○○巡りを趣味に持つ二人がたどり着いた町 佐渡市(行ってかよかった市区町村)

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はじめに

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○○巡りを趣味に持つ二人がたどり着いた町 新潟県佐渡市
(斎藤公輔)

大学生の頃から20年以上、ずっと一人旅をしている。旅のスタイルは主に「巡り」である。

私はかつて、JRの全路線を巡って乗りまくる趣味「JR全線乗りつぶし」に没頭していた(2011年に全線完乗)。そのため一日8時間は列車に乗るような旅程を組んでおり、さらにそれ以外の時間は路線バスに乗って、主に「岬めぐり」をしていた。テーマを決めてひたすら巡る、スタンプラリー的な旅が好きなのだ。

そんな感じなので、「一緒について行くよ」という人はほとんどおらず、結果的に一人旅がメインになっていた。でもなかには、このスタイルに共感して同行してくれる知人もいて、その人たちとの旅行はどれも印象に残っている。

約10年前、仕事の関係で知り合ったYさんと一緒に行ったのは、新潟県の佐渡島(佐渡市)だった。なぜ佐渡島なのかというと、「道の駅があるから」という謎の理由からだ。

Yさんは引越マニアで、年に一回以上、県をまたいだ引越しをして関西一円を点々としていた。それだけでも興味を惹かれる存在だが、もうひとつ大きな趣味があって、それが「道の駅めぐり」だったのだ。

全国の道の駅は、当時で約1000ヶ所。それを自分の車でひたすら巡っており、出会った当時すでに90%以上の訪問を終えて、残っているのはほぼ離島だけという状況になっていた。そんな話をしていると、巡り趣味人どうし意気投合するのは自然な流れであり、「今度、道の駅がある島に一緒に行きましょう」ということになったのである。私は私で、岬が巡れればそれでよかった。ふたりの利害が一致した瞬間であった。

出発は深夜0時。Yさんの車に乗せてもらって、夜の京都を出発した。

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深夜のドライブ。ブレブレの写真。やがて明けていく空を眺めながら一路新潟へ

何を話したかはすでに記憶の彼方であるが、カーナビがPSP(携帯ゲーム機用のカーナビソフトがあったのだ)だったのが強く印象に残っている。こういうどうでもいいことほど、何年経っても覚えているものだ。

夜な夜な走り続け、7~8時間かけて新潟のフェリーターミナルに到着。車は一旦そこに置いといて、高速船で佐渡島へと渡った(車をフェリーで運ぶより、島内でレンタカーを借りた方が安かったため)。

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そのとき乗ったジェットフォイル。佐渡島へは約1時間の船旅

島に着いたら、あとはひたすら外周を巡る旅である。佐渡島の外周道路はずっと海岸線であり、岬だらけであり、灯台も多い。少し走っては岬に止まり、灯台を鑑賞して次の岬へと向かう。延々と続く日本海の景色を眺めながら、こんなに楽しい旅があっていいのかと思った。趣味を堪能できるのはもちろんのこと、その趣味を理解し、共感してくれる人が近くにいるって、それだけで幸せなことなのだ。

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巡った灯台の一部

もちろん道の駅にも行った。当時は「道の駅 芸能とトキの里」というのが島内唯一の道の駅であり(現在は移転)、Yさんにとっては、この旅唯一の目的地だった。

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はるばる辿り着いた道の駅

道の駅には、特に何があるわけでもない。到着すると「ついに来ましたねー」なんて会話をしたが、それ以上のものはない。Yさんも淡々と道の駅の建物を眺めて、それで満足したようだった。分かる、その感覚分かるぞー、と勝手に共感していた。

佐渡島では一泊した。岬、道の駅、そして佐渡金山に行った。興味がない人にとっては「それだけ?」と言われそうな旅であったが、もうそれだけで十二分なのだ。帰りぎわに、新潟名物「イタリアン」を食べ、また8時間かけて京都へと帰ったのであった。

終わってふたたび解説です

斎藤公輔さんが佐渡市を紹介してくれました。

>到着すると「ついに来ましたねー」なんて会話をしたが、それ以上のものはない。
この一文、とっても良かったです。ほとんどの旅がこういったことが多いですよね。観光名所も「よし、来たぞ。見たぞ。」と確認するんですよね。

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