メモ
サンフランシスコの公共図書館で、夜間に無料Wi-Fiをオフにする措置が取られていたことがわかりました。Wi-Fiを利用していた人からは「ライフラインなので取り上げないで欲しい」との陳情があったものの、図書館は措置を解除する予定はないようです。
Public records show SF city Supervisor Mandelman plotting with residents to shut down wireless internet at public libraries to get rid of homeless people who rely on it, despite being told by the library that it is critical for equal access to Internet and has no impact on crime. pic.twitter.com/MsKh4JZRsm
— HDizz (@dizz_h)
A San Francisco library is turning off Wi-Fi at night to keep people without housing from using it
https://www.theverge.com/2023/6/14/23760787/san-francisco-public-library-wifi-homeless-castro-district-8
アメリカでは毎日400万人が図書館を訪れていますが、全員が図書館本来の利用法のために訪問しているわけではなく、中には住む家がないためにやむなく図書館に来ているという人も含まれます。
サンフランシスコでは、こうした家のない人々が図書館を「避難所」代わりにすることの代わりに、ソーシャルワーカーを雇って対応するという施策を実施。150人に住居を世話し、800人には他のソーシャルサービスを提供したという実績があります。
Library social worker helps homeless seeking quiet refuge | PBS NewsHour
https://www.pbs.org/newshour/show/library-social-worker-helps-homeless-seeking-quiet-refuge
しかし、2022年夏からユリーカ・バレー/ハーベイ・ミルク・メモリアル・ブランチ図書館で、無料で提供されている公共Wi-Fiサービスを閉館中はオフにする措置が執られていたことがわかりました。
活動家のHDizz氏によると、サンフランシスコ市監督委員会の第8区担当であるラファエル・マンデルマン監督官と図書館の近隣住民による会合において、住民から、図書館周辺で薬物が公然と使用されていることや、歩道がホームレスにより利用できない状態になっているという苦情とともに、図書館に設置されている公共のWi-Fiがそういった人々を集める要因になっていることから、Wi-Fi利用可能時間を制限するようにという要求があったとのこと。
Public records show SF city Supervisor Mandelman plotting with residents to shut down wireless internet at public libraries to get rid of homeless people who rely on it, despite being told by the library that it is critical for equal access to Internet and has no impact on crime. pic.twitter.com/MsKh4JZRsm
— HDizz (@dizz_h)
図書館側はWi-Fiの開放が犯罪に影響を及ぼすことはないと弁明しましたが、結局、マンデルマン監督官が図書館のマイケル・ランバート氏と会談した翌日からWi-Fiは制限されることになりました。
地元住民からは、「図書館は公共Wi-Fiによりデジタル格差をなくすと主張しているけれど、具体的に何かしているという証拠は何も示されていない」と、24時間365日使える公共Wi-Fiの価値を否定する声が上がっている一方で、Wi-Fi制限が地域の犯罪や迷惑を軽減させたことを証明することもまた困難です。
Wi-Fi制限の効果について、マンデルマン監督官の前任であるジェフ・シーヒー氏が2017年に調査を行うよう要請しましたが、図書館は「有意義な結論を導き出すだけのデータがなかった」と報告しています。
After-Hours Wi-Fi Report – Eureka Valley, Mission Bay & Glen Park
https://www.documentcloud.org/documents/23830242-2017-sfpl-study-report
また、2021年には地区の住民からの要請で再度広範囲にわたる調査が行われましたが、同じく関連性は見つからないという結果になっています。
ニュースサイトのThe Vergeに対し、立法補佐官のジャッキー・ソーンヒル氏は「終日利用可能なWi-Fiの有無が大きな違いを生むわけではありません」と説明した一方で、緊急通報データを示して「過去9カ月間で犯罪が減少しています」と述べたとのこと。
サンフランシスコ・ホームレス連合のジェニファー・フリーデンバッハ氏は「ホームレスは極貧で、他に選択肢がありません。Wi-Fiをオフにするなどの取り組みは、ホームレスの暮らしを悪化させるだけで逆効果です。そのエネルギーは、住宅のない隣人のために住宅を求める戦いに注ぐ方が、はるかに効果的です」と述べています。
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