時に指揮系統を移すために設計された「ドゥームズデイ・プレーン」と呼ばれる航空機が、アメリカ・ネブラスカのアメリカ空軍基地から離陸し、シカゴに向けて4時間半のフライトを行ったと報じています。報道によると、ドゥームズデイ・プレーンのフライトは弾道ミサイルを追跡するために使用される早期警戒管制機を複数機伴っていたとのこと。

ドゥームズデイ・プレーンの機体はE-4B ナイトウォッチと呼ばれるボーイング747の改良版をベースとしたもの。ドゥームズデイ・プレーンは核戦争時の移動指揮拠点として1970年代から配備されています。


ドゥームズデイ・プレーンの製造費は2億ドル(約230億円)と推定されており、一般利用されているボーイング747にはないいくつかの安全機能を備えています。また、最新のデジタル機器ではなく時代遅れといえるアナログ機器を搭載することで、核爆発により起こる電磁パルスにさらされても安全に飛行を続けることが可能です。

ドゥームズデイ・プレーンは核爆発による熱的影響から乗組員を守るために、窓がなく、特別なシールドも採用しています。CNBCの報道によると、ドゥームズデイ・プレーンの機体上部にある「レドーム」と呼ばれる隆起部分には65を超える衛星放送受信アンテナが詰め込まれており、これにより世界中の船・潜水艦・航空機・陸上拠点と通信可能になるとのこと。

iNewsによると少なくとも1機のドゥームズデイ・プレーンがすでにフライトの準備を終えており、定期的に訓練および準備任務を繰り返している模様。

なお、アメリカ政府は2022年3月1日に「アメリカの核態勢に変化はない」と述べており、ジョー・バイデン大統領も記者会見の中で「アメリカにロシアとの核戦争を恐れる理由はない」と語っています。

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2022年03月02日 13時00分00秒 in 乗り物, Posted by logu_ii

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