進化するファッション業界の NFCタグ 。より価値とエクスクルーシブを提供

DIGIDAY

ファッション向けのNFCタグ技術は、2014年にアディダス(Adidas)がスニーカーに初めて導入して以来、大進歩を遂げている。2023年のいま、ブランドらは価値あるNFCタグ統合を提供するために、NFCタグ統合のデジタルエクスペリエンスを構築するという課題を抱えている。それが実現できなければ、サンクコストに直面することになる。

NFCタグの利用の現状と課題

近距離無線通信を意味するNFCタグは、ファッションブランドが購入後の顧客との継続的なエンゲージメントに注力しているために、ラグジュアリー環境やWeb3環境で広く普及している。NFCタグはスキャンすると電波を介してiPhoneなどのデータリーダーとデータをやりとりする。2006年に初めて作成されて以来、ファッション業界では多く用いられているが、スキャンしてもブランドのデジタルエクスペリエンスにうまく接続できるとは限らない。

「大部分のブランドにとって、コネクテッド製品はこれまで持ったことがないものだ」と述べているのは、アディダスやブルガリ(Bulgari)などのファッションブランドとNFC製品で協働しているコネクテッドプロダクト企業、ブルーバイト(Blue Bite)の共同創業者、ミハイル・ダミアーニ氏だ。「製品が購入されて購入客が店から去ってしまえば、ブランドはその物理的な製品に対してどのようなやり取りが行われているかはわからない」。

NFCテクノロジーを最初に試したブランドの経験不足ゆえに初期のNFC統合はぎこちないものだった。小売業者やブランドのなかには、ブランドと顧客へのメリットを追加するカスタムのエクスペリエンスを作成する代わりに、タグを自社のeコマースサイトにリンクすることを選択しているところもある。

NFCタグのコストは平均でそれぞれ10〜40セント(約14〜56円)で、規模やタイプ、メーカーによって異なる。デジタルエクスペリエンスの側で正しく実行されないと、統合コストがかさむ可能性がある。

ブルガリの実装に見る価値ある使用例

ブルガリによるNFCタグの実装は、このテクノロジーの価値ある使用例と言えるだろう。同社は2021年にすべての革製品にNFCを埋め込んだ。ブルガリの革製品は高価な製品であり、NFCタグにより、ラグジュアリーブランドにとって真正品認証の悩みの種となっている偽造品の問題を回避することができるようになっている。

ブルガリ製品を購入する前に、店内でNFCタグをスキャンすると、顧客は、製品がどこでどのように製造されたかについての情報を見ることができる。また、店員向けの二次的な使用例もある。NFCタグをスキャンすると、店員はサプライチェーンの詳細や在庫数など顧客にはアクセスのない情報が得られる。

「ブルガリは、顧客が製品を購入した後にNFCで得られるメリットをうまく提示した」とダミアーニ氏は語っている。「ほかのブランドもこのような将来のユースケースを検討することができる。顧客は限定イベントにアクセスすることができるだろうか。もっとも忠実な顧客に対してブランドが作成して送信している新しいドロップや新製品コレクション、コンテンツにアクセスできるだろうか」。

Web3ブランドによるNFCタグの活用方法

Web3ブランドは、ブランドとの継続的な関係を重視している顧客に対するアピールの一部としてNFC接続エクスペリエンスを取り入れている。Web3ファッションブランドの9dccは、最新のローンチでストリートウェアデザイナーのジェフ・ステイプル氏と協働、NFCコネクテッドのベースボールキャップをコラボレーションした。これは今月のパリファッションウィークのメンズで披露される。このキャップは組み込まれたNFCチップを使って、9dccエコシステム内でインタラクティブなエクスペリエンスを提供する。NFCタグをスキャンすると購入者はデジタルエクスペリエンス内でゲーミフィケーションに関与したり、パーソナライズされた出席証明プロトコルや、エクスペリエンスへの関与に対してリワードを発行する参加証明書バッジにアクセスすることができる。

9dccのデジタルエクスペリエンスは製品リリースごとにカスタム構築されており、さまざまなセクションでメリットやブランドとの関与方法が説明されている。9dccの製品はすべてNFCテクノロジーと統合されている。創業者のgmoney氏は、優れたデジタルエクスペリエンスはブランドにとって優れたデータも意味すると述べている。

「ブランドの観点で言うと、当社の製品はリアルタイムでデータを収集している」とgmoney氏。 「データを見れば、『このニューヨークの所有者とブランドとの関与はものすごい』というようなことがわかる。TikTokやインスタグラムのメトリックは作ったり購入したりできるが、IRLエンゲージメントを提供してくれる人ーーIRLエンゲージメントを偽造するのは極めて難しいものだがーーそのような人は非常に価値の高いデータセットだ」。

ブランドらはNFCタグ向けのデジタル環境と顧客に提供できるユーティリティを構築するために、カスタマイズされた革新的なアプローチを取ることを学んでいるところだ。

製品の使用に対するリワードの提供

一方、Web3美容プラットフォームのキキ(Kiki)はNFCタグを使用してデータを収集し、美容製品が開封されるたびに顧客にリワードを提供している。

「購入にリワードを与えるだけのブランドとは異なり、我々は使用に対してリワードを提供する。これは、ユーザーがページをクリックしてポイントを集めるというオンラインでの定番プロセスだ」と、キキワールド(Kiki World)の創設者、ヤナ・ボボシコワ氏は述べている。「NFC対応のプリティネイル(Pretty Nail)グラフィティペンを開けるたびに、1日1回までペンの使用に対してスマホが黙々とポイントを貯めている」。こうして得たポイントはデジタルエクスペリエンスに表示され、ユーザーは無料アイテムを受け取ったり、製品の色について投票したり、NFC統合を通じてブランドから最新情報を入手したりすることができる。

「QRコードは10年前に登場し、あらゆるところにあった」とダミアーニ氏。「だが、エクスペリエンスがあまり良くなかったので、すぐにスキャンされなくなった。適切なエクスペリエンスがなければ、タグも結局無視されるようになるだろう。エクスペリエンスは(顧客の好みの)変化とともに進化し、時間の経過とともに変わらなければならない。2年間、いや2カ月間でさえも同じことをしていてはだめだ」。

[原文:Fashion brands evolve NFC tag strategies to provide more value, exclusivity

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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