令和の時代に新たな「鬼平」が幕開け、十代目松本幸四郎を主演に据えた「鬼平犯科帳」のレギュラー出演者発表会見に参加してきた

GIGAZINE
2023年06月09日 05時00分
取材



池波正太郎の同名小説を原作とする時代劇「鬼平犯科帳」の新シリーズが2024年に封切られます。主人公の火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を十代目松本幸四郎さんが演じることが発表されてから2年、新たに、平蔵の妻・久栄や同心・佐嶋忠介など9人のレギュラーキャスト陣を発表する記者会見が行われました。

時代劇専門チャンネル
https://www.jidaigeki.com/

すでにクランクインを迎えたという新生鬼平犯科帳。今回行われた出演者発表記者会見では「鬼平犯科帳」 SEASON1」として計4作品が製作されることが明らかになり、最初の作品「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」は2時間スペシャルとして2024年1月に放送・配信となることが発表されました。

会見の司会進行は関西テレビアナウンサーの大橋雄介さんが担当。続いて日本映画放送株式会社の執行役員、宮川朋之さんが登壇し、「原作に書いてあったとしても映像化できなかった部分に関して積極的に取り組んでいこうということで、若き日の長谷川銕三郎が登場するとか、シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダーでVFXを担当した尾上さん(尾上克郎)に参加していただいて、尾上さんのVFXで新たな江戸を再現できたらなぁなんていう風に思っております」と話しました。


宮川さんのスピーチ全体は以下のような感じでした。

「鬼平犯科帳」レギュラー出演者発表会見 日本映画専門チャンネル・宮川朋之エグゼクティブプロデューサーあいさつ – YouTube
[embedded content]

宮川さんのあいさつに続いては、呼び込みとともに10名のレギュラーキャストが登壇しました。

「鬼平犯科帳」レギュラー出演者発表会見・出演者登壇 – YouTube
[embedded content]

上段左から同心・小野十蔵役の柄本時生さん、同心・酒井祐助役の山田純大さん、同心・佐嶋忠介役の本宮泰風さん、木村忠吾役の浅利陽介さん、同心・沢田小平次役の久保田悠来さん、下段左から密偵・相模の彦十役の火野正平さん、長谷川平蔵の妻・久栄役の仙道敦子さん、下段左から火付盗賊改方長官・長谷川平蔵役の松本幸四郎さん、若き日の鬼平・長谷川銕三郎役の八代目市川染五郎さん、密偵・おまさ役の中村ゆりさん。


まずは長谷川平蔵役をつとめる松本幸四郎さんがあいさつを行いました。

「鬼平犯科帳」長谷川平蔵役・松本幸四郎さんのあいさつ – YouTube
[embedded content]

全員が着席して、質疑応答が行われました。始めに飛び出したのは「事前合宿を行ってチーム作りをしたということですが、その方たちと実際に芝居をしてみて今どんな感情を持っていますか?」というもの。

事前合宿をしたことについて質問を受けた幸四郎さんは「合宿に入る直前に殺陣の稽古や部分的なリハーサルを行いました。火付盗賊改という相当な力を持った集団の中でそれぞれのキャラクターがあるということで、その厚さというか、剣の強さ重さというものがかなり必要な役職だと思います。殺陣の稽古ではすごい人たちばかりが集まり、実際の撮影に入って厚さを維持しつつ、さらに厚く厚くなっているという感じです」と話しました。


一方、話を振られた火野さんは「どれが合宿だったのか俺には分からないんだけど」と最初は心当たりがなかった様子。みんなでご飯を食べに行ったときのことだと説明されて「ああいう合宿はいつもやっていただきたいなと思います」と語りました。


また、同じく合宿に参加した浅利さんは「みんなで殺陣稽古とかをやって、1時間ぐらいしてすぐご飯食べに行きましたよね」と表現。幸四郎さんが、リハーサルなどをした上で、殺陣の稽古は時間をギュッとまとめてやったものだったと補足していました。

「鬼平犯科帳」松本幸四郎さん・火野正平さん・浅利陽介さんが「合宿」にコメント – YouTube
[embedded content]

新シリーズでは、放蕩(ほうとう)の日々を送っていた若き日の長谷川平蔵も描かれます。平蔵がまだ「銕三郎」と名乗っていた無頼漢の時代をどのように演じていたのか尋ねられた染五郎さんは、「銕三郎は刀ではなく振り棒(こん棒)を持っています。刀と違って切る動作ではなく、すべて『殴る』という殺陣だったので、以前別の作品で刀でやった殺陣とは勝手が違いました。撮影の時は本物よりも軽いものでやっていましたが、リアルな重さを自分の殺陣で見せなきゃいけないというところが難しかったです」と話しました。

©「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

「面白いと感じたところはありますか?」という質問に対しては、染五郎さんは「『本所の銕』と言われ、人情深いところもありながら銕三郎時代はやんちゃしていた人。そういう役柄はやったことがなかったのでとても難しかったですが、新境地の役に挑戦させていただけたなというのはうれしかったです」と回答しています。

「鬼平犯科帳」市川染五郎さんが若き日の鬼平・長谷川銕三郎を演じることについて語る – YouTube
[embedded content]

鬼平犯科帳といえば過去に四回も映像化されてきた人気の作品であり、主人公の平蔵を演じる役者にはそれぞれ違った魅力があります。特に幸四郎さんにとっては、テレビドラマで初代平蔵を演じた祖父の八代目松本幸四郎、四代目を演じた叔父の二代目中村吉右衛門から引き継ぐ重要な役どころ。先達が演じてきた役をやるにあたり「ここは違うようにしよう」などと思うところがあるか問われた幸四郎さんは、「祖父が映像化作品に初めて登場して以来、丹波哲郎さん、萬屋錦之介さん、叔父と、鬼の平蔵を演じてきました。私は叔父の鬼平で出演させていただいたことがありますけど、自分自身はリアルタイムには叔父の鬼平を見ていましたので、ただただかっこいい、面白い鬼平犯科帳を見ていた一人でした。この話をいただいたときには、『迷い』とかいうよりも、『やらせていただきます』と素直に言えた自分がいたということに、今思うと不思議なぐらいな感じです。そんなに即決できる性格ではないんですけれど、そのときは迷いがなかった、という思いでこの撮影に入っているという感じでしょうかね」と話しました。


また、「十分に比べていただきたいですし、今までの鬼平、小説の鬼平、そしてそれらをご覧になっていた方々の鬼平のイメージ、そして新しく鬼平犯科帳を知る方々へ、真っ正面からぶつかっていくという気持ちで取りかかっております」ともコメント。自身が鬼平に抱くイメージとしては「どこに入っていくにも先頭を切っていたんでしょうね。それくらいアグレッシブな、強烈な、怒りというか決断というか行動というか、それらが強い人。『だから鬼の平蔵と言われるようになったんだ』と感じていただけるような平蔵を演じるのが自分のテーマです」と語りました。

「鬼平犯科帳」先達が演じてきた鬼平の違いを松本幸四郎さんが語る – YouTube
[embedded content]

鬼平犯科帳には、平蔵の部下に当たる同心たちのほか、平蔵に手を貸す密偵も登場。女密偵のおまさを演じる中村さんは今回の役柄について「自分が鬼平犯科帳を見ていた幼少期に解釈していたものよりも、鬼平とはもっと深い関係性があるんだというのを今回とても感じました。今の時代よりももっと身分の違いがあった時代に、裏の社会でしか生きられないというところに生まれ落ちたおまさが鬼平と出会い、初めて身分の違う方に対等に扱ってもらい、しかもすごく大切なことをたくさん教えてもらったということで、おまさにとって人生を変えてくれるような強烈な出会いだったと思います」とコメント。


「当時の女性の立場だったりしても、何よりもこの人に仕えたいというか、この人のためだったら命さえ捨てられるくらい慕っていた方だと思います。その辺りは大事にしようとは思っていましたし、幸四郎さんも私にお菓子やお茶をくれたりいろいろお世話してくださっているので、そういう意味でも役に役立っております(笑)」と、現場でのやりとりも踏まえて話してくれました。

もう一人の密偵・相模の彦十役を演じた火野さんが答えようとマイクを持ったところ、小野十蔵役の柄本時生さんが「そうですね、火野という役は……」としゃべり始めてしまう場面も。「密偵じゃなくて同心でしょ」とツッコミを受けた柄本さんは「小野と火野を間違えてしまって」と釈明し、会場の笑いを誘っていました。

火野さんは改めて、自分の芸名を池波正太郎さんがつけてくれたというエピソードを披露。「やっと縁が来たかと思い、『幸四郎さんはどんな人なんだろう』と思って来たらば、いつもニコニコしていて優しいし、おちゃめだし。なんとかこのおっちゃんをカッコよくしなきゃいけないなと思って、とにかく平蔵が好きで好きでたまらないという風に見せたいと思ってやっている」と、作品への取り組みを語りました。

「鬼平犯科帳」作品に重要な「密偵」について中村ゆりさんが語る&柄本時生さんと火野正平さんのやりとり – YouTube
[embedded content]

時代劇といえば、過去の時代を映したセットや衣装も重要な役割を果たします。平蔵の妻・久栄役の仙道さんは「着物の所作を教えていただき、背筋が伸びるような気持ちで日々勉強させていただいています」とコメント。中村さんは「去年から日本舞踊に通って少しでも着慣れておこうと思って準備をしました」と話しました。

「鬼平犯科帳」和服の所作で心がけていることについて仙道敦子さん・中村ゆりさん・本宮泰風さん語る – YouTube
[embedded content]

「実際に撮影に入られて、先代の方々が演じられた鬼平という役に挑まれたとき、心境の変化だったり受け止め方の違いだったりといったものはありますか?」という質問を受けた幸四郎さんと染五郎さん。

「このレギュラー陣ですので、こんな幸せなことはないという刺激の毎日です。思い描いたものであったり、頑張らないとという不安だったりプレッシャーだったりというのは、もうよーいドンで始まりましたので、それはもう忘れてといいますか。その日その日、自分ができる全部をやると。それを大事にしようと思っています。今までがこうだったからこう変えてみようということではなく、まったく今までのもの走らないということでもなく、良いものは良い、良いものをこのメンバーで作ろうということに向かって走って行っていると思いますので、もっともっと熱く熱くなれるように自分を高めたいなと思っています」と幸四郎さんが先にコメント。

続いて染五郎さんが「鬼平というと吉右衛門の叔父様のイメージが強く、今回出演するに当たって叔父様の2作品を拝見しました。叔父様の時は叔父様が銕三郎時代も演じられていたのですが、まったく同じシーンではないけれども、自分がやるシーンと同じシチュエーションのものがありました。その短いシーンの中から銕三郎全体の人物像を自分なりに膨らませて、銕三郎の人物像を考えたときには毎回思い出すようにしていました」「父が平蔵の格好で現場にいると、もちろん実際は父なんですけれど、役としては同一人物なので、自分の役の未来の姿が目の前にいるというのはすごく不思議な感覚がします、タイムスリップしたような感じがして。撮影の日がかぶっていたりすると不思議な気持ちになりますね」と話しました。

「鬼平犯科帳」撮影に入ってみて鬼平という役に感じることを松本幸四郎さん・市川染五郎さんが語る – YouTube
[embedded content]

「皆さんから見た松本幸四郎演じる長谷川平蔵とは?」という問いには、まず同心・佐嶋忠介役の本宮さんが「僕も鬼平犯科帳のファンで、吉右衛門さんのものをよくみていたんですけれど、先日幸四郎さんが現場に来られたときはもう震えましたね。現場にいてしびれたといいますか、ちょっとグッと来るものがありました。役者の気持ちを忘れてしまい、一ファンとして幸四郎さんを見ていました。カッコよかったです」とコメント。

同心・酒井祐助役の山田純大さんは「長谷川平蔵という人物になられているなという気がしました。シャープでキリッとされるんですけれど、その中でおちゃめさもあって、シーン以外では人としてのおちゃめさ、かわいらしさみたいなものもあって、すごいチャーミングな方だと思います」「カッコいいです」と述べていました。


同心・木村忠吾役の浅利さんも「おちゃめ」という話に首肯し、「頭の中はずっと何か面白いことを探しているんじゃないかなと思うような瞬間が多々ありまして。おちゃめエピソードをどこまで言っていいのか分からないので小出しにします(笑)」とコメントしていました。

「鬼平犯科帳」松本幸四郎さん演じる鬼平について同心役の本宮泰風さん・山田純大さん・浅利陽介さん・柄本時生さん・久保田悠来さん語る – YouTube
[embedded content]

父・松本幸四郎さんの下で若き日の平蔵を演じることになった市川染五郎さんは2005年生まれの18歳。「テレビの時代劇がなかなか流れない時代、若い人も時代劇を見るべきだと思うような魅力があれば教えていただきたい」という質問を受けて、染五郎さんは「改めて作品を見て、鬼平ってこんなに面白いんだ、もっと大きく時代劇ってこんなに面白いんだと感じました。父が言っていましたが、時代劇はファンタジーとして見られるジャンルだと思います。若い方にも、学校で習うような歴史と混ざると堅く思うかもしれませんが、ファンタジー作品やSF作品を見るようなときと同じ感覚で見ていただけたら、楽しめるんじゃないかなと思います」との考えを示しました。

最後に、幸四郎さんは「鬼平犯科帳は、いわゆる捕物帳です。悪い人が悪いことをやって良い人が捕まえるという根幹の筋はありますが、ドラマとしては『人がどう生きていくか』といった生き様が描かれた作品ではないかと思います。そこには人と人のつながり、絆であったり、思いやりであったり、また情であったり、そこに恋・愛というものがあったりするかもしれません。そういう人間ドラマが描かれた作品だと思いますし、そこを見ていただきたいと思います。長谷川平蔵は実在しましたし、火付盗賊改方や江戸という時代ももちろんありました。しかし、これはやはりフィクションの世界ですので、みんなで説得力のある江戸を作ってしまおうという思いもあります。着物という、いわゆる……コスプレと言っていいんでしょうか。そういう視覚的にも楽しめる、日本の時代劇ですので四季折々を楽しむことができる、日本ってこんなに豊かで面白いじゃないかと思えるのが『時代劇』の魅力だと思いますので、鬼平犯科帳の誕生を通して、また新たな時代劇が盛り上がっていければ、そのお役に立てればという思いも根底にあって、これにも取り組んでおります。まずは、鬼平犯科帳をぜひ一人でも多くの方に見ていただきたいです」と締めくくました。


幸四郎さんによる締めのあいさつの様子。

「鬼平犯科帳」レギュラー発表記者会見・松本幸四郎さんによる締めの挨拶 – YouTube
[embedded content]

2時間スペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」は2024年1月に放送・配信予定。同年5月には劇場版「鬼平犯科帳 血闘」が公開予定で、同年5月以降には連続シリーズ「鬼平犯科帳 でくの十蔵」および連続シリーズ「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」が放送・配信予定です。いずれも放送は時代劇専門チャンネルが予定されており、配信プラットフォームは後日発表される予定です。

最後に、10名そろってのフォトセッションが行われました。火野正平さんが見せるちゃめっ気あるポーズがポイントです。

「鬼平犯科帳」レギュラー発表記者会見でフォトセッションに臨む出演者たち – YouTube
[embedded content]

◆「鬼平犯科帳」 SEASON1
・キャスト
松本幸四郎
仙道敦子 中村ゆり 火野正平
本宮泰風 浅利陽介 山田純大 久保田悠来 柄本時生
市川染五郎

・スタッフ
監督:山下智彦
脚本:大森寿美男
音楽:吉俣良
撮影:江原祥二
照明:杉本崇
美術:倉田智子
VFX シニアスーパーバイザー:尾上克郎
録音:松本悟
殺陣:清家三彦 清家一斗
ⓒ「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

この記事のタイトルとURLをコピーする

Source

タイトルとURLをコピーしました