上の写真の寿司屋、実際に見たことある人は結構いるのではないだろうか? え? 知らないって? 西武新宿線の新宿駅を降りてすぐのところにある寿司屋だよ。なんなら新宿駅の向かいと言ってもいいロケーション。
立地はめちゃくちゃ良いので、知らずに通り過ぎている人も多いと思われる。かくいう私も店の前を何度も通っているが、入ろうとは思わなかった。失礼を承知で言うと、正直そんなに美味しそうだとは思わなかったからだ。なぜなら……
・海外の観光客をターゲットにしている感
お店の看板で1番目を引くのは “回転すし” の部分。
普通だったら「スシロー」とか「くら寿司」のように店名を最も目立たせると思うが、その店は “回転すし” の部分がデカデカと書かれている。
肝心の店名(桜すし)は下に小さく配置されている程度で、なんなら店名よりも “営業中” の方が目立つ。
なぜこんなバランスになっているのか? それは回転する寿司が珍しいと感じる外国人観光客をターゲットにしているからで、味よりも外国人観光客へのマーケティングを重視している証拠であり、つまるところ観光客ではない自分がわざわざ食べるほどではない。
──と、私のクソな直感は判断していた。ほんと、上のように思い込んでいた私自身がつくづくクソだと思うが、 唯一自分でもファインプレーだと思うのは「とりあえず入ってみようか」となったこと。
店の外に張り出されているランチメニューを見ると550円からあるし、価格自体はそこまで高くなさそうだ。だったら試しに1つ……という気持ちで入店してみた。
いざ店に足を踏み入れてみると、あれだけ “回転すし” をアピっていながら寿司は1皿たりとも回転していなかった。レーンは回っているものの、そこに寿司はない。
コロナ以降よくあるパターンとはいえ、看板で大々的に “回転すし” と書かれているだけにツッコミ待ちになっている。
しかし同時に「そんな細かいこと言うなよ」とでも言いたげな雰囲気が店内から漂っていた。どこか町中華っぽいというか、おおらかなのだ。
たとえば、その店(桜すし)には手書きのメニューがいたるところに貼られているし、注文すると職人さんが寿司を握ってくれるし、ホールのスタッフは親切に声をかけてくれるし、一部常連さんっぽい人たちは楽しそうにしているし……。
──もしかしてアタリの店かも? と入店してすぐに悟った。そして肝心のランチが運ばれてきたのだが……
寿司5貫にかっぱ巻きと味噌汁が付いて550円は結構なコスパ。っていうか、この白いネタ大きくない? 何だろう? と気になって店員さんに聞くと、「ビントロ」だという。なのでビントロ(2貫330円)を追加で頼んでみると……
やっぱりネタがデカい!
大手回転寿司チェーンが時折やっている「ネタ大切り祭り」のようなものは開催されていないのに、なんだかナチュラルにデカい! ただし、全ての寿司ネタが大きいわけではない。
ヤリイカ(2貫275円)は比較的普通サイズ
鯛(2貫385円)は大きめ寄りの普通かな?
いわし(2貫330円)は結構デカくない?
うに(1貫440円)も割と普通かな?
マグロや中トロは大きいというか分厚い!
全般的にややデカ目で、ネタによってはかなりデカめ……といった感じ。そしてこれが肝心なのだが、私が食べた寿司はどれも普通に美味しかった。
そりゃあ銀座の寿司とかと比べたらさすがに負けてしまうが、スシローやくら寿司だったら個人的には桜すしに軍配を挙げる。まぁ、値段は桜すしの方がちょいお高めではあるのだけど。
ちなみに、私は当初550円のランチだけを食べて店を出ようと思っていたのだが、「これも美味い」「あれも食べてみたい」とかやっているうちに3000円ほど使ってしまった。
ランチとして考えればかなり高くついたが、いい意味で裏切られたから不満は全くない。そもそも、3000円は自分の直感がアテにならないことを学習するための授業料だと考えれば安い……かな? まぁ、そう考えるようにしたい。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 桜すし
住所 東京都新宿区歌舞伎町1-25-3西武新宿駅前ビル1F
時間 11:00~23:00(L.O.22:30)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.