天然ガスの世界的な不足が訪れているとの指摘

GIGAZINE
2021年09月29日 07時00分
メモ



各国で環境問題に対する取り組みが進められ、石炭の使用をやめてよりクリーンなエネルギー源を採用するという努力の中で、各国はこれまで以上に天然ガスへの依存を増やしています。この天然ガスの利用増加が、パンデミックなどの影響により世界的な天然ガス不足の問題につながっている件について、エネルギー分野を専門とする記者のスティーブン・スタプチンスキー氏が解説しています。

Europe’s Energy Crisis Is About to Go Global as Gas Prices Soar – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-09-27/europe-s-energy-crisis-is-about-to-go-global-as-gas-prices-soar

スタプチンスキー氏によると、ロシアやノルウェーなどの天然ガス生産国がパンデミックなどの影響により天然ガスの輸出を制限しているために、ヨーロッパが保有する天然ガスの貯蔵量は近年にないほど減少しているとのこと。これに伴って、ヨーロッパにおける天然ガスの価格が1年間でほぼ5倍に急騰し、記録的な高値を付けています。

価格の高騰により、天然ガスをエネルギーとして使用する産業全体に影響が及び始めているとスタプチンスキー氏は指摘。セラミックやガラス、セメント製造といった第二次産業で中国企業が影響を受けているほか、肥料生産者が生産量の削減を余儀なくされており、この状況が継続することで世界的な食料価格の高騰につながることが予想されるとスタプチンスキー氏は述べています。実際、いくつかのイギリスのサプライヤーが廃業を余儀なくされているとのこと。


スタプチンスキー氏は「各国の政府や電力会社は、天然ガスの確保はすでに手遅れであると考えており、暖冬を迎えることだけを願っています」と述べています。気温の低下によりエネルギー需要が増加して供給が追いつかなくなることを見越して、アメリカ国務省のアモス・ホッホスタイン氏も「ヨーロッパの一部で暖房に使用するのに十分なガスが不足するのではないか」と懸念を表明しています。

世界最大の天然ガス輸入国である中国でも天然ガスの不足に悩まされています。スタプチンスキー氏は「中国は2020年の2倍の量の天然ガスを輸入しているにもかかわらず、需要を満たすのに十分な量ではありません」と指摘しており、環境保護活動に支障をきたすことを覚悟の上で石炭などの資源の使用量を増やしているケースも見られると述べています。


アメリカを始めとする天然ガスの輸出国はこれまで以上に多くの量を輸出する体勢を整えてはいますが、輸出量の増加は当然ながら国内での供給量を減少させることにつながります。アメリカ国内の企業は政府に輸出量を減らすよう要求しているとのことですが、天然ガスはアメリカ国内において2014年以来の高値で取引されているため、収益性との兼ね合いが検討されると予想されます。

スタプチンスキー氏は「この冬、エネルギー資源に投資している投資家たちは、あらゆる天気予報に注意を払うことになります。これまでさほど注目を浴びてこなかった天然ガス市場ですが、世界がどれほど天然ガスに依存しているかが知られることになるでしょう」と述べました。


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2021年09月29日 07時00分00秒 in Posted by log1p_kr

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