Google対策のSEOで作られる検索ロボット向けのブログ記事とは?

GIGAZINE
2023年06月21日 07時00分
メモ



多くの企業はサービスや商品を宣伝するためのウェブサイトを運営していますが、Googleの検索結果を最後まで丹念に見ていく人は少ないので、いかにしてウェブサイトが上位に掲載されるかは重要なポイントであり、ビジネスをしている人ならSEO(検索エンジン最適化)にはそれなりの力を注いでいるはず。具体的に、検索エンジンのロボットに見せることを前提に作られたショップブログの事例が上がっています。

Fem Power Gifts by GetBullish Blog – The Bullish Store
https://shop.getbullish.com/blogs/news


The customers might be human, but the audience is Google – The Verge
https://www.theverge.com/23753963/google-seo-shopify-small-business-ai

The Bullish Store & Gift Shop」は、ジェンダー問題などを扱うライターのジェニファー・ジウラ氏が、個人サイト「Get Bullish」から派生する形で作ったオンラインショップで、ブログには入荷した新商品の情報や、各種イベントに合わせたオススメ商品のまとめなどの記事が掲載されています。

しかし、Get Bullishに掲載される記事が、主に「女性読者に読んでもらう」ことを想定して書かれたものであるのに対して、ショップのブログに掲載される記事は、検索エンジンのロボットが読むことを想定して書かれているとのこと。

たとえば「父の日」のギフトをまとめた記事はこんな感じ。

Best Father’s Day Gifts 2023 | Gift Ideas – The Bullish Store
https://shop.getbullish.com/blogs/news/fathers-day-gift-ideas-2023


冒頭に、写真家アン・ゲデスの言葉が引用され、その次に「父の日とは?」「今年の父の日はいつ?」と、基本情報が並びます。その後、オススメの商品が出てくるのですが、人間の読者がチェックするのはこの商品リストの部分だけで、その他の文章を読むのはロボットなのだそうです。

この内容についてジウラ氏はニュースサイト・The Vergeの取材に「もし私が人として望む内容、つまり『2500円以下のプレゼントを25個紹介』のような、それぞれの商品の写真や価格、リンクが入った記事を書いたとしても、Googleは気に入らないでしょう」「つまり、(ショップのブログの文章は)すべて検索エンジン専用に書かれた文章なのです」と述べています。

ジウラ氏は本業であるライターとしての仕事が多数あるため、サイトのSEOに割ける時間は全体の5%ほど。それでも「Googleで検索しても出てこない」という事態を避けるためにはやらざるを得ない作業なので、早々に作業を自動化したとのこと。

ショップのブログの制作を担当しているのはフィリピン在住のアシスタント。人間向けではない部分の文章は「Copymatic」というコンテンツ作成AIを利用して生成しているそうです。


なお、ショップではブログだけではなく、サイト本体の商品ページも検索対策が施されています。説明文はメーカー提供のものとジウラ氏らが書いたものが混在していますが、Googleは「短い商品説明を好まない」ことがわかったため文章や写真の追加が行われました。追加する文章は、AIで生成されています。Googleは重複・類似コンテンツのチェックも行っているため、AIを用いてメーカー提供の説明とは異なるユニークな説明をつけるのがポイントの1つになるとのこと。

ただ、こうした対策を行ってなお、ジウラ氏は「私はCプラス、あるいはBマイナスぐらいの評価を得られる作業をしたと思いますが、Aを獲得するのはとても難しいです」と述べ、SEO専門家がついたサイトと戦うことの苦労をのぞかせています。

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