M2 Ultraを搭載したMac Proは外部GPUのサポートがなく最大メモリが192GBに制限されているのでプロが購入しにくいことが報告される

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2023年6月6日に開催されたAppleの開発者向け会議「WWDC23」の中で、Appleは独自開発SoCであるMシリーズの最新チップ「M2 Ultra」を発表しました。また、M2 Ultraを搭載したハイエンドPC「Mac Pro」も同じく発表されましたが、メモリの上限が最大192GBに制限されていることや購入時の構成以上のアップグレードができない点などから、ハイエンドなPCを求めるユーザーが購入をためらっていることが報告されています。

Apple Mac Pro M2 Ultra review: a powerful computer in search of an audience – The Verge
https://www.theverge.com/23770770/apple-mac-pro-m2-ultra-2023-review


M2 Ultra Mac Pro review shows Apple’s powerhouse hasn’t left the worst of the Intel era
https://bgr.com/tech/m2-ultra-mac-pro-review-shows-apples-powerhouse-hasnt-left-the-worst-of-the-intel-era/

AppleがWWDC23で発表した新型Mac Proは2019年に発表されたモデルから外観の変更はないものの、プロセッサにM2 Ultraを搭載することで旧モデルのMac Proと比べて3倍高速な作業ができるとされています。

AppleがM2 Max2枚分の最強スペックチップ「M2 Ultra」発表、M2 Ultra搭載Mac Proは驚異の100万円超から – GIGAZINE


しかし、ハイスペックなM2 Ultra搭載のMac Proが発表されたものの、Mac Proのターゲット層であるアニメーション制作や映像制作に携わる人々からの反応は冷ややかで、映像制作のプロからは「購入を検討していない」といった声が相次いでいます。

M2 Ultraを搭載したMac Proは1個のチップ上にプロセッサやその他の機能を詰め込んだSoCを使用していることから、購入時に選択した最大192GBのメモリから変更することができません。また、2019年のモデルに搭載されていたグラフィック用カスタム拡張モジュールの「MPXモジュール」やPCIeスロット対応のグラフィックカードは2023年モデルではサポートされておらず、新たにGPUを追加してグラフィック性能を購入時以上に向上させることはできません。


外部GPUが追加できないことは、グラフィックの専門家にとって大きな問題とされており、3Dアニメーションエージェンシーを運営するトム・リンデン氏は「私たちは主にPCIeスロットにGPUを接続して、グラフィック性能を向上させています。2023年モデルのMac Proにおいて追加のグラフィックスプロセッサがサポートされないとなると、役立つ拡張カードはキャプチャーカードなどに絞られます」と述べています。

また、多くのユーザーがApple製のSoCを搭載したノートPCのMacbookで満足していると答えており、Mac Proの購入が進んでいないことが報告されています。プロダクトデザインを手がけ、ベンチャービジネスの企業を支援する「Apollo 21」の創設者兼CEOのダニー・ネイサン氏は自身が所有するAppleシリコン搭載のMacBook Proに非常に満足していると述べ、「Appleのさまざまな製品は年々パワーアップしています。そのため、2023年モデルのMac Proは不要ではないかと思います」と述べています。


海外メディアのMake Use Ofのウィル・グラフ氏は「Mac Proは非常にニッチな製品で、PCI Expressスロットを備えたMacが必要でない限り、その価格に見合った価値はないでしょう」と指摘。またThe Vergeのモニカ・チン氏は「M2 Ultra搭載のMac Proが悪いのではなく、Macbookを含めたAppleのその他のコンピューターが非常に優れていることから、多くのユーザーが購入をためらっているようです」と語っています。

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