ミレニアル世代、 Z世代 による世界初のメタバースメイクアップ団体クリプト・ベスティーズ

DIGIDAY

メイクアップと暗号のクロスオーバーは明白なものではないが、だからといってそれが起こっていないという意味ではない。初のメタバースメイクアップ団体としてそこに登場したのが、クリプト・ベスティーズ(Crypto Besties)だ。

2020年に設立されたクリプト・ベスティーズは、メイクアップブランドとしてではなく、メタバースに興味を持つ女性のためのコミュニティとしてスタートした。だが創設者のリマ・パテル氏とジャイヤ・ギル氏は、すぐにそこにあるギャップに気づいた。つまり、ファッションは何十年も前から仮想現実空間で大きな部分を占めているというのに、メイクアップについてはどうだろうか?

「(私たちのビューティブランドの)ターゲットオーディエンスは、(暗号)空間には存在していなかったので、『すでにターゲットオーディエンスが存在している場所に行ってみたらどうか』と考えた」とパテル氏は話す。「女性はメイクアップ業界で最大の購買力を握っているが、あまりにも長いこと、ビューティ業界において発言権が与えられていなかった。将来へ投資することについて知らされていないのと同じだ」。

若い世代のコミュニティとともにブランドを作り上げる

パテル氏とギル氏は、クリプト・ベスティーズを通じて物理的なビューティ製品ラインをブロックチェーン上とメタバースに存在するデジタルなものと組み合わせることにした。クリプト・ベスティーズには誰でも参加でき、そのDiscordに入ってメイクアップや暗号についてチャットしたり、プラットフォームに貢献するアプリケーションを提出したり、NFTのフレンドシップブレスレットを購入したりすることができる。このブレスレットは、クリプト・ベスティーズのメイクアップラインを始めるための大きなクラウドファンドに貢献するもので、Web3プラットフォームのミラー(Mirror)で購入できる。各ブレスレットの色に支援の階層が反映されており、その色によって、製品ドロップへの最初のアクセスや、のちにクリプト・ベスティーズの次の製品への投票に使用されるトークンといった限定特典が付いている。

それらの階層のいずれかに参加するクリプト・ベスティーズのメンバーは、その製品制作の過程での投票者にもなれる。リリースされる製品ごとに、コミュニティによる製品提案や、ブロックチェーン上でのさまざまな製品名、シェード、パッケージに関する投票が行われる。同社の最初の製品のクラウドソーシングは5月10日の週からスタートし、最終的にメンバーとともにブランド第一弾のアイテムをリップグロスに決定した。これは今年の夏以降に発売される予定だ。

「製品名や色、ブランディングなど、コミュニティが選ぶことができる。デザイナーやクリエイターもコミュニティから直接調達している」とギル氏は述べた。

パテル氏やギル氏自身がそうであるように、クリプト・ベスティーズの5000人のメンバーのほとんどは、ミレニアル世代とZ世代の女性たちだ。ブランドのブランディングとスタイルは、すべてがピンクでキラキラしていたインターネットカルチャーの最初のブームだった2000年代初頭を思い起こさせるものになっている。

誰もがWeb3に参加しやすくなるような仕組み

コミュニティメンバーは、自分たちの夢のメイクアップ製品を作るだけでなく、Web3コミュニティベースの雇用プラットフォームであるパレット(Pallet)で、暗号通貨投資、NFT、分散型Webについて学ぶことができる。

クリプト・ベスティーズがリリースするすべての物理的製品には、同一のデジタルコレクタブルが付属している。メイクアップ製品のドロップの顧客は、ディセントラランド(Decentraland)、アクシーインフィニティ(Axie Infinity)、サンドボックス(Sandbox)などの互換性のあるメタバースで、ポリゴンベースのNFTに引き換え、自分のアバターに着用させることができる。クリプト・ベスティーズのコミュニティがローンチを採決すると、それらの製品が限定数でリリースされる。

「最初の製品を購入した全員に、無料でデジタルコレクタブルをプレゼントする。これによって、Web3のエコシステムに馴染みのない人でも、追加の費用やリスクを負うことなくWeb3への足がかりを得ることができる」とギル氏は言う。「そうすることでより多くの人々が、好奇心を刺激されて背中を押され、ウォレットを作成したり、デジタルコレクタブルを利用したり、次のドロップの作成プロセスに参加したりといった、アクションアイテムへと向かってくれることを期待している」。

メタバースは民主化の場

限定ドロップは、コミュニティの需要に応じた規模になる。パテル氏とギル氏にとって、少量生産の製品を迅速に提供してくれるメーカーを見つけるのはむずかしい課題だったが、ふたりは現実のファッションとライフスタイルのほかのブランドとのコネクションを利用して、それを可能にした。その製造パートナーについて具体的には明らかにしていない。最初の製品発売のための資金は、NFTの売上、メタバースへの参入を目指す大手ビューティブランドに提供するコンサルティングサービス、およびエンジェル投資家から調達している。これまでクリプト・ベスティーズは、クラウドソーシングによるNFTの販売で1万ドル(約135万円)を調達したが、パテル氏とギル氏は追加投資の額については明かさなかった。

メタバース製品開発会社レヴスタンス(Revstance)の共同創業者ムアズ・ノティアー氏は、メタバースを民主化の場と捉えている。「メタバースは、いままでアクセスできなかったものをアクセス可能にする。(さらに)障壁を低くし、インクルージョンを向上させ、私たちの認識に挑戦する。メタバースによってブランドは距離の障壁を取り除き、より没入感のある顧客体験を生み出すことができるのだ」。

[原文:Crypto Besties: Meet the world’s first metaverse makeup collective]

LIV PASQUARELLI(翻訳:Maya Kishida、編集:黒田千聖)

Source

タイトルとURLをコピーしました