ラオスのスシローへ行ったのに手持ちの金が少なすぎて貧乏っちい思いをした……という件については以前の記事で詳しくお伝えした。その後ATMへ直行しキープ(ラオスの通貨)をたんまり入手した私は、ラオスでの寿司リベンジを固く決意。
さっそくGoogleマップで「SUSHI」と検索をかけたところ……スシローを超えるスゲェ店を見つけてしまった! ここでいうスゲェとは単に店名のインパクトについてなのだが、寿司屋を選ぶ理由なんてほぼ店名のインパクトである。今すぐ行こう! 金ならある!!!
・バイクを転がして
たびたびお伝えしているようにラオス(首都ビエンチャン)のインフラはお世辞にも万全とは言えない。抵抗がなければレンタルバイクを利用することを強くオススメする。
中心部からバイクを転がすこと20分……
今回の目的地『ヤクザ 〜オイシイ レストラン〜』に到着した。
店頭ではコワモテの男性を模した人形が刺盛りを抱え微笑んでいる。よく見ると胸元に「Big Tom(ビッグ・トム)」と書かれており、ヤクザというよりグルメなマフィアって感じだ。ま、ラオスの人にとってはヤクザもマフィアも似たようなものなのかも?
・あの国の店
この日はランチタイムを外したので空いていたが、『ヤクザレストラン』はラオスにしてはかなり規模が大きい店である。
内装も凝っていて、 “和” を意識する心意気が伝わってくるぞ。
と、ここでビッグ・トム再び!
般若の刺青をまとい両肩に日本刀を携えたビッグ・トム。手にはもちろん刺盛と生牡蠣だ。こうして見ると、ひょっとして日本人なのかも? と思わせるビジュアルをしている。ちなみに店内を何度も確認したが、ビッグ・トムのモデルらしき人物は見当たらなかった。
というより、ヤクザレストランは店員も客もオール中国人。メニューに中国語が記されている点からも、よくある “中華系の寿司屋” であることが推測された。いかにもヤクザが食べていそうなド派手な料理が並んでいるなぁ。
中華系の寿司屋とくれば……やはり食べ放題メニューがあるようだ(※ 海外の中華系の日本食屋には食べ放題がある場合が多い)。ランチで39万9000キープ(約2913円)。もちろん今の私には余裕で払える金額である。
・どのへんがヤクザなのか?
が……悩んだすえ、私は単品をチョコチョコ注文することにした。
理由は、この日の気温・店の雰囲気・空調の状態などを総合的に判断した結果、個人的にふと「大丈夫?」って感じてしまったからだ。もちろんヤクザレストランが不衛生だったとかでは決してなく、万一の危険も犯したくないという旅行者の本能が働いた結果である。
ってことで、手始めに注文したのは『エビの天ぷら』(3万5000キープ / 約261円)。サクサクしてておいしい。
つづいて『和牛の寿司』(3万5000キープ / 約261円)。和牛の可能性は限りなく低いが、酢がしっかり効いたシャリが海外にしちゃハイレベル。
マグロ、サーモン、イズミダイ(何それ?)の3貫盛り(9万5000キープ / 約711円)。
甘〜いタレが全てのシャリ全体に染み込ませてあるのが気になった。これはこれで好き!
寿司をこれ以上食べる気にならなかったので『焼きそば』(2万9000キープ / 約217円)を注文。こちらもビックリするほど甘かった。
これで会計は20万4000キープ(約1528円)。だんだん混み合ってきた店内を見渡すと、全ての客(中国人)が食べ放題コースを注文し、飲めや歌えの大宴会を繰り広げている様子である。けっきょく店名の由来は不明だったけど、「ヤクザみたいにリッチな気分になれる店」ということにしておこう。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.