職人が作る手作り電球とは(デジタルリマスター)

デイリーポータルZ

ネットで調べごとをしていたところ、手作りで電球をつくっている会社というのを見つけた。さらに調べると、その電球には数々の職人の技が生きているということらしい。

昨日までべつだん電球には興味がなかったのだが、電球と職人技、一見ミスマッチに思えるこの組み合わせで、俄然興味がわいてきた。ぜひとも取材させてください!

2008年9月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

なぜ手作り電球なのか

僕がネットで見つけた手作り専門の電球会社とは、荒川区にある細渕電球さん。

なぜ電球を作るのに、機械ではなく手作りなのか。それは機械より人間の手ほうがうまくできるから。えっ、うまくできるってなにが?それは職人さんの技を見てもらいながらご説明しましょう。さっそく、工場見学スタート!

フィラメントの取り付け

細渕電球さんの得意技は、極小電球づくり。ということで、冒頭からいきなり超緻密な作業が始まる。

まずは電球のフィラメントを、フィラメントを支えるための足(ジュメット線)に取り付ける工程から。

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冒頭からいきなり超緻密な作業
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この機械の細い先端に挟み込んで取り付けていく。

コの字形に曲がったフィラメントを、据え置きのコテのような機械で取り付けていく。上の写真、机の上に細かい毛みたいな、ホチキスの芯みたいな物が置かれているのがわかるだろうか。この一つ一つがフィラメント。

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どのくらい細かいかというと、10円玉の年号表示の文字くらいの小ささ

フィラメントはとにかく細かい。プラスチックの容器にたくさん入っていたけれども、僕は一息で全部吹き飛ばす自信がある。そのくらいの細かさだ。うっかりくしゃみなんかしたらと思うとヒヤヒヤだ。

この工程のポイントは、フィラメントをまっすぐに取り付けること。ここで斜めに取り付けてしまうと、電球の寿命が短くなってしまうそうだ。これがまず最初の職人技である。

フォーミング

次に、先ほど取り付けたフィラメントの調整をする。フォーミングという作業だ。

作業台には水素を充填したチューブがあり、そのなかでフィラメントに電極をつないで、光らせる。すると金属の特性からフィラメントがねじれてくるので、それを補正するのがこの工程だ。

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水素のおかげで、フィラメントを光らせることができる。(空気中でやると焼ききれてしまう)
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この工程の作業場はひときわ輝いている!
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フィラメントの微妙な曲がりを補正していく

上の写真は、左が曲がりを直したあとのフィラメントで、右が曲がった状態のフィラメント。実は右側は、説明のために手で曲げてもらったものだ。自然に曲がったものは曲がり方が微妙すぎてよくわからなかったのだ。これまた緻密。

フィラメントの取り付けにしろ、フォーミングにしろ、とにかくものすごく細かい作業。なのにルーペは一切使わない。その理由は、「クラクラしちゃうから」だそうだ。「長時間やるから、ルーペだとクラクラになってきちゃうんです。」

さて、始まったばかりですがここで改ページ。なぜなら次工程の職人技があまりに息つかせぬ展開のため、しばらく改ページする暇がないからです。思わずのどが渇きますので、お水を用意してからお進みください。

⏩ 次ページに続きます

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