最適な賭け金がどれぐらいなのか「ケリー基準」を試せるシミュレーター

GIGAZINE
2022年02月09日 21時30分
メモ



金融業界、そしてギャンブル業界で知られる考え方の1つが、期待されるリターンを最大化するにあたってどれぐらいのリスクを取れるのかを計算する「ケリー基準」です。実際にこれがどういうことなのか、エンジニアのポール・バトラー氏が作ったシミュレーターで体感することができます。

The Kelly criterion: How to size bets
https://explore.paulbutler.org/bet/


シミュレーターの作りは非常に単純で、プレイヤーはキャッシュを25ドル(約2900円)持った状態でスタート。金額をスライダーで入力し、「6割の確率で出る表」か「4割の確率で出る裏」か、どちらかにベット。選んだ方が出ればベット金額が倍返しになりますが、出なければベット分は没収されます。手持ちがゼロか初期資金の10倍・250ドル(約2万9000円)を超えるかすると終了です。

単に得られる金額を最大にしたいのであれば、ベットする金額は「所持金すべて」ということになります。たとえば、最初のベットで25ドル賭ければ、得られる金額は50ドル(約5800円)。


もし当て続けることができれば、わずか5回のベットで所持金は400ドル(約4万6000円)に到達します。


しかし、所持金をすべてベットしているということは、一度外せばそれでゲームオーバーということでもあります。


最大のリターンを得るためにはゲームオーバーになるわけにはいかないので、複数回のベットを行う前提で、リターンを最大にするのはどうするかを考えることになります。

「ケリー基準」を考案したベル研究所のジョン・ケリー氏の原論文でも未解決の部分があるとのことですが、バトラー氏は単純に考えるために、ベットのたびに所持金の一定割合を賭ける戦略に限定。今回示されているゲームの場合、「当たる確率が6割」の選択肢があるので、これを選び続けるとして、10回ベットしたときのリターンの中央値が最大になるのは、毎回所持金の20%を賭ける場合の30.58ドル(約3500円)だとのこと。このことは、数式処理システム「Mathematica」の開発元であるWolfram Researchも示しています。

勝てる賭けに挑むときは「所持金の何%」を投じるべきなのか? – GIGAZINE


ということで、ページ下部に埋め込まれたシミュレーターは、毎回所持金の規定%をベットするように設定できるようになっています。当たる確率が6割の「表」を選び続けたらどうなるかは、「Bet Heads (60%)」をクリックし続けるとわかります。


当たる確率はあくまで6割なので、場合によってはかなり所持金が減ってしまうこともありますが、いつかは目標に到達するはずです。


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