関東地方で1年ぶりの梅雨入り!? ~気象予報士増田さんの詳しすぎ天気解説 6月

デイリーポータルZ

天気の面白いところだけを伝える連載。
今月のトピックはこちらです。
・5月の観測史上最高気温は北海道
・梅雨「入れてきた」と関係者は言う
・気象予報士には「ぶり」好きが多い
・雨季の前のインドと北海道の共通点
(インタビュー・構成:デイリーポータルZ編集部 林)
 

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5月の全国の最高気温は佐呂間町

増田:
5月の観測史上の最高気温が北海道なんですよね。
林:
そうなんですか!
西村:
へえ!
増田:
5月にこれまでで全国で一番気温が上がったのって何度だと思います?
林:
37とか8ぐらいじゃないですか。
増田:
39.5。これが出たのが北海道のサロマ。
林:
へえ!
増田:
あそこで39.5が2019年なので4年前。
西村:
えー!最近だ。
林:
それってフェーン現象ですか
増田:
そうです。北海道は4月とか5月にガツンと気温が上がることがあるんです。
大陸で熱々になった空気が西から流れてきて、北海道でフェーン現象が起こって道東ですごい気温があがるということがあるんですけど、このときは極端に気温が上がりすぎて39.5が出たんですよね。
林:
北海道の山地って、真ん中の高い…。
増田:
日高山脈とか北見山地とか。
増田:
5月はアップダウンが激しくて個人的には嬉しい月でしたね。

気象庁ホームページ より(PDF)

林:
今年も5月の北海道はサロマ湖のあたり暑いですね。
増田:
4月5月初夏、特に北日本の気温上昇は近年増えてきてます。
林:
サロマ湖のあたりに住んでたら絶対に暑いことはないだろうなって思うだろうな。
増田:
初夏というか春の北海道はそれこそ朝氷点下で、昼30℃ぐらいまで上がるみたいなことがありますからね。
西村:
1日で季節3つぐらい。
増田:
例えば夜勤から帰ってきた人が寒いって分厚い布団をかぶって、そしたら日中起きる頃には暑い。
林:
陸別とかキンキンに冷えるところは熱くなっちゃうとカンカンに暑くなる。
増田:
内陸なので上がるときは上がりますね。海風の影響も少ないし。
林:
熊谷みたいになるわけですね。
西村:
陸別夏に行ったらどれぐらい暑いのか体験したいですね。
増田:
経費出ます?(と小林さんに)

梅雨「入れてきた」と関係者は言う

林:
6月ですが、梅雨入りは?
増田:
関東はまもなくですね。記事が配信されてる頃には入っているはずです。
(編集注:6月8日に関東地方が梅雨入り)
ちょうど今日6月7日が平年日。なので、気象庁の人たちもチャンスがあったら入れたいと思うかもしれないですね。平年はフッと入れやすいと思いますよ。
林:
「入れる」って言うんですか?
増田:
入れるって僕たちは言っちゃいますね。気象庁入れてきたねーって。
林:
梅雨入れて来たなーって。けっこう気象庁が支配している感じですね。
増田:
気象庁が発表することになってますから。勝手に発表してもいいんでしょうけど、価値があるとは思ってもらえない。
西村:
季節を宣言するっておかしいですもんね。よく考えてみると。

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ぶり好きが多い

林:東海地方の5月の梅雨入りは何年ぶりみたいなことをニュースで言ってました。
増田:
やってましたね。ほんとにぶり好き予報士が多くて。
西村:
受け取る側がそういうのがあると、引っかかるんですよね。
増田:
やっぱそうなんだ。
林:
1年ぶり。
西村:
1年ぶりの梅雨入り!
増田:
それいいな。1年ぶりの梅雨入りです。そんなにぶり、みんなひっかかるんだったら、1年ぶりの梅雨入りです。いいな、使ってみたい。
西村:
フックにはなる。
増田:
怒られるかな。さすがに。
林:
ちょっとボケてるのかどうなのかがわからない。
小林:
ナイツさんとかが言うならわかる。マッチするけど。
林:
そうですね。誰か横にツッコミの人がいてくれるといいんですけど。
西村:
気象漫才ですね。
小林:
相方いないですね。
増田:
1年ぶりの梅雨入りです。24時間ぶりの最高気温です!
小林:
あたりまえ体操ですよ。
林:
24時間ぶりの日没。

雨季の前のインドと北海道の共通点

林:
今年の6月はやっぱり雨が多いですか
増田:
この先、梅雨前線がいるような感じなので、6月は梅雨らしく曇や雨の日が多いんじゃないかなと思います。
西村:
めちゃくちゃ降りましたからね。先週。
増田:
6月平年の一ヶ月分以上普通に降ったりとかありますけど、降ったから今回終わりかと言ったらそういうわけじゃないんですよ。
林:
梅雨前線ってこれですか。きれいに出てますね。 

増田:
あー、長い。あーいいですね。やっぱ落ち着くと言うか、心落ち着きません?ちゃんと梅雨前線が伸びてくれているという。なんか、あるべきものがあるっていう。
小林:
あー落ち着く。
増田:
インド方面にあるのがモンスーン。
西村+林:
モンスーン! 

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増田:
ボコボコボコって雲がわいてる。
林:
モンスーンってなんでしたっけ。
増田:
雨季をもたらす季節風。
西村:
南アジアとか、いま雨がよく降る季節ってことですね。
増田:
インドの気象局とかはモンスーンがどこまで来たとか予想も出してます。この時期にモンスーンここまで来ましたよ。(こちら
西村:
梅雨入り宣言みたいな。
増田:
インドの気象予報。
林:
モンスーンは風じゃないんですか?
増田:
風なんですけど大量の湿気で雨雲ができるから、雨季が来るのに影響する。
林:
モンスーンの強さで雨雲がどこまで来るかが決まる。
西村:
インドにも梅雨入り宣言みたいなのがあるのが面白いですね。
林:
インドで4月にカンカンに暑いのはモンスーンが来ていないから。
増田:
さっきの佐呂間と同じですよね。日本もインドも雨季の前にガツンと気温が上がるのってこういうことだなと思ったりしますね。
林:
じゃあ6月は雨がしっかり。
増田:
雨がそれなりに。
林:
降りますと。
増田:
梅雨らしい天気になりそうです、6月は。 

梅雨前線は波打つので、西のほうにある波頭が東にやってくると雨になる、を身体で表現
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5月のクイズの答え「気象記念日の天気は」 

増田:
明治時代に東京の気象観測がはじまった6月5日を予想してもらいました。結果は、薄曇りでした、また。
林:
また薄曇り。
小林:
なかなかないですよね。
西村:
薄曇りって多いのかな。

ひよどり

曇り・薄曇り←正解!

 
オザワ・イチンノロブ 曇り・薄曇り←正解! 昨日ロッテが引き分けたので曇りです
マンゴープリン 快晴・晴れ 梅雨入り前の最後の晴れ。翌日から天気は下り坂、2日後に梅雨入りすると予想しました。

増田:
オザワ・イチンノロブさんとひよどりさん正解、おめでとうございます!
林:
マンゴープリンさんは梅雨入り前の最後の晴れ、とのこと。
増田:
ちょっと待って!2日後でしょ?
林:
2日後に梅雨入りするってことは6月7日。かなり惜しい(実際は6月8日)。
西村:
そっちの予想のほうが当たってる。

6月のクイズ

増田:
ちょっと趣向を変えて湿度。
林:
湿度!湿度はいいですよね。
増田:
みんなカラッとした日を望んでいるかと思いますが、じゃあどのぐらいカラッとするんだろう。
林:
湿度ってカラッとしているなという時でもそんなに低くはないですよね。40%ぐらい。
増田:
40%台50%台が人間が一番快適に感じるって言いますね。
林:
最近温度計を買ったつもりが間違えて湿度計で、ずっと湿度見ながら仕事してます。
増田:
6月の一番低い湿度はどうでしょう?高いと100%になっちゃうので。
西村:
雨が降ったときが100%って出るってことですか?
増田:
雨でも100%になるとは限らないんですけど、ベタベタしとしとみたいな、いわゆる梅雨らしいときとかは100%が出ます。
ただ、最近東京の観測の湿度が100%が出やすくなっているんですよ。観測所が北の丸公園に移ってから多くなって。まわりに水があったりするというのもあるんでしょうけど。
増田:
2022年の6月の一番低い湿度が……わーすごい。22%。けっこうですよね。その前の2021年は28%、その前の2020年は37%。なるほど。
西村:
37%でもけっこう低いですよね。
増田:
で、今年はこれまで5日が27%。これを下回れるかどいうかってことですよね。
西村:
冬場のめちゃくちゃ乾燥しているときって何%ぐらいですか?
増田:
一番下ったことがあるのは、東京でたしか6%じゃないかな。
林:
え〜!

増田:
東京の今まで一番下ったのは6%。2回ありますね。2003年の2月28日、1963年の1月24日。
西村:
めちゃくちゃ乾燥してて、痒そう。肌が。
増田:
27%も答えに入れてかまいません。
西村:
すでに低い数字が出ているけれども、下回ることができるか。
林:
梅雨で雨がドーっと降って、降り切っちゃったあとは湿度が下がりますか?
増田:
カラッとして、しかも気温が上がれば湿度が下がりますから。そこが狙い目かもしれないです。
林:
そういうチャンスがあるかどうかですね。
増田:
1日ぐらいあるんじゃないかな。ずっと曇りや雨ってことはないですから。
西村:
いや、6月5日の27%が最低じゃないですか。
増田:
お!勝負にいかないですね、今日は。
林:
去年めちゃくちゃ暑い日が6月にありましたよね。40℃とか。そんなのがあって25%ぐらいまで下がると予想。
増田:
刻みましたね。そういう日があると梅雨の晴れ間っていいなって思うでしょうね。
小林:
カラッとして。
増田:
それを望みましょう。 

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