木箱に迷路と小さな球が入っていて、球が迷路の穴に落ちないように木箱を傾けながらゴールを目指すおもちゃの事をご存知だろうか。そう、正式名称が分からないあれである。
小学生の頃の私はあれが大好きで隙あらば球をコロコロ転がしていたものだったが、なんとこの現代ではあれの3D版を自分で組み立てて遊べるキットがあるという。やるしかないのだ。
作るぞ、迷路
編集部の石川さんから「立体迷路を自分で作って遊べる『Intrism』というキットがあるが、興味はないか」と聞かれた時、どうして私の幼少期の頃の趣味を知っているんだろうと思った。
二つ返事で「興味あります!」と答えたところ、こちらの箱がすごい勢いで送られてきた。今まで考えたこともなかったが、石川さんはもしかするとドラえもんとかの可能性がある。
正直に申し上げて箱を見た瞬間やばいと思った。手先の不器用さにかけては全国大会レベルの私なのだ。こんなに複雑そうな立体物を組み立てることなどできようもないのだ。
だがここで尻込みしても仕方ないのでおそるおそる開けていく。
しかもこのシート、なんとAからFの6枚もある。今回は「Intrism Pro」「Intrism Mini」「Intrism Level one」という3種類の立体パズルの内「Intrism Mini」を送ってもらったのだが、Miniでもこのパーツ数である。ディアゴスティーニだったら3年はかかるぞ。
めちゃめちゃ気持ちよく迷路が組み上がっていく
よし、覚悟を決めて作っていくぞ。
このパーツを外してこの部分にくっつけてね。という工程がイラストを使って1パーツごとに描かれている。基本的に接着剤などの類は要らず、パーツの突起がうまいことはまるようにできているようだ。
パーツをはめる時になる「パチッ」という音が気持ちいい。「パキッ」と外して「パチッ」とはめる感覚が無性に癖になる。ひょっとして何か人類の原体験に根ざしてたりするんじゃないか。
説明書の指示のままにパチパチとはめていたが、ふと気づくと…何かそれっぽいのができてる!
出来るぞ!迷路
形が見えてくると制作スピードも上がる。ここはきっとこんな風に球が通るんだ、などと想像しながら組み立てるのが楽しい。
終盤、でかいパーツ群とでかいパーツ群を組み合わせたところ一気に立方体が見えてきた。
そしてとうとう説明書にこんな組み立て手順が現れた。
時間にして2,3時間だろうか、一つも迷うことなく立体迷路が完成した。
ディスプレイ用のスタンドも木のパーツで付属していたので、早速組み立てて写真をばひとつ。
内部の複雑さがあまりにもかっこいい。そしてMiniなのに思ったよりでかい。
総じて大満足である。
むずかしいぞ!!迷路!!
さあさあ眺めてるだけじゃもったいない。早速この大迷宮を攻略してみせるのだ。
道筋になんとなく矢印のガイドがついているため、それを見ながら球が落ちないように転がしていく。
球を転がしていくとぱっと見行き止まりのような場所に行き着くことがあるのだが、視点を変え、立体パズル全体を90度傾けると新たな道が出来て通れるようになったりする。3D立体迷路の真骨頂である。
そうやって創意工夫をしながら迷路を進めていくのだが、ひとつだけ問題がある。
難しいのだ。
右に傾けては落ち、左に傾けては落ち。そうかそうかこのギミックは奥に傾けるんだなと理解し、奥へ傾け気味に遊ぶとその手前のギミックで落ち。とにかく難しいのだ。
誰がこんな立体迷路を作ったのか。私である。
もちろんこの難しさはやりごたえと言っていい。素人が組み立てられるからといって遊ぶ部分の難易度がおまけレベルなのではなく、しっかりこちらも本編なのだ。
作って楽しい。遊んで楽しい。それ以外に何を求めることがあろうか。
この記事の執筆時点でまだ完全クリアできていないので、掲載次第引き続き挑戦しようと思う。