Twitterはたった10人の「有害なインフルエンサー」で年間25億円も稼ぐとの試算結果

GIGAZINE



イギリスの非営利団体・デジタルヘイト対策センター(Center for Countering Digital Hate:CCDH)が2023年2月9日に、「Twitterはたった10人のアカウントの凍結解除により年間最大1900万ドル(約25億円)の収益を上げるだろう」との試算結果を発表しました。これにより、ごく一握りの偏向的なユーザーがいかにSNSに大きな利益をもたらすかが浮き彫りになっています。

Toxic Twitter — Center for Countering Digital Hate | CCDH
https://counterhate.com/research/toxic-twitter/

Twitter is making millions of dollars from previously banned accounts, report says | Engadget
https://www.engadget.com/twitter-ad-revenue-previously-banned-accounts-ccdh-230125284.html

Twitterのイーロン・マスクCEOは、同社の買収直後の2022年11月に、ドナルド・トランプ元大統領を含む凍結中のアカウントを大量に復活させるべきかどうかのアンケートを実施し、賛成多数の結果を受けて「全面的な恩赦」を行うことを発表しました。これに対しては、差別や嫌がらせでアカウントが凍結されていた悪質なユーザーが戻ってくることを懸念する声が上がっていました。

イーロン・マスクがTwitterでアカBANされていた人々を復活させると発表、嫌がらせや差別などで追放された悪質なユーザーが帰ってくると危惧する声も – GIGAZINE


CCDHは、BANされたアカウントが一斉に復活した影響を調べるため、凍結解除されたユーザーアカウントから特に悪質なものを10件選び出し、2022年12月から2023年1月までの47日間に投稿された約1万件のツイートを分析しました。その結果、これらの10アカウントは1日に合計5400万インプレッションを稼いでおり、365日で約200億インプレッションに達することが分かりました。

調査対象となった10人のTwitterユーザーの中には、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏に嫌がらせのツイートを送った直後に別件の人身売買容疑で逮捕されたアンドリュー・テイト容疑者や、新型コロナウイルスワクチンに関する誤情報を拡散していると非難されている医師のロバート・マローン氏などが含まれています。


さらに、CCDHはアカウントを3つ作成して復活したアカウントをフォローし、1039件のツイートを表示させました。これにより、平均して6.7ツイートに1回の割合で広告が表示されることが判明しました。また、ソーシャルメディア分析会社・Brandwatchの調べによると、1000インプレッションあたりの広告費は平均6.46ドル(約850円)とのこと。

これらの情報を総合して、Twitterが10人の悪質なインフルエンサーから得る収益を推測した結果、合計で最大1900万ドルとの結果が算出されました。Twitterは、主要広告主の半分が広告出稿を停止し広告収入が大きく減少していることが報じられており、収益減にあえぐ同社にとって悪質なインフルエンサーが拡散するツイートは貴重な収入源であることが示唆されます。

CCDHはレポートの中で、「今回の調査では、凍結されたアカウント復活がTwitterに与える価値が推定されました。これにより、復活を歓迎するマスク氏の決定が、収益への切実な動機に突き動かされたものであるというさらなる証拠が示されています」と指摘しました。

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