営業で成果を上げるために必要なことは、人間の心を理解することだ。なぜなら、人は心でモノを買うからだ。心理的に「買いたい」「買わせて欲しい」と思わせることができる一流の営業マンになるにはどうしたらいいのか。
『サイコロジーセールス 最強の営業心理学』(大谷侑暉著、フォレスト出版刊)という本がある。この本では、営業マンに営業を教えるセールスコンサルタントであり、セールスYouTuberである大谷侑暉氏が、顧客心理や人間が一般的に持つ心理傾向、認知バイアスなどを知り、それら心理法則を営業に落とし込み、科学的に成約率を上げる営業方法を解説。ラポール獲得、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージングという営業プロセスに合わせた36の心理法則と技術を紹介する。
人間心理における原理原則であり、営業における絶対的な以下の6つの営業の基本法則というものがある。
1.返報性の原理
何かを与えられると「お返ししなければならない」と感じる心理傾向。2.コミットメントと一貫性の原理
自分が決めたことや約束を貫き通そうとする心理傾向。3.社会的証明
多数派の意見に従ってしまう心理傾向。4.権威効果
専門家の意見は正しい、従いたいと感じる心理傾向。5.希少性の原理
ある対象に制限がかかると価値を高く見積もってしまう心理傾向。6.メラビンの法則
話し手が聞き手に与える影響を3つに分け数値化した心理モデル。
自分が実際にモノを購入するとき、6つの心理のどれかに当てはまっていることもあるはずだ。
たとえば、権威効果はどのように営業に使うのか。白衣を着た医者や弁護士バッジを胸につけた弁護士の疑いの目を向けることは少ないはず。なぜ専門家の前では盲目的になってしまうのか。それは脳のリソース(意思力)を節約する手助けとなるからだ。
普段この脳のリソースを使って思考や理解、決断などを行なっている。ただ、このリソースは1日の中で使用できる量が決まっている。脳はそのリソースを節約するように進化してきた。なので、権威効果が働くことで、脳のリソースを使わなくてよくなり、それによって本当に必要なところにリソースを割くことができるようになる。
営業でこの権威効果を活用するには、「肩書き」「モノ」「服装」を意識することだ。肩書は、自分の職業や実績のこと。モノは、メガネ、スーツのバッジ、万年筆、高級バッグなどが権威効果を感じさせられるアイテムとなる。そして、服装はスーツにこだわること。いいスーツを着こなすこと。普段から身につけるアイテムにこだわり、身だしなみを整えることで、権威効果が活用できるようになるのだ。
営業が苦手、売れないと悩んでいる人は、まず、人の心を理解することだ。現代的な最先端の営業やマーケティングの世界の潮流としても、心理を理解することが今一番大切と言われている。本書から心理学を使った営業方法を学び、実践してみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。